2003.3.29 劇場版ラーゼフォン 多元変奏曲 ストーリー

     突然出現した異次元からの来訪者“MU”。
“MU”は、東京を、木星に似た半球状の障壁で包み込み、
外部と隔離した“TOKYOジュピター”を形成した。

 それから3年。TOKYOジュピターの中に残った高校生・神名綾人(かみなあやと)は
「外の世界が滅亡した」と教えられ、
14歳の時の恋人・美嶋遙(みしまはるか)との記憶も遠くなりつつあった。

 その綾人の前に、ひとりの女性が現れる。その名は“紫東遙(しとうはるか)”。
綾人を障壁の外に連れ出そうと試みる彼女こそが、
かつての恋人・美嶋遙なのだった。

“MU”の力により、障壁の中では時間の進み方が遅く、
障壁内で3年間を過ごした綾人は17歳、
外界で過ごした遙は29歳という、12歳もの年齢差が生まれていた。

 そして、綾人は、その“時間”を“調律”する役割をもった、
“MU”とこの世界を変革する能力を持った人間だったのだ。

綾人が真の目覚めを果たし、神像“ラーゼフォン”と一体化したとき、
世界は崩壊の淵にたたされる。
それを食い止めるには、綾人を殺すしかないという決断に、
果たして遙は耐えられるのか。
そして、世界を救うことはできるのだろうか。
 
 TVシリーズの最終回で『劇場版公開』が発表され、
ファンの間だけでなく、アニメ業界をも震撼させた作品が、
来月、ついにスクリーンに登場。
総監督は、『機動警察パトレイバー』のメカデザイン、
『ロードス島戦記』のイラストなどで知られるマルチクリエイター・出渕(いづぶち)裕(ゆたか)。
 そして、キャラクターデザインは、『十二国記』のイラストレーター・山田章博、
主題歌はテレビシリーズと同じく作曲・菅野よう子、ボーカル・坂本真綾。
多彩なスタッフが、独特の神秘性で満たされた“美”の世界を創り出しています。
“大幅な新作カット”を加え、登場人物の設定を変えるなど、
大胆な再構築をはかった今回の劇場版は、
まさに、誰も見たことがない「もうひとつのラーゼフォン」。

 TVシリーズでたくさんの熱狂的なファンを生んだこの作品が、
全国の銀幕で、私たちに“衝撃”と“興奮”を与えます。




(取材・構成:大村)