第62回12月6日放送 ゲスト:IPPA米(ニッパマイ)田中潔 さん2020/12/13 07:00

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今朝のゲストは400年続く農家の17代目、NIPPA米(ニッパマイ)を作られている田中潔(たなか・きよし)さんです。農作業の合間に、オンラインでご出演いただきました。

NIPPA米の「NIPPA」とは栃木県南部の栃木市の新波(ニッパ、と読みます)という地名。この地で無農薬・無化学肥料で作っているお米に「個人の名前」や
「製法」ではなく、「土地」の名をつけたのには、土地に価値を作りたかったという田中さんの想いが込められています。コーヒー好きの田中さんは、
農園単位で売買されているスペシャリティコーヒーから、そのヒントを得ました。ワインにも同じような考え方がありますが、まさにテロワール!
生まれ育った場所である新波への愛がひしひしと感じられます。
400年続く農家の17代目、しかも新波という土地への愛...、そんな話を伺っていると子どもの頃から跡継ぎになることを楽しみにしていたのかと思いきや、
実は、20歳の頃に「田舎もイヤ、農業もイヤ」で、田中さんは家を飛び出しています。東京に出て、カメラマンになり、様々なもの・人を撮り続けます。
そんな中で気づいたのが、カメラマンの仕事にとっていちばん大事なのは「撮る」前に「見る」こと。自分のルーツを確認しようと実家を撮り始めたことで、
改めて自分の生まれ育った家や文化、父親の姿を「見る」ことになりました。「見ると、わかるんです」という田中さん。小さい頃から慣れ親しんだ家や行事、風習がどれほど価値のあるものだったのかに気づくと同時に、それをずっと守ってきた父親の想いにも心を寄せていきました。
いつかしら自分自身の手で「歴史」を残していきたいという気持ちが芽生えていったそうです。
「家に帰って米作りをやらせてくれ」
----「自分の代で終わりだ」と言っていた16代目の父親は、やるからには自分らしいものを作りたいと試行錯誤しながら有機栽培のNIPPA米作りを始めた息子を、黙って見守ってくださったそうです。「そこがオヤジのえらいところだ」と笑う田中さん。それから10年。次回は、田中さんの10年の奮闘とそこから生まれた素敵なエピソードを伺います。

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