第65回12月27日放送 ゲスト:松本自然農園 松本直之 さん②2021/01/03 07:00

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今朝も愛知県で松本自然農園を経営されている松本直之さんがオンラインご出演。前回は、大学卒業後に自動車メーカーでSEとして順風満帆の社会人生活を始めた松本さんが、「何かが違う」とモヤモヤを抱えて当時の彼女(現在の奥様)と自転車で日本一周旅行に出ることを決意したというお話までを伺いました。この時点では、松本さんの人生には、まだ「農業」の「の」の字も現れていません。さて、この旅の中で、どんな出会いがあるのでしょうか。会社を辞めて自転車の旅に出た松本さん。「戻ったら違う仕事がしたい」と漠然と考えながらの道中、あるとき、沖縄の宮古島で「EM」という言葉(考え方)に出会います。「EMという有機微生物群は地球を救う。農薬を使わずに野菜を作る時にも役立つんだ」。その言葉がなぜか気になって、旅をしながら調べてみたり、実際に九州や四国の農家を訪ねて農業を体験させてもらったりと、少しずつ『農』への関わりが増えていきます。とはいえ、実は旅が終ったときには「何をするか決まらなかった」という松本さん。「マズイ!」と思って、さらにいろいろな農家を訪ね歩く中で、長野県のとある農家さんに出会います。とても忙しくて、毎日3時間くらいしか眠れないほどなのに、その方は仕事中も終始笑顔で楽しそうで「これはホンモノだな」と感じたといいます。そして、自らも農業を始めることを決意しました。とはいえスムーズに進んだわけではありません。新規就農で有機農業を始めたいというと、「儲からないから、やめたほうがいい」と言われる日々。悔しくて、悔しくて「だったら自分が稼げるようになろう!」と闘志に火がつきました。そうしたら、自分の次に入ってくる人たちは、こんな悔しい想いをしなくて済むから、と。その後5年で有言実行。「家族を養うには十分」な収入を得るようになった松本さんは、今では新規就農希望者の研修を受け入れ、もっと多くの人への発信の手段として「農tube委員会」という名前でYouTubeにたくさんアップされています。チャンネル登録数はすでに2万超えという大人気!もっと「小さい農家」が増えてもいい、と松本さんは考えています。心が豊かになる食べものを作れるのは、直接お客さんとつながって売ることのできる小さな農家だからこそ。そういう小さな農家がもっと表舞台に出られるようなサポートを今後も続けていきたい、「野菜ってもっと面白いんだぜ!」を伝えたいと、最後まで笑顔で話してくださいました。

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