第80回4月11日放送 ゲスト:株式会社維里代表取締役 首藤元嘉さん2021/04/18 07:00

0411.jpeg

今朝のゲストは株式会社維里(いさと)代表取締役で全国農業青年クラブ連絡協議会の第66代・67代会長でもいらっしゃる首藤元嘉さん。愛媛県の西条市と
オンラインをつないで画面越しにお顔合わせしながらお話を伺いました。首藤さんのTシャツの胸には「土と暮らす」
とあります。これは、個人事業主時代の屋号。令和元年に法人化する際に社名を「維里」と決めました。
「維里」の「維」は繊維の「維」、つまり衣食住の「衣」を表す。そして「里」は「田」に「土」、つまり食べ物を生み出す田畑、そして住む場所という意味で、衣食住の「食」「住」です。このように「維里」という2文字の名前には暮らしに必要な「衣食住」のすべてが入っています。
ここには、「農業はすべての土台だ」という首藤さんの想いが込められています。農業は私たちの生命の根幹であり、国家の根幹でもあり、
文化の根源でもある。農業を通じて食と暮らし全体を整えることが、維里の、そして首藤さんのミッションです。

首藤さんは、代々続く農家の十二代目。子どもの頃は家業に対して複雑な思いがあったそうです。「農業なんてこれからどうすんべや」という否定的な気持、
だけど「長男が農家を継がんでどうすんべや」という気持ち。その狭間で揺れながらしばらくは勤め人をしていましたが、お父様が身体を壊されたことを
きっかけに35歳で家を継ぎ就農。「やってみたら面白くて、もっと早く継げばよかった」と思ったそうです。農薬による健康被害を間近で見てきた首藤さんは、お父様から「そんなことできるわけない」と言われながらも完全無農薬による自然栽培で米作りを始めることを決意します。周りの農家さんとも歩調が
合わなくて大変なことも多かったようですが、結果として成し遂げることができました。

「オーガニック」というのは、日本では自分や家族の健康のためにという視点から選ばれることが多いのですが、ヨーロッパでは地球環境のためにオーガニックのものを選ぶという考え方がベースにあります。これからの農業経営はSDGSが目指すように、持続可能な環境を地域全体で守っていくということを
考えてやっていくべきだ、と首藤さんは考えています。

© Nippon Cultural Broadcasting Inc.