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  第338回文化放送番組審議会は、平成19年5月22日に行われ、 議題として「青山二丁目劇場」を審議し、各委員から次の様な意見が出されました。

○このドラマを聴いて余り感じるものがなかった。冒険的な試みをしたドラマは奇をてらった所がうまく リスナーに伝わっていない。日常市井で起こる事をストーリーにする場合は単純明快で、後に苦 味か甘味が残るような展開が良い。余りにも奇想天外なドラマには、聴いている側が入っていけ ない。多少音楽は使われているが、全体的には効果音が余り使われていなかった。

○CMの入っていない番組は、民間放送で作っても意味がない。全部が説明的で、音がイメージを 高めていくような工夫もなく、ラジオドラマの衰退原因がここに全部集約されている。「仕置人」は、 ラストが気持ち良く笑って終る様になってない。「人間椅子」は、心理とか恐怖の掴まえ所が未熟で 怖さが出ていない。路線変更し、CDを売るとかし、お金の入る方法を考えて作っていったが良い。

○「仕置人」は、落ちが面白くない。いろいろなキャラが出てくるような脚本にした方が面白さが出る。 「人間椅子」は最後の落ちも本当に面白くて、楽しかった。「忠臣ぐらっ」は面白さに欠け、平坦で 長過ぎ少し残念だった。人間の声で引き付けるラジオドラマの試みは是非追求して頂きたい。

○聴きながら描けたり、イメージを自分なりに作り、その世界に入り込みやすいのがラジオドラマの良 さなので、詰め込み過ぎずたっぷり間を取るのがコツだ。「仕置人」は原作の力量が弱くお仕置き の仕方とかのアイデア不足で、落ちも緩い。「長ぐつをはいたねこ」の外国の童話にありがちなイン チキが正義みたいな理不尽さには、僕らは感情移入しにくい。「忠臣ぐらっ」はもっとラブスト ーリーを中心に書き直した方が良い。

○「仕置人」はキヨスクで小銭をちゃんと渡さないとか、お釣りの中に幻のコインが入っていて、高く売 れるとか話が作り過ぎで、無理がある。「人間椅子」は、醜いが故に女性の温もりにあずかれない家 具職人が、椅子になって座ってもらいたいというくだりは男の心理を上手につかまえている。「長ぐ つをはいたねこ」は損して得した男の話で、イントロか後の所で解説してもらえばいい作品だ。

○NHKの「青春アドベンチャー」やTBSの「ラジオブックス」等のラジオドラマと比べても、「青山二丁 目劇場」は行き方として結構面白い。劇団系と、声優の卵の2つの流れに、80年代の終わり広井 王子の様な秋葉系が出てきて、我々のラジオドラマとは全然違うものとなった。これからのラジオ ドラマはアイドルキャラやゲームのキャラクターボイス等多様な展開に持っていくのも面白い。50 年代のラジオドラマは語り芸とか話芸を中心にした1つの作品ジャンルに確立させれば良い。

○「仕置人」は「釣銭を落とす」という状況の切り取り方が、多少粗いように感じた。「長ぐつをはいた ねこ」は声優の皆さんの力がしっかり出ていて、楽しく聴けたが、終わってみるとなんとなく印象が よわい。「忠臣ぐらっ」はテンポよく、明るく、コミカルな味わいがあり、楽しめた。登場人物の心理 も立場も、きちんと伝わった点が特に良かった。全体の感想としては、演じる人や構成者より原 作の密度が問われ、ことばが生命線になると思う。

○感情移入し、イメージを広げ、明日も来週も聴きたいという私の感覚からすると、今回のは余りに 説明調で感情移入できなかった。昔なじみの「怪盗ルパン」とかシャーロック・ホームズとかアガ サ・クリスティのシリーズとか、どこかで触れた事のあるものをラジオで聴いてみたい。声優の技量 を聴く事が目的ではなく、流れとしてドラマもあり、声優さんの技量もあり、一番大事なのはストー リー性ということであって欲しい。文化放送がラジオドラマをやることは高く評価するが、リスナーが 毎週この時間にチャンネルを合わせるには、まだかなりの努力が必要だ。

○ラジオでドラマをやる事には非常に興味があるし、期待をするが、どこまで本気でやっているのだ ろうという感じがした。もうちょっと本気になって取り組めば、ずっといろいろな事が出てくる。平面 的な試行錯誤ではなく、別の事を垂直に思考するみたいな姿勢がないと、本当に新しいものは 出てこない。

第338回文化放送番組審議会の出席委員は以下の方々です。
黒井千次委員長・加藤タキ副委員長・寺尾睦男委員
白井勝也委員・四方洋委員・松尾羊一委員・弘兼憲史委員
松永真理委員・荒川洋治委員
文化放送番組審議会事務局


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