文化放送HPへ 番組審議会
 

 1月27日に行われた第414回 文化放送番組審議会について御報告いたします。
1月は委員の講演と新年懇談会とが合わせて開催されました。文化放送社長の挨拶、黒井千次番組審議会委員長の挨拶、FMの補完放送に関する事務局からの説明があり、講演に移りました。

今回の講演者は、毎日新聞論説委員の福本容子委員で、講演のテーマは『ハゲノミクスとアベノミクス』です。その概要をご紹介します。


 昨年、『なぜ世界でいま、「ハゲ」がクールなのか』というタイトルの本を出しました。きっかけは、『ウォール・ストリート・ジャーナル』に載っていた、男性の髪の毛の影響を研究した記事で、「髪のない男性のほうが髪のある人より、強い男という印象を与える」というものです。
 髪のある人と丸坊主の人では、どちらが能力が高そうか、第三者に答えてもらうといういくつかの実験をしたところ、坊主頭の男性が高い評価を受ける結果となりました。フサフサの髪は生命力や活力の象徴と重なるが、半数が50歳前に薄くなってくる。その髪への執着を断ち切って丸坊主にしたことは「自力で執着を断った強い男」という印象になるらしい。

 髪の毛の無い本人が気にするほど、周りは気にしていません。「堂々と」がキーワードで、やはり心理の問題です。西海岸のIT関連の人達は、自分達の能力を誇り、ありのままで自由にと、髪を剃った堂々としたハゲ頭が目立ち、非常に格好良い。

 比較して、日本では髪に悩んでいる人が多く、育毛剤、養毛剤、かつらの市場は、経済規模で比べればアメリカの4倍と、格好のマーケットになっています。周りと同じようにという調和を重んじる日本の暗黙のルールが、はげていることを隠そうとし、かつらを使っていることを隠そうとする。やはり周りの目を気にし精神面での不安心理があり、かつらや育毛に一度その対策を始めると、なかなか止められない。その結果、終わりが無い、出口が無い。

 というところが、アベノミクスに共通するのではないか。デフレの恐怖を口実に、攻めずに萎んでしまった。その心理を大胆に変えようとして登場したのがアベノミクスです。日銀が始めた大胆な異次元緩和も、ハゲノミクス同様、根本を改善するものではなく、時間稼ぎの仮りの姿だと思います。物価が上がれば世の中は上手く行くということだけで、無理やり経済を動かそうとしたところが良くなかったのだと思います。

 髪に関して言えば、心理的なプレッシャーが、マイナスに働いてしまう。それなら、少なくなった髪の毛を剃って、如何に全体を格好良くするかに意識を向け、体型や知力や教養を鍛える。

 今、日本が直面している少子化問題や過疎化にしても、少ないからこそできるきめ細かい教育や、観光資源の見直しなど、マイナス面や無くなっていくものに執着するのではなく、それを是とし出発点として、視点を変えて行く。

 今ある魅力を最大限に活かす努力をすれば、ハゲノミクスもアベノミクスも上手く行くのではないか、というのが私の結論です。


以上、福本容子委員の講演の概要でした。

* 参考文献
講談社+α新書  『なぜ世界でいま「ハゲ」はクールなのか』 福本容子著

 文化放送番組審議会の委員は以下の方々です。 
黒井千次委員長・加藤タキ副委員長・白井勝也氏・寺尾睦男氏・弘兼憲史氏・
松永真理氏・荒川洋治氏・福本容子氏の8名です。

平成27年2月15日
文化放送番組審議会

Copyrightc2007,Nippon Cultural Broadcasting Inc. All right reserved.
TOPに戻る 関連会社 お知らせ 個人情報 番組審議会 放送基準 採用情報 番組史 組織図 社長挨拶 会社概要 TOPに戻る 文化放送HPへ