文化放送HPへ 番組審議会
 

 7月28日に行われた第420回文化放送番組審議会について御報告いたします。 議題には、今年の4月から始まりました土曜日の早朝5時から5時10分放送の「アーサー・ビナード『探しています』」を、とりあげました。
戦後70年、戦争体験者が高齢化し、その体験を聞くことが困難になりつつあります。
この番組は、アメリカ人で詩人のアーサー・ビナードさんが、マイクを片手に日本全国の戦争体験者を訪ね歩き、戦争の記憶をインタビューしていきます。
映画監督の高畑勲さん、落語家の三遊亭金馬さん、作家の森村誠一さんといった著名人から、学徒動員され人間魚雷「回天」に志願した人、女学生の勤労動員で毒ガスとは知らされずに運搬に携わった人、ニューギニア戦線からの帰還兵だった人まで、それぞれの戦争体験を語って下さっています。

では、審議委員の意見の概要です。

 

◇ 文化放送の最も価値ある番組として記憶されるほどの素晴らしい企画と番組だ。
丁寧に全国を回り、人選をし、それぞれの戦争体験をインタビューしてゆく意義は大きい。
アーサーさんのやさしく温かい視点と言葉の選び方が体験者の心を開き、心に残る話が聴ける。たくさんの人に聴いてほしいのに、早朝のしかも短い放送時間というのがもったいない。ポッドキャストで、もっと話を聞くことが出来るとはいえ、本にして残すなどそれぞれのメッセージを多くの人に届けたい。

◇ アメリカ人のアーサーさんが語るため、多面的に戦争を見ることが出来る。
いろいろな立場の多くの人に聴いていて、特に一般の人が淡々と語る体験は心に残る。
ネットでしっかり聞けることが、バイアスがかからず奥行きを出している。
体験者の話が聴けるのも時間の問題になってきている。戦後70年のタイミングに捉われず続けてほしい。編成上、もっとたくさんの人が聴ける時間に移動させる必要があるだろう。私も周りの人に聴くことを勧めていこうと思う。

◇ アーサーさんの「聴く姿勢」がすばらしい。最後にアーサーさんが話をまとめ、感想を言うのも解りやすく的確だ。10分間で貴重な話が聴ける濃密な時間だ。
でも本音としては、10分間ではもったいない。良い番組は何度でも再放送すべきだ。まとめて、聴けるような特別番組の企画も考えたい。
こうした小さな声を積み上げていくことで、何か動かせるものがあることを改めて感じた。

◇ 企画として大変おもしろいが、朝ウトウトしながら聞く話ではない。土曜日なら夕方5時に持ってくるべきだ。平和が注目される今、こうした番組が役立つことを願いたい。ただ自身の戦争体験はもっと過酷だった。言葉は多少強く出したほうが解りやすいかもしれない。

◇ 戦争の記憶が薄れる中、いい企画だ。人選にも偏りがなく戦争体験の多様さが印象付けられた。印象的な言葉、大切な見方が飛び出し、ラジオならではの映像のようなものが見えてくる。
一つのテーマで、いろんな人の話を聞き、そこから歴史や、現在を捉えるという面で一つの指標となる番組だと感じた。

◇ こんなに有意義で、好評な番組を4局しかネットしていないのはもったいない。いろんなメディアを使って、一人でも多くの人に聴いていただきたい。アーサーさんの真心と言葉を選んで話す美しい日本語とが、番組に表れている。彼の洞察力、アンテナの張り方にも感心する。素晴らしい番組だ。

◇ こうした番組は、えてして反戦、平和を表に出しすぎてギスギスしたものになりがちだが、アーサーさんの人柄でフラットな落ち着いた印象の番組になっている。親や体験者から聴いた戦争を第三者が語るのと、体験者が直接語るのは全く違う。
大人としての戦争体験は、戦後80年にはもう聴けないだろう。こうした貴重な語り部の声を記録することは、放送局の役割の一つだと思う。

委員の意見の概要でした。

この番組は10分間の短い番組ですが、ポッドキャストで放送に出なかった部分をお聴きになることができます。

文化放送番組審議委員は、委員長・弘兼憲史氏、副委員長・加藤タキ氏、委員・白井勝也氏、寺尾睦男氏、松永真理氏、荒川洋治氏、福本容子氏の7名です。

平成27年8月16日
文化放送番組審議会事務局

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