文化放送HPへ 番組審議会
 

9月29日に行われた第421回文化放送番組審議会について御報告致します。

議題には、今年の8月「くにまるジャパン」の中で放送された[戦後70年企画 ラジオでショートショートに戦後70年を考える]・・・を取り上げました。
ショートショート作家、田丸雅智さんに指導を受けた、各曜日のアシスタントとレポーターの6人の女性アナウンサーが「戦争と平和」をテーマに、ショートショートを創作し、それを各曜日に自身で朗読しました。
終戦記念日を挟んだ、8月10日から14日と、17日の6日間、コーナー番組「くにまる情報局」の中で、また17日には各作品の講評と、田丸さん自作の作品を朗読してもらいました。

 審議委員の意見の概要です。

◇ ラジオとショートショートの親和性は確かにあると思うが、作品のレベルが追い付いていない。3つのステップでショートショートを誰もがつくれるという事に、少し無理があったのではないか。
「戦争と平和」でなくテーマを身近なものにしたほうが、より平和を感じられる。「戦争の悲惨さと平和の尊さを」とか標語のように言われても、気持ちが入っていけない。
初めて小説を書き、それを読むという、アナウンサーの方々には大変な仕事だったろうが、番組や社内で褒め称えあうだけではなく問題点も話し合いたい。

◇ 一つ一つの話をスタート地点から聴いていくと、何の話なのかが見えにくい。どういう設定なのか、なにか起こる前にベースとなる情報を地固めしておかないと、その後の展開が見えない。
言葉から入って、スローガン的なもの、非常に単純な対立項を抱き合わせている。漠然と戦争に取り組んだ為に、それぞれがバラバラな印象だ。
田丸さんは、さすがプロで落ち着いて情況を語る言葉がある。
試み自体は非常に面白く、いろんな文学のジャンルにつながってみる事は大事だ。リスナーはわりと楽しんだかも知れない。

◇ 戦争を知らない若い人達が、どうストーリーにしていくのか、興味を持って聴いたが、誰も戦争の悲惨さを具体的に話していない。
ラジオの企画としては面白いと思うが、アナウンサーだけではなくて、リスナーにもつくってもらい、それを発表するという事を是非やってほしい。

◇ ショートショートとラジオの親和性はあるので、これは今後もやっていただきたい。
今回は、番組の出来上がる経緯に無理があった。ショートショート創作を初めて体験して、楽しく表現することに徹したほうが良い。テーマが「戦争と平和」なら、プロがちゃんとしたものをつくって提供したい。
各作品は、平和や戦争を無理矢理取り込んだような不自然さを感じた。
また、非常にシリアスな時の放送にも拘わらず、茶化したり笑い声が聴こえたりしたのは残念だ。

◇ 戦後70周年を真剣に突き詰めた企画とは思えない。様々な活字媒体や映像媒体が、あらゆる取材をかけて戦後のこぼれたニュース、あるいは戦争の悲惨さを全力でやっている中で、何故これを戦後70周年に結びつけたのか。
誰に対して何を訴えたかったのかという番組の基本がわからない。
例え短い時間でも、僅か短いコーナーでも、やはりここにある種の「報道の凄味」というか、そういうものを持っている使命の番組だという事を押さえておくべきだ。

◇ 試みとしてショートショートをラジオでという事は素晴らしいし、文化放送らしい。けれど、そこに「戦争と平和」を付けようとしたところに、無理があった事も否めない。
パートナーは皆若く、平和と戦後の現代は知っているが、悲惨な戦争は語れない。やはり想像力に限度があった。チャレンジ精神は評価したいが、自分の書いたものを朗読すると感情移入が過ぎてしまうのか、説得力が無い。
しかし、今後いかようにも発展出来る素材を提供したのではないか。

◇ 総評での「各作品は、レベルが高い」というのは社交辞令で、私が編集者だったらどれも添削をする。唐突にドラえもんグッズのような何でもありのツールを出すのは説得力が無くなるし、あからさまなメタファー、比喩もダサい。空想の世界から戻るのなら、もと居た場所から変わってはいけない。自家撞着を起こすのも論旨がグチャグチャになるし、平和を念仏のようにリフレインするのも逆効果。
田丸さんの作品は、さすがにプロと思わせられる。
戦後70年の企画に入れるのではなく、ショートショートでやるのなら一般のリスナーからの公募で秀逸の作品を集めるというほうが面白いと思う。

 7人の委員が以上のように述べました。

番組制作者は、リスナーの方々と同じ目線で、身近なところから戦争や平和、戦後70年を考えていきたいという意図で企画し放送しましたが、テーマと創作がかみ合わないという意見が多く出されました。ただ、試みとしては、各委員から、今後につながると評価されました。

文化放送番組審議委員は、委員長・弘兼憲史氏、副委員長・加藤タキ氏、委員・白井勝也氏、寺尾睦男氏、松永真理氏、荒川洋治氏、福本容子氏の7名です。

平成27年10月18日
文化放送番組審議会事務局

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