
文化放送番組基準
文化放送番組基準改正のお知らせ
日本民間放送連盟の放送基準審議会では、およそ5年ごとに社会環境の変化に対応した
放送基準の見直しを行っている。
今回の見直しでは、放送に対する公的規制の動きや一般視聴者の厳しい批判の高まり
を踏まえ、自主自律の姿勢を一層強固なものとすることを念頭に、報道の目的の明確化、
児童・青少年へのさらなる配慮をねらいとした性表現に関する規定の整備、健康志向の
高まりに伴い増加しつつある健康情報番組やショッピング番組の留意事項の具体化、あ
るいは消費者金融CMの適正化などに関し、条文の新設を含めて規定を整備することと
した。
改正点は下記のとおりである。施行は平成16年4月とする。
記
1.報道の目的の明確化等
報道(ニュース)の第一義的な目的が「市民の知る権利の奉仕」にあることを明確にすると
ともに、プライバシーへの配慮を規定する。
(32)「ニュースは事実に基づいて報道し、公正でなければならない」
→「ニュースは市民の知る権利へ奉仕するものであり、事実に基づいて報道し、公正
でなければならない」
(33)「ニュース報道にあたっては、個人の自由を侵したり、名誉を傷つけたりしないよ
うに注意する」
→「ニュース報道にあたっては、個人のプライバシーや自由を不当に侵したり、名誉
を傷つけたりしないように注意する」
2.健康情報・ショッピング番組に関する規定の整備
健康志向の高まりに伴う関連番組の増加を踏まえ、その取り扱いの適正化を図るため留意
すべき事項を定めるとともに、テレビショップ・ラジオショップに関する規定を新設する。
(57)「医療および薬品の知識に関しては、いたずらに不安・焦燥・恐怖・楽観などを与
えないように注意する」
→「医療や薬品の知識および健康情報に関しては、いたずらに不安・焦燥・恐怖・楽
観などを与えないように注意する」
(124)「医療・医薬品・医薬部外品・医療用具」化粧品などの広告で医師法・医療法・
薬事法などに触れるおそれのあるものは取り扱わない」
→(124)「医療・医薬品・医薬部外品・医療用具・化粧品・いわゆる健康食品などの
広告で医師法・医療法・薬事法などに触れるおそれのあるものは取り扱わない」
(新設=136)「いわゆる健康食品の広告で、医薬品的な効能・効果を表現してはならない」
(新設=59)「いわゆるショッピング番組は、関係法令を順守するとともに、事実に基づく
表示を平易かつ明瞭に行い、視聴者の利益を損なうものであってはならない」
(新設=118)「テレビショッピング、ラジオショッピングは、関係法令を順守するとともに、
事実に基づく表示を平易かつ明瞭に行い、視聴者の利益を損なうものであって
はならない」
3.児童・青少年に配慮した規定の整備等
児童・青少年の視聴に一層配慮する取り組みの一環として、性表現の適正化を図るとともに、
性感染症や生理衛生に関する事柄は医学上・衛生学上の正しい知識に基づいて取り扱うこと
などを規定する。また、性的少数者に対する人権上の配慮を明確にする。
(73)「性衛生や性病に関する事柄は、医学上、衛生上、教育上必要な場合のほかは取り扱
わない」
→(74)「性感染症や生理衛生に関する事柄は、医学上、衛生学上、正しい知識に基づいて
取り扱わなければならない」
(74)「一般作品はもちろんのこと、たとえ芸術作品でも、極度に官能的刺激を与えないよう
に注意する」
→(75)「一般作品はもちろんのこと、たとえ芸術作品でも過度に
官能的刺激を与えないように注意<する」
(75)「性的犯罪・変態性欲・性的倒錯などの取り扱いは特に注意する」
→(76)「性的犯罪や変態性欲・性的倒錯を表現する場合は、
過度に刺激的であってはならない」
(新設=77)「性的少数者を取り上げる場合は、その人権に十分配慮する」
4.消費者金融CMなどに関する条文の新設
個人情報保護法の成立、消費者金融CMおよび治験の被験者募集CMに関する放送基準審議会見解を踏まえ新たな条文を設ける。また併せて、投機性のある金融商品・サービスの広告の取り扱いには慎重な判断を要する旨を規定する。
(新設=88)「懸賞に応募あるいは賞品を贈与した視聴者の個人情報を、当該目的以外で利
用してはならず、厳重な管理が求められる」
(新設=129)「治験の被験者募集CMについては慎重に扱う」
(新設=138)「消費者金融のCMは、安易な借り入れを助長する表現であってはならない・
特に、青少年への影響を十分考慮しなければならない」
(新設=140)「投機性のある商品・サービスの広告は慎重な判断を要する」
日本民間放送連盟の放送基準は、民放共通の自主的な倫理基準として、民間放送の発足と同時に1951年に制定されました。(文化放送の番組基準はすべてこれに準拠しています)。
その後、社会情勢の変化に対応して、10回を超える改正を経ております。
今回の改正により、民放連放送基準(文化放送番組基準)は、18章152条に及ぶものとなって
います。前半88ヵ条は、人権、法と政治、児童・青少年、家庭と社会、教育・教養、報道、宗教、
暴力、性、犯罪、懸賞・景品、等表現上の配慮に関する規定であり、後半64ヵ条は、放送広告の取扱基準として、コマ−シャルが節度を守り、真実を伝え、聴取者・消費者に利益をもたらすものであるための、多岐で具体的な内容となっています。
以 上
株式会社文化放送番組基準
株式会社文化放送は、放送番組の企画、制作、実施に当たっては、関係法令および次に掲げる基本方針にのっとり、取扱の細部については、日本民間放送連盟基準にしたがうものとする。
基本方針
1.真・善・美の理想にもとづき、健全な思想と豊かな教養をつちかい、日本民族の興隆と
文化の向上に寄与する。
1.不偏不党の自律的な立場を取り、言論の自由を確保して、放送の権威を高める。
1.広告媒体としての社会的責任を自覚し、誠実な広告、宣伝により、社会福祉の増進と
産業経済の反映に貢献する。
1.社会公共の要請と聴取者の関心に答えて、公正な報道番組、適正な教育、教養番組、
社会生活を豊かにする娯楽番組の充実と、番組相互間の調和をはかる。
放送法により、「民放事業者は放送基準や番組基準を定め、これに従って番組の編集をしな
ければならない」とされています。
なぜ、放送基準が必要かといえば、放送基準を遵守することによって、その放送局に対する
国民の信頼を確保し、公権力の介入や干渉の口実を与えず、表現の自由に基づく放送の
自主性を貫くためです。これは、放送の社会的責任や使命を自覚することであり、
また、広告媒体として価値、信頼度を高めることにつながります。
放送は、国民の財産である電波の割当を受け、免許を取得して行われる事業であり、しかも、
その影響力は他のメディアに比べて大変大きいわけですから、その社会的責任も重いという
べきでしょう。
放送法で規定されている放送基準について、文化放送では、まず、「文化放送番組基準」と
その「基本方針」を定め、そして、その取扱の細部については、
「日本民間放送連盟放送基準」に従うことにしています。
この民放連の「放送基準」は昭和26年10月に誕生したもので、民放発足とほとんど同時に
作られました。
「放送基準」は、前文と152条から成っており、ラジオ、テレビの全番組および広告に適用
されます。
それは、番組及び広告の企画、制作、実施に当たり放送局が守るべき基準なのです。
1.民放の理念
民放連の「放送基準」の前文は、戦後に初めて出現した民放の理念、
民放のありかたについて、
次のように宣言しております。
民間放送は、公共の福祉、文化の向上、産業と経済の繁栄に役立ち、
平和な社会の実現に寄与することを使命とする。
われわれは、この自覚に基づき、民主主義の精神にしたがい、基本的人権と世論を尊び、
言論および表現の自由をまもり、法と秩序を尊重して社会の信頼にこたえる。
放送にあたっては、次の点を重視して、番組相互の調和と放送時間に留意するとともに、
即時生、普遍性等放送の持つ特性を発揮し内容の充実に務める。
1. 正確で迅速な報道
2. 健全な娯楽
3. 教育・教養の進展
4. 児童および青少年に与える影響
5. 節度を守り、真実を伝える広告
2.人権の尊重
「放送基準」では、前文につづいて、第一章において人権尊重を高く掲げ、
他人の名誉を毀損したり、プライバシ−を侵害したりしないよう強く求めています。
第一章第1条 人命を軽視するような取扱はしない。
第2条 個人・団体の名誉を傷つけるような取扱はしない。
第3条 個人情報の取り扱いには十分注意し、
プライバシ−をおかすような取扱いはしない。
第4条 人身売買および売春は肯定的に取り扱わない。
第5条 人権・性別・職業・境遇・信条などによって取扱を差別しない。
このうち、第5条に関して、「放送基準解説書」では、次のように行っています。
人種・性別・職業・境遇・信条などを表現するときに、なにげない表現が当事者にとって
は重大な侮辱あるいは差別として受け取られることが少なくない。
当事者の人権を尊重し、かりにも侮辱あるいは差別されたという念を抱かせることの
ないようにしなければならない。
また、言葉のいいかえだけで差別がなくなるものではなく、意識の改革がこれに伴わな
ければならないことを銘記すべきである。
尚、人権尊重と関連して、「放送基準」の第104条には「私的な秘密事項の調査を業とする
ものは取り扱わない」とし、「探偵業・興信所・結婚相談所・その他信用調査機関の広告は聴
取者の人権尊重の見地から取り扱わない」ことをきめています。
また、児童及び青少年への配慮として、
(15条)児童及び青少年の人格形成に貢献し、良い習慣、責任感、正しい勇気などの精神を
尊重させるように配慮する。
(21条)未成年者の喫煙・飲酒を肯定するような取扱はしない。
などという条文も掲げられ、子供の人格の尊重も規定しています。
3.報道の責任
ニュ−ス・情報番組がふえ、強化されるにつれ、取材競争によるマスコミの人権侵害、
いわゆる報道被害が起きています。1994年の松本サリン事件で、ほとんどのマスコミが第 一発見者を容疑者扱いにして報道、その後訂正お詫び放送をし、本人にも直接謝罪したと
いう事実がおこりマスコミの横暴ぶりが社会問題となりました。
「放送基準」では、報道の責任について次のように規定しています。
(32条) ニュ−スは市民の知る権利へ奉仕するものであり、事実に基づいて報道し、
公正でなければならない。
(33条)ニュース報道にあたっては、個人のプライバシーや自由を不当に侵したり、名誉を傷
つけたりしないように注意する。
(34条)取材・編集にあたっては、一方に偏るなど、視聴者に誤認を与えないように
注意する。
(35条)ニュ−スの中で意見を取り扱うときは、その出所を明らかにする。
(36条)事実の報道であっても、陰惨な場面のこまかい表現は避けなければならない。
(37条)ニュ−ス・ニュ−ス解説および実況中継などは、不当な目的や宣伝に利用されない
ように注意する。
(38条)ニュ−スの誤報はすみやかに取消し、または訂正する。
誤報はすみやかに訂正しなければなりません。放送法では、 誤報により権利の侵害を受けた者が、放送後3ヶ月以内にクレ−ムを申し出た場合は、事実の再調査を行い、誤報と判明したときには2日以内に訂正または取消の放送をしなければならないとし、報道被害者の権利を保証しています。尚、政治的公平の保持という観点から「政治に関しては公正な立場を守り、一党一派にかたよらないように注意する」とし、番組で特定政党だけを取り上げたり、あるいは特定政党だけをはずすことを禁じています。又、12条では「選挙事前運動の疑いがあるものは取り扱わない」とし、立候補予定者の出演について枠を設けています。立候補者及び立候補予定者の出演は、公示3ヶ月前、あるいは6ヶ月前には取り止めなければなりません。
4.宗 教
(39条)信教の自由および各宗派の立場を尊重し、他宗・他派を中傷、誹謗する言動は取り
扱わない。
信教の自由には、宗教を信じる自由と同時に、信じない自由も含まれる。
公共的性格を有する放送でも、信教の自由の趣旨は尊重すべきであり、信仰を強要したり、
他宗・他派を中傷、誹謗することは避けなければならないとしています。
(40条)宗教の儀式を取り扱う場合、またその形式を用いる場合は、尊厳を傷つけないよう
に注意する。
宗教は個人の内面的な問題として、信念であれ、情緒的反応であれ、
ともかく神聖なものとして受け取られているのが実情である。
したがって宗教儀式を取り扱う場合は、その人々の感情を考慮し、
宗教の神聖・尊厳を害するようなことがあってはならない。
又、神社・仏閣・教会、あるいは墳墓、その他死者および死者の霊に関係あるものの取扱、
ならびに神官・僧侶・牧師およびこれに準ずるものを不当に愚弄したり、侮辱したりするこ
とのないよう注意しなければならない。
(42条)特定宗教の為の寄付の募集などは取り扱わない。
新興宗教・既成宗教のいずれを問わず、番組内容として特定の宗教団体の為の
寄付募集は取り扱わない。
ただし、募集目的が社会福祉に貢献しており、適法なものは取り扱うことが出来る。
5.性 表 現
性観念は、時代の違いや年代の差、そして個人差もあって、その表現やその許容限度について一概に言えないのは当然ですが、ラジオはメディアとして強力な影響力を持っていますので、「放送基準」ては次のように規定しています。
(74条) 性感染症や生理衛生に関する事柄は、医学上、衛生学上、
正しい知識に基づいて取り扱わなければならない。
(75条) 一般作品はもちろんのこと、たとえ芸術作品でも、過度に官能的刺激を与えない
ように注意する。
(76条)性的犯罪や変態性欲・性的倒錯などを表現する場合は、過度に刺激的であっては
ならない。
(78条)全裸は原則として取り扱わない。肉体の一部を表現するときは、下品卑猥の感を
与えないように注意する。
6.広告の責任
広告は、聴取者に対して真実を伝え責任の持てる取扱をしなければならない。
事実を偽ったり必要以上に誇張するなどして聴取者に誤認を起こさせることはもちろん、
一方的な自己主張に偏り、例えば消費者の心身に悪影響を及ぼしたり、
経済的損失を与えたりするような広告は取り扱ってはならない。
広告は、常に聴取者に利益をもたらし、健全な社会生活に役立ち、
広く社会の信頼をかち得るように務めなければならない。
(89条)広告は真実を伝え聴取者に利益をもたらすものでなければならない。
(90条)広告は、関係法令などに反するものであってはならない。
(91条)広告は、健全な社会生活や良い習慣を害するものであってはならない。
(94条)広告は、児童の射幸心や購買欲を過度にそそらないようにする。
(98条) 権利関係や取引の実態が不明確なものは取り扱わない。
(100条)事実を誇張して聴取者に過大評価させるものは取り扱わない。
(101条) 広告は、たとえ事実であっても、他を誹謗し、または排斥、中傷してはなら
ない。
(106条) 食品の広告は、健康を損なう恐れのあるものや、その内容に虚偽や誇張のある
ものは取り
扱わない。
(110条)風紀条好ましくない商品やサ−ビス、および性具に関する広告は取り扱わない。
(111条) 秘密裏に使用するものや、家庭内の話題として不適当なものは取り扱いに注意
する。
(115条) 個人的な売名を目的としたような広告は取り扱わない。
(122条)聴取者に錯誤を起こさせるような表現をしてはならない。
(124条)原則として、最大級またはこれに類する表現をしてはならない。
(128条)医療・医薬品・医薬部外品・医療用具・化粧品・いわゆる健康食品などの広告で
医師法・
医療法・薬事法などに触れる恐れのあるものは取り扱わない。
(132 条)医薬品・化粧品などの効能効果についての表現は、
法令によって認められた範囲
を超えてはならない。
(139 条)不特定かつ多数のものに対して、利殖を約束し、またはこれを暗示して出資を求
める広告は取り扱わない。
(143 条)法令に違反したものや、権利関係などを確認できない不動産などの
広告は取り扱わない。
以上、「文化放送番組基準」の主要なポイントです。 |