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放送レポート

12月5日 ゲスト:土井善晴さん

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テーマ:『父は今でも大師匠!
         料理研究家・土井善晴の
           ターニングポイントになった5つの食材』  

ゲストは料理研究家の土井善晴さん。

 料理が大好きな弘兼憲史さんは
 放送開始前から
 土井さんに質問攻め。
 2時間の放送でも
 時間の限りたっぷりと
 土井善晴さんの料理や食材への
 想いを 伺いました。

「ゴルフのボールがまっすぐ飛ばないのと同じように
 庖丁の握り方は大事なんです。
 全体の目の位置、体の向きが一転に集中しないとだめなんです」

「ゴルフと一緒やないですか」

  「脇をしめた状態で、
   自由に手がまっすぐ動かないといけない」

  「ゴルフですよ、それ。ホンマに“脇”大事!」

土井善晴さんにつられて関西弁が飛び出す弘兼憲史さん(山口県岩国市出身)は
オープニングからエンディングまで 土井さんのひと言ひと言を
聞きもらすまいと お話に耳を傾けていました。
 
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土井善晴のターニングポイントになった5つの食材

その1:「鯛」
 
土井 「鯛の力はすごい!!
     かたくなってもうまい!本当にうまいです!」

 好きな色は「鯛の色」
 大阪料理の基本中の基本が「鯛」という土井善晴さん。

土井 「大阪の懐石で一番大事なのは
     “椀刺し”といって
     “お椀物=お吸い物”と“お刺身”の二つが大阪料理なんです。
     “お刺身”が褒められるのは うれしいんです。

 
     大阪料理は「お刺し身」やと
     もっと知ってほしいな、と思います」

  
その2:「ハマグリ」

 
  かつて家庭料理の第一人者としてテレビの料理番組で活躍された
  お父さん、料理研究家・土井 勝さんの
  思い出が詰まっている食材が「ハマグリ」。
 
  3月の節句のハマグリのお椀の“吸い口”で
  黄柚子を使ったそうです。


その3:「山うど」
 
  吉兆での修業を終えた翌年(30才頃)
  長野の山で「山うど」を採っている人と出会い・・・
  その場で、土をはたいて、ガブリとかじった瞬間・・・

土井 「頭をガーン!と殴られるくらい
     ショックなくらい、本当においしいんです。
     料理屋では味わえなかった自然の力に出会ったんです。

 
     山うどの採りたては最高にうまいです。
     それ以来、篤農家のおうちを訪ねて
     野菜のことを習う――ということをしたんです」

その4:「肉」

  スイス・フランスでの修業時代に
  「肉食文化」を学ばれた土井善晴さん。
   
  シギ、ツグミなどを
  腸だけ抜いて、暗室につるし
  一週間ほどして、お腹の中が発酵して
  いい匂いになったら・・・

土井 「山シギなんて、メチャメチャおいしいんです。
     今、フランスでは禁猟法で禁じられてますけど
     内臓をかきだしてトーストに塗って
     肉の横に添えられるんです」


その5:「野菜」

土井 「フランスでは、お昼のサラダに
     畑からきょう使う分だけつまんでくるんです」

  “赤ちゃんをお風呂で洗う”かのように
  キレイに洗い、乾いたふきんで水気をとる…
  
土井 「ひとつのサラダに
     そのくらいの扱いをするんです」

 
  話題は、日本とヨーロッパの野菜の“味の濃さ”・・・

弘兼 「僕がよく行くフレンチのお店は
     “日本よりフランスの野菜の方がうまい”って言って
     輸入しているんです。
     フランスの方が“味が濃い”っていうんですよ」

土井 「日本は、匂いがしたら子供達が食べない
     ということで、味をなくしていく方向にいってるんです。
     ニンジンでも、ヨーロッパでは端っこをかじったらうまいんですよ。
     本当に野菜の味が濃い。あんまり改良しすぎてないのがいいですね。

     (改良として)トゲのないナスを作ると、
     トゲがなくなるだけじゃなくて、味もなくなってしまう――
     というのがあると思うんです」

弘兼 「クレソンもゴーヤも昔の方が味が濃かった気がするんです。
     クレソンは臭かったですよね。でも今は食べやすくなってますよね」

石川 「何かが違う気がしますね」

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濃い口醤油とうす口醤油の使い分け

番組をお聴きのリスナーの方の質問にお答えいただきました。

Q.醤油の濃い口とうす口の使い分けは?

土井 「家庭的な煮物には濃い口
     お料理屋さんのように“含め煮”として
     お出汁がたっぷりの時は“うす口”の方が色がさえますね。
     “うす口醤油”の方が塩分が多いんです。
     だから味が決まりやすいんです。
     私は、家のサラダは“うす口しょうゆのサラダ”です。
     そうしますとご飯のおかずにもなるんです」

うす口醤油と米酢とサラダ油(またはオリーブオイル)を
1:1:2 で作ると、サラダの味を決めるのが簡単になるそうです。

土井 「日本は、匂いがしたら子供達が食べない――
     ということで、味をなくしていく方向にいってるんです。
     ニンジンでも、ヨーロッパでは端っこをかじったらうまいんですよ。
     本当に野菜の味が濃い。あんまり改良しすぎてないのがいいですね。

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おいしい料理を作るコツ3ヶ条

おいしい料理を作るコツを「3ヶ条」にして伝授していただきました。

 1.手順(基礎)を知る
 2.要領(技術)を身につける
 3.感性を働かせる

土井 「“感性”とは
     鍋にお肉を入れた瞬間『いい音がするな』
     焼き色を見て『きれいだな』と思う感性です。

     油の中に食材を入れていい音がしたら“適温”なんです。
     料理というのは、美しいものとおいしい条件は一致するんです。

     オムレツを焼く時、フライパンの温度が高すぎると
     卵が悲鳴を上げるような音がすると、
     それはくっついたり、うまくいかないですね。


 まな板と庖丁が当たる音も
 あんまり音がなるのはあかんのです。
 音がならないくらいの
 静かな音・やさしい音だと
 『上手な包丁やな』と
 音を聞いてわかります。


     目で見て、音を聴く、手触りで感じる感性…
     おいしいキャベツの千切りは
     音も立てずに切っていって、触るとフワフワなんです。
     切れない庖丁でガンガン切ると、ゴワゴワ…。
     同じものでも味が違うんです」

土井 「 『おいしいな』と『美しいな』が一致すると
     お料理をやっていて楽しいですね」

弘兼 「“切れない庖丁”はトマトを切るとすぐわかります。
     ブチュっと中が出ちゃいますけど
     切れる包丁はスパっと切ると中の水分が出ないですね」

土井 「トマトの方も
     切られてるのを気がつかないですね」

弘兼 「(笑)」

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お送りした曲目

ポーク・サラダ・アニー / エルヴィス・プレスリー
  (弘兼セレクション)
HELLO / ビヨンセ
  (土井善晴さんのリクエスト)
およげ!たいやきくん / 子門真人
  (いつも爽やか・やる気大学さんが初めて買ってもらったレコード)
ハニー・パイ / ザ・ビートルズ
  (弘兼セレクション)
味噌汁の詩 / 千 昌夫

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