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diary

2014年10月6日 いつまでも

絵日記が新しいものに更新される頃
台風18号、どのあたりに位置するのだろうか。
これを記している現在は(日曜午後6時)、
今年オープンした虎ノ門ヒルズ(247メートル)の上
4分の1が雲に隠れている。
一方東京タワーの暖色が雲に反射して、上空が幻想的である。
被害が最低限であってほしいと願うばかりだ。

日曜は朝から雨の東京。
その1日前、青空の見えた土曜日に、感慨深いセレモニーに携わった。
私には高校時代からずっと交流のある友が1人だけいる。
大学は別々。
体格がすこぶる良く、日本拳法部に入ったという。
その頃は、お互い忙しく、あまり会っていなかった。
時が経ち、彼が部長になり「俺の大学に遊びに来いよ」と誘われた。
学食でおごってくれるのかと気軽に行くと・・・。
長ラン(学生服の丈の長いもの)で髪にはポマードをつけた彼がいた。
まわりの下級生は、友人にまさに傅(かしず)いているという表現がぴったり。
返事は「押忍!」
友がたばこを取り出すと、すぐに下級生方向からライター点火の音が。
「ひょえー!」
現在の部は、さすがにそうではないと聞いている
貴重な経験をさせてもらった。

その彼に、今回、また貴重な体験をさせてもらったのだ。
31年前、文化放送入社2年目の私に、証券会社に入っていた彼から連絡があった。
「今度、結婚するから、司会頼みます」
「喜んで!」
居酒屋の返事よろしく、即座に受けた。自然な流れ。
2年目とはいえ、まだまだ披露宴の司会は慣れていず、
かなり緊張したのを覚えている。
それでも全力を尽くし、温かい雰囲気の披露宴だった記憶がある。

月日が流れて、今年の7月。
定期的に二人で飲んでいる酒席で彼が言った。
「今度、愚息が結婚することになった。10月4日、是非とも司会を頼みたい」
これまで生きてきた中で、喜びは多々あった。
今回の喜びは、光栄とプレッシャーが混じった感覚。複雑。
友の人生、順風とは違った。
好成績を上げていた証券会社が破綻。
その後入った会社で力を蓄え、独立。
現在、社長を務めている。
しかし、一つ間違えばの大病も経験した。
彼の経験に比べたら、私のものは生ぬるい。
いつも、彼を励みにしてきた。
そんな彼への細やかなプレゼントにしたかった。

台風18号の影響が心配された4日、
会場上空は奇跡的に青空。神はいると思った。
息子はガーデンチャペルで挙式。
樹齢500年の幸福の木オリーブの傍で友は微笑んでいた。
息子も。そして彼が選んだパートナーもこれまでしっかりと道を歩いてきたようだ。
列席した仲間、スピーチが温かかった。
新郎・新婦の挨拶、皆、目頭を押さえた。
そして、両家を代表したわが友のスピーチ。
番組の宣伝を長くしてくれた。おいおい!

親子2代の披露宴司会。
世の中、珍しいことではないのかもしれない。
しかし、私は感無量。
友人夫妻と彼の息子夫婦の幸せなひと時に立ち会えた感動。
改めて、太くなった友情。
私にとっても、人生における大きなイベントだった。


いつまでも
いつまでも

幾つもの幸せをみてきた
幾つもの幸せをみてきた