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PART1 くにまる東京歴史探訪
ONAIR REPORT
4月4日(月)〜8日(金)のテーマ「東京・桜の名所紀行」

4月4日(月)放送分 + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + +
第一回目の今日は、「井の頭公園」を取り上げます。

JR吉祥寺駅南口を降り、丸井の脇を抜け井の頭公園へ向かうと、
この季節、花見のざわめきが、風に乗って聞こえてきます。

花見客に人気なのが、老舗「いせや」の焼き鳥。
公園に向かう道の右側にある店はいつも活気に溢れ、
10本、20本とまとめ買いしていく人も珍しくありません。
そして「いせや」のすぐ先の階段を下りると、すぐに桜の巨木が池を取り囲む
見事な景色が広がります。この池が「井の頭池」。
江戸の人々の飲み水となった「神田上水」、現在の「神田川」がここから流れ出します。
江戸っ子たちは、井戸ではなく、水道の水を飲んでいるというのが自慢の種の一つで、
「上水の水で産湯をつかったお兄いさん」なんて啖呵もよく知られていますね。
「井の頭池」の名付け親は、三代将軍・家光公と伝えられています。
由来は「上水道の水源」、
あるいは「この上なくうまい水を出す井戸」とも言われます。
上水は1898年(明治31年)に、役割を終え、
近代的な水道に取って代わられることになりました。
そして大正6年、この一帯は公園として一般に開放され、
現在まで長く武蔵野の雑木林の面影を残す場所として親しまれています。

現在、この付近には大学や高校も数多く、
井の頭公園はデートの名所として知られています。
かつてはここでボートに乗ったカップルはいずれ別れる…という都市伝説が、
まことしやかに囁かれた時期もありました。
現在では数多くのストリート・ミュージシャンが腕を磨く場となっており、
連日、若者たちの歌声がこだましています。

4月5日(火)放送分 + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + +
今日は桜と言えばここ、「上野公園」。

上野といえば、北の玄関口。
そして、桜の名所として知られていますが、
今から137年前、1868年の5月15日、
この山を舞台に激しい戦いが繰り広げられました。
260年余りの間、平和を満喫していた江戸の町が戦場となったのです。

明治新政府は、上野の山に立て籠もった抵抗勢力、
旧旗本や御家人、また諸藩の浪人たちからなる彰義隊に向けて総攻撃を開始しました。
彰義隊はおよそ3千人、対する政府軍は2万人。
降り続く雨の中、早朝から始まった攻撃に、彰義隊はよく持ちこたえましたが、
やはり多勢に無勢。
その日の夕方までには勝敗は決し、敗れた隊員たちは散り散りに敗走していきました。

この上野の山は、もともと徳川家ゆかりの寺、寛永寺の領地。
霊園には、生類憐れみの令で知られる5代綱吉、暴れん坊将軍こと8代吉宗など、
合わせて6人の将軍の墓所、お墓もあるという神聖な場所でしたが、
政府軍の総攻撃により、寛永寺はほぼ炎上し、見る影もなく荒れ果ててしまいました。
後にこの一帯は、現在の東京大学の病院建設候補地となりましたが、
お雇い外国人・ボードワン博士がこの地の豊かな自然を惜しみ、公園とすることを進言。
そしてこの一帯は明治6年、浅草寺などと共に日本で初めての公園として指定され、
それ以来、日本でも有数の桜の名所として、今日に至っています。

4月6日(水)放送分 + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + +
きょうは靖国神社・千鳥が淵界隈です。

靖国神社はもともと、明治政府軍と幕府軍の戦い、いわゆる「戊辰戦争」における
政府軍の戦死者を慰霊するために建てられた神社です。
九段下から坂を上り、大鳥居をくぐると、桜、また、桜。
境内に植えられているのはソメイヨシノ、ヤマザクラなどおよそ800本。
また、能楽堂付近にある3本の桜が、東京の桜の開花日を知らせる
標準木となっていることでも有名です。
境内にひときわ高くそびえ立つ銅像は、大村益次郎。
昨日、この時間で新政府軍が上野の山に立て籠もった彰義隊を総攻撃、
壊滅させたというお話をしましたが、その時の政府軍の司令官が、
この大村益次郎でした。
この後靖国神社は、日清、日露、そして第二次世界大戦…と、
数々の戦いにおける戦死者の霊をまつるようになっていきます。

靖国神社には戦後長く、戦争で子供を亡くした母親たちが訪ねてきては、
亡き息子たちを偲んでいったものでした。
島倉千代子さんの「東京だよおっ母さん」にも九段は登場します。
主人公の女性がお母さんを連れて東京見物。
二人は「優しかった兄さん」に会うため、靖国神社を訪れるのです。

3年前まで、この季節になると、小さな新聞広告が人々の目を引きました。
「皇居のお濠 千鳥が淵の 桜が咲き始めました フェヤーモントホテル」
靖国神社から靖国通りを渡って、千鳥が淵沿いに歩き始めれば、
そこもまた見事な桜並木。
その入り口近くに建っていたのがフェヤーモントホテルでした。
今聞こえているユーミンのナンバー、「経る時」にも歌われています。
ホテルは惜しまれつつ3年前の1月に閉館。跡地は現在、
15階建ての高級マンションです。
最上階のメゾネットタイプは面積335平方メートル、
38・4畳のリビングルームとルーフバルコニーつき。
分譲価格はなんと13億5千万円だったそうです。

4月7日(木)放送分 + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + +
きょうは王子・飛鳥山公園界隈です。

早稲田から三ノ輪橋へ向かう都電・荒川線は、
JR王子駅の手前で大きくヘアピンカーブを描き、それから東へと向かいます。
このヘアピンカーブの内側に当たるのが、飛鳥山公園。
八代将軍・吉宗公が、1720年(享保5年)から翌年にかけ
江戸城内の吹上御所で育てた1270本の桜を植えさせ、
その後長く江戸庶民の花見のメッカとなった場所です。
吉宗は桜以外にも、山の麓には山吹や菜の花を植えました。
桜の季節になると、薄くれないの桜色と、山吹や菜の花の鮮やかな黄色、
そして若草の緑がこの世のものとは思えないほど、美しい風景を作り出したそうです。
それまで花見といえば上野が定番でしたが、上野の山は、寛永寺の境内。
徳川将軍家のお墓もあり、どこか堅苦しい感じがあったのに比べ、
ここ飛鳥山は気の置けないレクリエーション・スポットとして大賑わい。
上野では禁じられていたお酒も自由に飲むことが出来ました。
桜が咲くと、それっ! とばかりに熊さん、八っつぁんたちが仕事も忘れて駆けつけ、
朝から飲めや歌えの大騒ぎが繰り広げられたのです。

聞こえているのは、飛鳥山のすぐ北側にある「名主の滝」の音です。
このあたりはもともと湧き水の豊富な土地で、
この滝も王子村の名主が、江戸時代後半に湧き水を使って庭に開いたもの。
現在はこちらも「名主の滝公園」として地元の人々に親しまれています。
落差8mの勇壮な男滝(おだき)を始めとした4つの滝のほか、
渓流や池などがそこここに配置され、都会のオアシスとなっているのです。
花見のどんちゃん騒ぎに疲れたら、静に滝の音を聞く。
これもまた、乙なものですね。

4月8日(金)放送分 + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + +
きょうは文化放送の地元、四谷の土手、外濠公園をご紹介します。

東京駅から中央線の電車に乗ると、
飯田橋の駅を過ぎたあたりから、車窓の両側に、
それは見事な桜並木が広がり始め、途中市谷をはさんで
文化放送の最寄り駅、四谷まで続きます。
向かって右側は、外濠。左側は、土手。
「花見」ということになれば、土手の上、外濠公園。
公園といっても、散歩道程度の場所に
無理やり敷物を敷いて宴会をするわけですから、場所取りが大変。
四谷、市谷界隈の新入社員たちは、
みな先輩に言いつけられ、土手の場所取りに精を出すことになります。
さて、外濠公園が都民の憩いの場になったいきさつについては、
実はこの学校の学生たちの果たした役割が大きかったのです。

飯田橋と市谷の中間、お濠端にある法政大学。
実は昭和の始めまで、お濠も土手も一般市民は立入禁止でした。
これは外濠が、江戸城の守りの一端を担っていたことと深く関わっています。
明治に入ってもこの伝統は受け継がれ、
「この土手に登るべからず 警視庁」という有名な高札が立てられていました。
ところが、血気盛んな学生たちは、そんなことは無視して、
次から次へと張り巡らされた鉄柵を乗り越え、土手へ上っていきます。
すると交番から警官が駆けつけ注意、帰るとまた上るの繰り返しで、
業を煮やした警察が何人かを麹町署へ連行すると、
「仲間を返せ!」と学生が大挙して押しかけ大変な騒ぎになり、
しばしば学生と警官の大乱闘事件が起きたのです。
そこで、事態を見捨てておけなくなった大学当局が、
卒業生の市会議員に協力を仰ぎ、土手の開放を東京市に要請。

その結果1927年(昭和2年)、飯田橋から新見付までが、まず公園として開放され、
土手はめでたく市民の憩いの場となりました。
この時、大学は公園にいくつかのベンチを寄贈しているそうです。

法政大学を後にして、花盛りの土手を歩いて四谷まで。
夕方6時になると、上智大学に隣接する聖イグナチオ教会の鐘が鳴り響きます。
この鐘が聞こえると、花見の宴もいよいよ佳境に入るというわけです。
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