番組について
ONAIR REPORT
BACK NUMBER
  ◆最新の歴史探訪
◆過去の歴史探訪
   
PART1 くにまる東京歴史探訪
ONAIR REPORT
6月6日(月)〜6月10日(金)のテーマ「時を告げる」
6月10日は時の記念日です。そこで、今週は「時を告げる」というテーマでお送りします。


6月6日(月)放送分 + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + +
第1回の今日は、日本橋三越本店のパイプオルガンです。

東京都台東区松が谷(まつがや)。
荒井栄一(あらい・えいいち)さんが経営する木工会社があります。
14歳で父に弟子入り、来年で60年になります。

日本橋三越本店。
1日3回、中央ホールの2階にあるパイプオルガンが演奏されます。
パイプの数は825本あり、人工的な電子音ではなく、オーケストラの
ボリュームは控えめ。暖かみのある音を、ショッピングの妨げにならぬ
音量でお聴きいただく、という心配りがされています。

三越は、呉服商・越後屋としてスタート。
新しい商法を取り入れて発展しました。
1904年(明治37年)には、日本最初のデパートになります。
1914年(大正3年)には、5階建て、一部6階建ての日本橋本店が完成。
当時の広告に使われた「今日は帝劇、明日は三越」は、都会生活の
楽しさを見事に表現したコピーとして話題になりました。
さて、このパイプオルガン。
アメリカ各地を視察中の三越の役員が、ある年のデパートで見つけ、音の
素晴らしさに感動して同じタイプのものを買った、といわれています。
当時の値段で3万5千ドル。現在の金額で3億円ほどになります。

1935年(昭和10年)、本店の大規模な改築工事が終了。
1930年アメリカ製のパイプオルガンは、現在の場所、
中央ホール2階のバルコニーに置かれました。
コンサートホールなどで見かけるパイプオルガンと違い、825本の
パイプはバルコニーの左右にある部屋に納められています。
5階まで吹き抜けになった贅沢な空間に、豊かな音がゆっくり拡がっていき、
ゆったりとした時間を味わうことが出来ます。
演奏される曲は、クラシックからポピュラーまで、幅広いジャンルから
選ばれています。

開店時間の10時、正午、3時の1日3回、
心地よい音楽で時を告げています。
1回の演奏時間は、およそ15分間です。


6月7日(火)放送分 + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + +
今日は、恵比寿ガーデンプレイスの「からくり時計」です。

渋谷区恵比寿。
この街の発展のきっかけは、ビール工場。
1889年(明治22年)、当時は東京府下荏原郡三田村(ふか・
えばらぐん・みたむら)と呼ばれていたこの地に、ビール工場が作られました。
現在のサッポロビールの前身です。
翌年、ここで作られるビールは、幸福の神様「えびす」の名を取って
「えびすビール」と名づけられました。
生産が増えるにつれ工場は大きくなり、やがて、ビールを積み出す
ための鉄道の駅が出来ます。恵比寿駅です。
1928年(昭和3年)には、「恵比寿」とい地名が登場したんです。
ビールの銘柄が駅名になり、地名になったんですね。

工場は、100周年を迎えたところで郊外に移転することになりました。
広い土地をどう利用するか、プランが作られました。
東京ドーム約2個分という広さの土地が恵比寿ガーデンプレイスに生まれ
変わったのは、1994年(平成6年)10月のこと。
昨年、10周年を迎えました。
2004年、1年間の来場者は1300万人。
昼間の人口を増やし、街を活性化させるという試みは大成功を収めました。

からくり時計は街の入り口近くにあります。ガーデンプレイスの完成と
共に登場しました。
毎日3回、12時、3時、6時になると、ミュンヘンのビール祭り
「オクトバーフェスト」のパレードが繰り広げられます。
登場するのは、市長・音楽隊・ウエイトレスなど7人と馬が2頭。
楽しいマーチに乗って続きます。
「からくり時計」の見物の多さは相変わらずです。
平日はカップルが多く、休日は家族連れが増えます。
ビール祭りに刺激されて喉が渇いた方は、すぐ近くに有料のビアレストランがあります。

  

6月8日(水)放送分 + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + +
今日は、早稲田大学・大隈講堂の鐘です。

都の西北、早稲田大学。
創立者は、政治家としても、教育者としても有名な大隈重信。
大学の前身は、1882年(明治15年)に開校した東京専門学校です。
第1回の入学生は、僅か80名だったと記録に残されています。
さきほどの校歌は、創立25周年を迎えた1907年(明治42年)に
制定されました。

大隈講堂が完成したのは、1927年(昭和2年)10月。
大小2つの講堂と時計台を持ち、当時「日本一の講堂」と話題に なりました。
高さは126尺、約38メートルあります。
これは、大隈重信の持論であった「人生125歳説」・・・節制すれば、
人間は125歳まで生きられるという考えですが、125歳説にちなんでいます。
高い建物が少なかった時代のこと、大隈講堂は早稲大学を代表する建物として、
たちまち有名になりました。
1999年(平成11年)には、東京都歴史建造物に選ばれています。
完成から80年近く経った今でも,大学のシンボルとして親しまれています。
時計台の鐘はアメリカ製。
大小4つの鐘でハーモニーを作り、1日に6回、時を告げています。

卒業生総数50万人、在校生4万人という早稲田大学。
学生の顔ぶれは変わっても、活気溢れるキャンパスのたたずまいは
変わることがありません。
  

6月10日(金)放送分 + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + +
今日は、銀座のシンボル、和光の時計塔です。

日本一の商店街、銀座。
銀座の顔といわれるビルが、四丁目交差点にある和光です。
服部時計店として建てられたビルは、建て直しのため1921年
(大正10年)に取り壊されました。
その後、基礎工事の最中に、関東大震災が発生。2代目のビルは
1932年(昭和7年)に完成。
落成式は、6月10日、時の記念日の当日に行われました。

ビルの設計者は渡辺仁(わたなべ・じん)。
日比谷の第一生命ビル、上野の国立博物館、惜しくも消えてしまった
有楽町の日劇などの作品で知られています。
重厚な建物の上に、時計塔を乗せた優美な姿は、「銀座の顔」「東京の
シンボル」の名に恥じません。
1988年(平成11年)には、「東京都のランドマーク」の指定も受けました。
1947年(昭和22年)に服部時計店から業務を受け継ぎ営業を
始めたのが和光です。
時計や宝飾品をはじめ、ハンドバッグや食器など、質にこだわった高級
専門店であることはご承知のとおりです。

さて、時計塔です。
文字盤は4面あり、正確に東西南北を向いています。
交差点に面しているのは南側の文字盤です。
直径は2.4メートルあります。
3年前、70周年の年に、実物大の文字盤が1階のウインドウに置かれて
いたのをご覧になった方も多いことでしょう。
文字盤の外観は変わりませんが、時計の機構は最新式のものが備えられています。
ちなみに、現在の時計の精度は、
1週間で±(プラスマイナス)0.0001秒以内です。

正確な時を知らせる時計塔、45秒前から30秒間、ウエストミンスター式の
チャイムの前奏をかなでた後、時報を告げます。
午前8時から午前0時まで鐘の音を楽しめます。

 
PAGETOP

サウンドオブマイスタートップページ くにまるワイド ごぜんさま〜 INAX JOQR 文化放送 1134kHz 音とイメージの世界 SOUND OF MASTER サウンド オブ マイスター