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PART1 くにまる東京歴史探訪
ONAIR REPORT
1月8日(月)〜1月12日(金)
今週のテーマは、「ブロードウエイによろしく!」
いまや、「サブカルの聖地」として全国に名高くなった中野ブロードウエイの、その歴史と現在を
ご紹介します。

1月8日(月)放送分 + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + +
コーナーはお休みしました。


1月9日(火)放送分 + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + +
今日は、「はじまりの巻」歴史編をご紹介します。

去年の暮れ、惜しくも亡くなられた青島幸男さんは、かつて中野ブロードウエイの住人でした。住人…といえば驚かれるかも知れませんが、ブロードウエイは1階から4階までがお店が並び、5階から10階までは超高級マンションというつくり。 ブロードウエイができたのは1966年(昭和41年)。去年でちょうど40周年を迎えたことになります。当時は都内でも指折りのハイクラスなマンションで、医師や弁護士、芸能人といった高額所得者が、争うようにここに住みたがった。当時人気絶頂のジュリー、沢田研二さんも、ここブロードウエイの住人だったんです。いってみれば現在の六本木ヒルズのような、最先端の場所だったんですね。もちろんセキュリティーは厳重。住居階の廊下には、宮内庁御用達の業者による赤絨毯が敷き詰められ、屋上には見事な庭園、そしてプールにゴルフ練習場までが建設されました。まさに1960年代的な「夢の空間」が実現したのです。

もともとこの土地は、乃木希典将軍の別邸があった場所。いま、中野駅の北口は、サンモール商店街が伸びて、その出口からブロードウエイの建物へとつながり、通り抜ければ早稲田通りへ出られるようになっていますが、ブロードウエイができるまでは、そこで行き止まり。畑などが広がる、のんびりした場所だったんだそうです。これではいかん、なんとかしよう…と再開発の計画が立てられ、営利会社には売らない…と頑なだった乃木将軍の親族を説得。ようやく事業がスタートしたものの、こんどは資金難となり、工事は途中でストップ。広大な空き地は放置され、沼地となり、遊びに行った子供が溺れる…なんて事件も起きたんだそうです。

そこで乗り出したのが、もともと歯医者さんで、神宮前に高級マンション「コープオリンピア」を建設し話題となったデベロッパー、宮田慶三郎さんという方。この方が、アメリカ留学中に見た、住居と商業施設が一体となった複合ビルをここ中野に建設しようと決め、そこで「ブロードウエイ」が誕生した、と、こういうわけ。そんな最先端のビルが、なぜサブカルの聖地となったか。そのお話は、また、明日。



1月10日(水)放送分 + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + +
今日は、「サブカル事始めの巻」をご紹介します。

1966年(昭和40年)、最先端の設備を備えた夢の複合施設としてオープンした中野ブロードウエイ。しかし、華々しく脚光を浴びたのは最初のうちだけで、各地に同じような住宅プラス商業施設というビルができたこと、また都心から離れた中野、さらに駅から歩いて5分…という立地条件もあって、徐々に地盤沈下。70年代終わり頃には、あまり活気のない、これといった特徴もない商店街になってしまったのです。

それを変えたのが漫画専門古書店「まんだらけ」の出現でした。現在では東証マザーズにも上々を果たした大企業、漫画本だけではなくアニメやゲーム関連グッズ、コスプレ用の衣装までマニア向けのありとあらゆる商品を取り扱うコングロマリットとなっております。ブロードウエイの中だけでも20店舗以上、全国各地に出店を果たし、さらに海外との取引も盛んに行っている「まんだらけ」ですが、スタートは1980年(昭和55年)。マニアックなマンガ雑誌「ガロ」に作品を発表していた漫画家、古川益蔵さんがブロードウエイの2階にオープンした、面積わずか2坪の、小さな古書店がその原点だったのです。中野店、店長の辻中雄二郎さんに、お話を伺いました。

「まんだらけ」がオープンしたのは、まだまだ古書としてのマンガの価値が認められなかった時代。古川社長は手塚治虫先生の稀覯本、「新宝島」初版に、当時としては破格の五百万という値段をつけ話題となりました。現在「開運なんでも鑑定団」の鑑定士としても活躍中の古川社長ですが、あの番組を見ても、漫画関連グッズの高値には、本当に驚かされますよね。先見の明があった、ということなのでしょう。



1月11日(木)放送分 + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + +
今日は、「精神世界の探検の巻」をご紹介します。

80年代の始め…私にとってはオンリー・イエスタデイですが、もう四半世紀も前のことになるんですね。開店からしばらくして、活気のない普通の商店街になっていた中野ブロードウエイでしたが、漫画専門古書店の「まんだらけ」がオープンし大ヒット、次々にビルの中に店舗を増やしていくと、そこにやってくる「おたく」の皆さんを目当てに、次々に「サブカル」関連のお店が増えていきました。

そもそも「サブカル」とは何か?
サブカル、即ち、「サブカルチャー」の略。メインがあるから、サブがある、というわけで、もともとはクラシック音楽に対してのポップスや歌謡曲、純文学に対しての大衆文学や漫画など、どちらかといえば商業性の強い大衆文化を呼ぶ言葉。今では誰も言わなくなりましたが、1960年代まで「マンガ=くだらない」という図式が歴然としてあり、それを崩していったのが団塊の世代。大学でバリケードにこもりながら「少年マガジン」を読んでいた、もうじき定年を迎えるオジサンたちが、そうした「サブカルチャー」を盛んに持ち上げたのです。

そんなサブカルの中でも人気が高いのが、精神世界の探求。高度成長期までは「非科学的である」と否定されてきた、霊魂や超能力などの世界に引きつけられる人々が増えてきたのです。もちろん、中野ブロードウエイには、そうした精神世界に関わる商品を取り扱うお店がいくつもあります。その中の代表格、ニューエイジ系から心霊現象、新宗教、UFO、気の武術、CDやビデオ、グッズまで幅広く取り揃えているという日本でただ一軒の精神世界専門古書店「大予言」、遠藤景子さんにお話を伺いました。

中野ブロードウエイには、この「大予言」のような、謎めいた面白いお店がたくさん集まっています。いつも「何か面白いコトないかな…」と探している、好奇心旺盛な方には、ぜひオススメしたいスポットです。



1月12日(金)放送分 + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + +
今日は、「サブカル最前線の巻」をご紹介します。

八十年代、大きなムーヴメントとなった漫画古書店「まんだらけ」。中野ブロードウエイには、その動きに引きずられるように、たくさんのサブカル関連ショップが集まってきました。今では、古くからの食料品や日用雑貨を扱うお店と、こうしたサブカル関連ショップがほぼ半々、といった、ほかではまず見られない光景が、当たり前のようになっています。

外人さんの姿もよく見かけますが、実はこのブロードウエイ、いま欧米でどんどん増えている日本のサブカルマニアを相手にした「オタクツアー」の、ツアーコースにも組み込まれているんだそうで、ちょっと驚きですね。まんだらけ以外にもサブカル関連の小さな店が増えたのは、実はこのブロードウエイは一つ一つの区画ごとに分譲されているため、オーナーがみんな違います。オープンから40年を経て、高齢化したオーナーたちが、自分たちの店を切り売りしたり、あるいは細かく区切って貸したりするようになりました。そのため、あまり資本のない若い人たちでも、店を出しやすかった…という事情があったんです。

今では人気スポットとなってしまったため、新規出店はけっこう難しくなっているようですが、とにかく漫画やアニメ、その他サブカル関連商品を取り扱いたい…という若者にとっては、中野ブロードウエイは夢の舞台というわけです。そんなショップの中でも、古株の一つ。自主制作の本や一般流通にのらない書籍、少部数出版、インディーズCDや映像、絵画・雑貨・楽器など何でも扱う、いわば「サブカルのデパート」といった感じのお店「タコシェ」で、中山亜弓さんにお話を伺いました。
最近、タコシェでは、商品を扱うだけでなく、自費出版も始めたそうなんです。お宅、マニアと呼ばれる方々にとっては夢のワンダーランド、中野ブロードウエイ。これからもたくさんの物語が、この巨大なビルの中で紡がれていくことでしょう。



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