番組について
ONAIR REPORT
BACK NUMBER
  ◆最新の歴史探訪
◆過去の歴史探訪
   
PART1 くにまる東京歴史探訪
ONAIR REPORT
11月5日(月)〜11月9日(金)
今週は、「東京国立博物館探訪」と題してお送りししてまいります。
11月、文化の秋たけなわでございます。
今週は、東京は上野にございます東京国立博物館をご紹介してまいります。

11月5日(月)放送分 + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + +
初日の今日は、「歴史をさぐる」をご紹介します。
日本最大の博物館、東京国立博物館、今年、創立135年を迎えました。創立は明治5年。最初は文部省博物館として作られたのですが、その場所はと申しますと、現在のJRの御茶ノ水駅近くにある、湯島聖堂だったんです。これには、当時の明治政府の強い意向が働いていました。翌年、明治6年にオーストリアのウィーンで開かれる万国博覧会に出品する美術品や、全国から集められた工芸品を湯島聖堂に展示したんです。
万国博覧会は、新興国家・日本をアピールする絶好の機会であったわけで、いうなれば、「ウイーン万博壮行会」といった催しでした。
幕府の学問所が置かれていた湯島聖堂での催しは大成功。この時に一番人気を集めたのは、名古屋城の金のシャチだったんです。あまりの人気に、こんな方針が打ち出されたんです。「新しい技術は外国から取り入れる。その一方で、日本の優れた文化を世界に知ってもらおう」湯島で開かれた博覧会によって、文化財保護の機運が高まり、博物館が世に知られることになったんです。この催しを主催した文部省博物館の開館が、東京国立博物館の創立とされております。
博物館は、すぐに湯島から日比谷へ移り、やがて現在の上野に移ったのが明治15年のことでした。当時は、博物館だけでなく、美術館や植物園も含めた施設づくりが計画されておりました。その後、発展する明治政府の首都・東京では、たびたび大規模な博覧会が開かれましたが、会場は広い敷地がある上野公園と決まっていました。博覧会・動物園そして博物館、上野は首都・東京の中でも極めて文化の薫りの高い場所になっていったんです。
ところで、明治時代の博物館の入館料、いくら位だったのでしょう。博物館の古い資料を調べていただきました。明治15年、上野に移った直後でございますが、曜日によって料金が違っていたんですね。日曜日は5銭、火曜日から金曜日までが3銭、土曜日は2銭となっていて、月曜日は休館日でございました。当時の入館料、現在の価値では500円から1000円ほどになります。
上野に移った博物館、その後、何度か名称が変わり、現在の「東京国立博物館」となったのは、1952年(昭和27)のことでした。135年の歴史を持つ東京国立博物館、現在の所蔵品は11万件!日本最大の規模であるだけでなく、国宝88件をはじめとした貴重な文化財を見ることができます。

11月6日(火)放送分 + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + +
今日は、「二人の功労者」をご紹介します。
現在、東京国立博物館がある上野公園、ここが公園になったのは、ある外国人の熱心な働きかけがありました。現在公園になっている場所は、江戸時代は、将軍家の菩提寺・寛永寺の境内でした。
ところが・・・、慶応4年。上野の山は戦場となり、多くの建物が焼け落ち、荒れ果てていました。明治政府は、上野に近代的な施設を作る計画を進めていたんですね。たまたま見学に訪れたオランダ陸軍の軍医に、明治政府の高官が自慢げにこんな説明をしたそうです。
「この高台を切り開き、外国に負けぬ病院と学校を作る予定でござる」
返事は意外なものでした。
「それはお止めなさい。ヨーロッパでは、大都市には必ず大きな公園があり、市民の憩いの場になっています。ぜひ、公園を作るべきです」。これが、オランダ人、ボードウィン。上野の緑の多い素晴らしい景観に感心したボードウィンは、明治政府の高官や各国大使を訪ね、熱意をこめて大公園づくりを説いたんですね、努力は実を結びました。上野の高台は広い公園になり、後にそこに国立博物館も作られることになったんです。
もう一人の重要な人物が、町田久成です。元薩摩藩士。実力者大久保利通の側近でもあった町田は、欧米視察の機会を得て、近代国家の博物館の大切さを身をもって知った。帰国後、博物館を整備、充実することに力を注ぎ、後には初代帝国博物館長となりました。 責任者になった町田は、手狭であることを理由に、日比谷から現在の上野に移す計画を立て、実現。そればかりでなく、わが国に文化財の調査と保護の大切さを広め、定着させた人物だったんです。
オランダ人ボードウィン、そして、元薩摩藩士町田久成。もし、この二人がいなかったら、上野のその後と、日本の博物館の発展は、全く違う展開になっていたことでしょう。

11月7日(水)放送分 + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + +
今日は、「展示の工夫」をご紹介します。
東京国立博物館? 行ったことあるよ・・・とおっしゃる方が多い思いますが、実は、3年ほど前に、大きな動きが変化があったんですね。本館2階の展示のやりかたを変えたんです。なぜ、どのように変えたのか、東京国立博物館。文化財部長の島谷弘幸さんにお話を伺いました。
仏像、書画、工芸など分野別の展示から、時代別の展示に変える、大変な決断だったことでしょう。しかし、「見やすい」「分かり易い」という感想が多く、日本の歴史を知らない外国人の来館者にも好評を得ているんですね。時代別にしたことで、展示期間が短くなる効果もあったようで、絵や手紙などは、4週間から6週間ごとに展示替えが行われているそうなんです。国宝88点をはじめ、11万件もの所蔵品がある東京国立博物館だからこそ可能なことなんでしょうね。これなら、「いつ行っても同じ展示!」なんて思いませんよね。
そして、もうひとつ。同じ本館の2階に、国宝室と呼ばれる場所を作ったことです。展示されているのは、一点だけ。博物館おすすめの国宝を、心行くまで鑑賞していただこう、という狙いから作られました。
行くたびに新しい美術品に出会える、そんな楽しさが演出されているのも、この博物館の魅力なんですね。

11月8日(木)放送分 + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + +
今日は、「魅力たっぷり」をご紹介します。
いま、博物館では「秋の庭園開放」が行われています。博物館になんで庭園があるの? こう思われる方も多いことでしょう。実は、開設当初は、博物館と一緒に植物園や美術館を作る計画でした。もとは寛永寺の本坊があった場所で、次第に各地の植物が植えられて立派な庭園になったんです。
都会の中とは思えない静けさでございます。本館の北側に広がる庭園、春と秋に開放されておりまして、12月2日まで公開されています。美術品の鑑賞に疲れたら、ぜひ、庭園もご覧ください。博物館のロビーなど、いろいろな場所に「博物館ニュース」という印刷物が置かれています。これは実に中身が濃い!その月のお薦めの展示や、イベント案内などがふんだんに盛り込まれた親切なガイドブックです。さきほどの庭園開放も、それから150名ほどが登録されているボランティアガイドの案内も載っています。10種類以上のコースがあるガイドツアーのほとんどが当日受付ですから、本当に便利です。
ぜひ、ご覧いただきたい建物がございます。それは・・・。正面入り口左手にある門。旧鳥取藩池田家の江戸上屋敷のもので、格式の高い大名だけに許された造りなんです。お馴染みの東大の赤門と並ぶ貴重な建築で、黒門と呼ばれております。
さて、東京国立博物館、館内の表示は見やすい大きな文字で、バリアフリーにも十分に心配りがされております。いうなれば「公園の中のテーマパーク」、といった印象を受け ました。博物館は進化し続けております。「もう何年も行っていないな〜」とおっしゃるあなた、次のお休みにでも、せひお出かけください。

11月9日(金)放送分 + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + +
最終日の今日は、「特別展・そしてミュージアムショップ」をご紹介します。
日本最大の博物館、東京国立博物館。限られた時間で見学する場合の「おすすめ見学コース」、そしておすすめのスポットは?文化財部長の島谷弘幸さんに伺いました。
東京国立博物館ならではの催しが、定期的(あるいは年に何回ほど)開催される特別展です。現在、「大徳川展」が開かれています。これまでになかった規模で徳川家の宝物が公開され、連日、多くの入場者を集めています。12月2日まで。来年3月から6月にかけて「国宝 薬師寺展」が開催されることが発表されました。博物館の特別展担当のスタッフは、なんと4、5年先の準備を進めているそうでございます。およそ3万坪の敷地には、5つの展示館があります。堂々とした概観の本館、明治建築の代表作でもあります表慶館は重要文化財に指定されております。特にお薦めしたいのが、正面左手奥にある法隆寺宝物館です。明治のはじめに法隆寺から皇室に献納された文化財を、ゆったりとしたスペースと穏やかな照明の中で見ることが出来ます。
さて、博物館に来たからには、何か記念になるものを・・・という方も多いことでしょう。東京国立博物館のミュージアムショップ、今年7月にリニューアルオープンしたばかりでございます。商品の種類、およそ3000! 充実しております。売れ行き第一位は、やはり、絵葉書だそうですね。日本最大の規模を持つ東京国立博物館、ゆっくり見て回れば1週間はかかるそうですが、そんな方にお薦めしたいのが・・・。年間パスポート。1年間有効で、一般4000円、学生2500円でございます。
明治5年に、名古屋城の金のシャチが人気になった湯島聖堂博覧会から始まった東京国立博物館。創立から135年、日本最大規模の博物館にとどまることなく、次のステップを目指して歩みを続けております。最寄り駅はJR上野駅。公園を抜けて徒歩10分ほどでございます。毎週月曜日は休館日となっております。

PAGETOP

サウンドオブマイスタートップページ くにまるワイド ごぜんさま〜 INAX JOQR 文化放送 1134kHz 音とイメージの世界 SOUND OF MASTER サウンド オブ マイスター