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「未来の中国年表」を詳しく解説!近藤大介さん

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今回は日本との関わりが強い、中国の未来をお勉強です!
講師は「未来の中国年表」の著者、近藤大介さん。天安門事件の取材に関わったのがきっかけで中国問題にはまり、
現在は中国を中心とした東アジアの取材を精力的に行っていらっしゃいます。
はじめに、最近の北京の経済事情を話して下さいました。
家賃は東京の中心部の1.5倍、コンビニのおにぎりは日本の9割くらいの値段、
有名ファストフード店の値段は日本より高いにも関わらず、給与はコンビニのアルバイトだと時給400円くらい。
給与は上がっているのですが、物価の上がり方に追いついていない状況だそうです。厳しいですね。
それでは、中国の今から未来への年表へまいりましょう!
【2018年 中国でも人口減少が始まる】
中国の出生数は、2人っ子政策に転換したにもかかわらず減少しています。
減っている理由は、親自身が一人っ子政策によって一人っ子だから子どもは一人がいいとの考え方や、
都市部では離婚率が4割超えること、子どもを育てる環境が整っていない状況などからだそうです。
ちなみに中国の保育園の入園費は100~200万円もかかるとのこと!
さらに基本的に共働きなので、じゃあ誰が育てるの!?という気持ちになるようです。
その他、スマホがあれば生きていけるというスマホ中毒の若者が増えているのも関係しているとか。
スマホで食べ物など何でも注文できるので外に出なくても過ごせるんですよね。
中でも部屋にこもって1人で過ごしている人を「空巣青年」と呼ぶそうです。確かに出会いが減りそうです。
【2020年 適齢期の男性3000万人が結婚難民と化す】
一人っ子政策の弊害で男性の方が多い中国。計算上、日本の人口の4分の1に当たる3000万人の男性が
適齢期に入るそうなのですが、男性の方が余って結婚は難しくなります。
そこで最近は中国人とアフリカ人の結婚が増えてきているんですって!
実はアフリカは中国の最大の貿易相手国で、アフリカには現在100万人ほどの中国人が住んでいます。
国際結婚のラッシュが来るかもしれないと予想される一方で、未婚率が高くなるかもとも予想され、
中国では「おひとり様」向けのサービスが年々充実していっているそうですよ。
【2023年 中間層が4億人に!国内外で爆買い消費】
中間層は親日家の方が多いので日本にとってはビジネスチャンス!つまり爆買いブームの再来!?
さらに人口減少とはいっても世界規模でみると多いので、「中国の常識が世界の常識になる」かも!?
例えば、中国人は・・・
▼生魚は苦手なので中国人向けの肉寿司が増え、それがスタンダードになっていくかも?
▼朝ご飯におかゆを食べるから「お粥ビジネス」が流行るかも?
▼日本酒が人気で高く買ってくれるから、今後日本酒の値段が高くなるかも?
などです。
ちなみにキャッシュレス化が急速に進んでいる中国では「この人は信用できる人かどうか」をAIが判断!
スマホ決済をすることで、何を買ったか、いくらぐらいの物を買ったかがデータとして残ります。
その情報によって、どんな生活を送っている人か分かり、お金における信用度が分かってしまうのだそうです。
プライバシーが気になりますが、中国は昔からプライバシーの概念が無いので問題にはならないようです。
【2035年 総人口が減少し、インドの脅威にさらされる】
インドは急成長していて、第二の中国のようになってきています。いずれ人口世界一になる見込みですが、
中国との違いは若い人が多いこと!インドは中国の失敗を見て、一人っ子政策をしなかったためです。
さらに、インドはITにも強いので、いずれ経済大国になるかもしれないのだそうです。
では、日本は今後どうしたらよいのでしょう?答えは「中国を上手く活用していくことを考える」。
中国はスピード感、お金、ビッグデータ、日本は先端技術、慎重で賢い、先進国としての経験といった
それぞれの強みを生かして協力していくことが必要となると近藤さんは話して下さいました。
今回、番組では2035年までの年表を解説していただきましたが、
その先やさらに詳しいことは近藤大介さんの著書「未来の中国年表」をお読みください。
さて、番組冒頭で村上さんから「キャッシュレス」デビューの報告をいただきました。
キャッシュレス化のスピードに村上さんが追いつきそうでよかったとスタッフ一同安心しました。
by長麻未

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2018年10月08日(月)
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