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「アートと経済」アートフェア東京 エグゼクティブ・プロデューサー 來住尚彦さん

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今回はアートと経済のお話をお勉強!ゲストは、東京国際フォーラムで、3月7日から開催される
「アートフェア東京2019」のエグゼクティブ・プロデューサー來住尚彦さんです。
(※なぜか來住さんが作品を手にしていますが、これは何なのか・・・のちほど触れます。)
元々はTBSの社員で番組制作に携わっていましたが、のちに「赤坂BLITZ」を作り、コンサートの制作や演出を担当。
さらにその後「赤坂サカス」を作り、トータルプロデューサーを務め、2015年にTBSを退社しています。
TBS時代にエンタメの世界を極めたので、次はアートをやってみようと思われたそうです。


さて、まずは「アートフェア東京」のお話を伺いながら、アートと経済のお話を掘り下げます。
【アートフェア東京とは?】
アートを見るのではなく買うためのもので、古美術、近代から現代の作品が全世界から集まる。
毎年約6万人の方がアートを買い求めにやってくる。
【4日間でどれくらい売れるの?】
作品は10万円くらいから十数億円のものまで様々。去年は29億円の売り上げがあった。
売り上げは、現代美術の場合、作品を出したギャラリーの方と作家の方と半々で分けるのが相場。
【どういう人が来て、どういう人が買うの?】
プライベートジェットで海外から来る人もいるが、基本的にはアートが好きだという人が来るが、
アートは金融資産。買った後に価値が上がり買った時よりも高く売れる場合がある。
「投機」という側面もあるので、儲けるために買う方もいる。
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この韓国の作家さんの作品。3年前に7万円で購入したが、現在は14万円ほどに価値が上がっている。


・・・と、アートと経済のことが少し分かってきたところで、
次はリスナーのみなさんからの質問に答えていただきました。
【Q.コスパだけで考えると美術はどのジャンルが儲かる?】
今、日本の写真アーティストがとても注目されているので、この2~3年は「写真」かな?
時代によって人気のジャンルが変わるので何とも言えない。
アーティストになりたいのか、ギャラリストとになりたいのか、コレクターになりたいのかによって、
儲かるジャンルは変わる。
【Q.作品の価格はどうやって決まるの?】
一例だが、作品を作るのにかかった時間や費用などを明確にし、
売りたい人、買いたい人の双方の希望額を聞く。そこからすり合わせる。
ちなみにこのすり合わせをするのがギャラリストの仕事。
【Q.鑑賞用と投機用でそれぞれ1枚買うとしたらどんな絵を買う?】
鑑賞用は半年くらいで好きなものが変わるからこそ、「今、自分が好きな作品」を買う。
好きなものを見ると元気になれるし、家に帰った時の楽しみにもなる。
投機用は、ここ最近だと、アメリカの作家、ジャン=ミシェル・バスキアの絵のようなもの。


以上です!と、締めくくりたいところですが、來住さんの写真にある作品が写りこんでいて、
ちょっと触れざるを得ないので・・・。えーっと、わたくし番組のために一肌脱ぎました。
來住さんに私が大学の卒業制作で描いた油彩画の値段をつけていただくという恐れ多い企画!
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村上さんに「会田誠さんの絵かと思った」と言われたのがこの絵です・・・。それはそれで恐れ多いですが。
この絵は楽器のベースを支える裸の女性の絵です。大きさは20号のFサイズ(70センチ×60センチくらい)。
これ以上の説明は省略させていただきます。放送を聞いた方の記憶の片隅にどうぞ・・・。
放送ではどんな絵なのかプロセスなどを説明した結果、
『えっと、2万円だったら買ってもいいですよ!』と來住さんに言っていただきました。
気を遣っていただいて申し訳ありません・・・。
ちなみに、このように作家本人から制作のプロセスなどを聞くのも楽しみの1つなんだそうです。
久しぶりに絵を描きたくなりました。来年の「アートフェア東京」を目指します・・・か?
by長麻未

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2019年03月11日(月)
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