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「竹中平蔵さんに今お聞きしたいこと」経済学者 竹中平蔵さん

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今回のゲストは経済学者の竹中平蔵さん。2001年から小泉内閣で、経済財政政策担当大臣、金融担当大臣、
総務大臣などを歴任され、現在は慶應義塾大学名誉教授と東洋大学教授を務めていらっしゃいます。
竹中さんは4月に発売した自身の著書「偉人たちの経済政策」で、日本の各時代のリーダーたちの経済政策をまとめました。
「歴史は二度と同じことは繰り返さない」と押さえた上で、過去に似たような状況はあり、学ぶことはあると続けます。
歴史を振り返ると、リーダーが誕生する時というのは、「大きな経済の変化」がある時と「海外からの圧力」がある時。
まさに今こそ、リーダーが出てくるタイミングだというのです。それは誰なのでしょう?
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さて、竹中さんには今回、リスナーの皆さんからの質問メールに答えていただきました。
質問と回答をかな~り簡単にまとめます。
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【Q.本当に10月には消費税が10%になるのか?景気が悪いときに増税するのは意味がないのでは?】
⇒消費税増税には反対。消費税率を上げる前にやるべきことがある。
まずは社会保障費を抑えるための政策を進める必要がある。それでも足りないなら増税すればよい。
【Q.アメリカと中国が関税を巡り激しい貿易戦争を繰り広げているが、これから世界経済は下降する?】
⇒深刻かつ長引く対立なので世界経済へ影響は避けられない。
また、よく「米中貿易戦争」と言うが、これは貿易戦争ではない。
基本的には、アメリカ型自由資本主義と中国型国家資本主義の根本的な国のあり方を巡る対立。
これからの経済競争はビッグデータの競争だ。貿易以上の戦いである。
他の国は、アメリカ側につくのか、中国側につくのかを迫られている。
特に日本はどちらも近い存在のため・・・・・G20での成果に注目が集まる。
【Q.中国のキャッシュレス社会をみていると、再びビットコインなどの仮想通貨が席巻すると思うのだがどう?】
⇒まず「仮想通貨」ではなく今は「暗号通貨」と言う。「暗号通貨」と「キャッシュレス」を直接結び付けない方が良いと思う。
「キャッシュレス」は現金を使わずネット上で取引をすること、「暗号通貨」は中央銀行が発行しない通貨のこと。
もちろん決済に使うことはあるが、使っても使わなくても「キャッシュレス」は必要だ。
なぜならば、ビッグデータを集めるのに有効だから。
【Q.日銀が行った強力な金融政策、黒田バズーカに関して、今どう思うか?】
⇒黒田さんは良くやったと思う。金融緩和の弊害もあるのは事実だが、そもそもこの政策は短期決戦だった。
ところが日銀はやったのに政府はやらなかった。
経済を活性化させるためには、大変だけど、規制緩和を続け投資機会を作っていくことしかない。
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また、今、竹中さんが提案していることについてもお話下さいました。それは「スーパーシティ」。
ビッグデータと人工知能を使うことで、交通信号機を操作し渋滞を無くしたり、確実に在宅している時に宅配便が届いたり。
こういう街のことを「スーパーシティ」と言うそうです。もちろん、キャッシュレスの街です。
まるで昔の漫画で描かれたような未来都市ですね。

by長麻未

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2019年05月25日(土)
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