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「漫画『キングダム』に学ぶ経営論」入山章栄さん

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大人気漫画「キングダム」。今年は実写映画もされました。
実は今「キングダム」がビジネスパーソンにも大人気!
ビジネス書のように愛読されているそうなんです。なぜこのような現象が起きているのか、
早稲田大学ビジネススクール教授、入山章栄さんをお招きして、ひも解いていきました。
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【漫画「キングダム」とは?】
紀元前の古代中国、春秋戦国時代の話。身寄りのない戦争孤児の少年「信(しん)」が、
のちの始皇帝となる「嬴政 (えいせい)」と運命の出会いを果たし、
「天下の大将軍」という夢を胸に幾多の戦場に繰り出す物語。
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【ビジネスマンに愛されている理由】
①『今の時代、日本が戦国時代になってきている!?』
競争が激しくなり、会社の寿命が短くなってきている。昔は就職した会社の中でどう上を目指すかだったが、
今は終身雇用ではない、どの会社が倒産するかもわからない。
起業ブームの今、自分で会社を起こし、大きくしていく様が、主人公・信が成長していく様と重なる。
最初は5人隊から始まり、100人、1000人、5000人のトップまで来た。
ベンチャー企業でいえば、IPO(新規株式公開)までひと踏ん張りというところまで来ている。

②『キャラクターが魅力的』
競争が激しい時代は個性を出さないと生き残れないのでキャラクターが強くなる。
春秋戦国時代は、「戦国七雄」と呼ばれる「秦、燕、斉、楚、趙、魏、韓」、
それぞれに個性的なキャラクターがいる。
今の日本は、最前線に立ち、リーダーシップを取れるトップが活躍している。
まさにその姿を見せているキャラクターが「キングダム」にはいる。

③『経営学と経営論とマッチする部分が多い』
変化の激しい、先の読めない時代には、管理するだけのリーダーではダメ。
ビジョンを啓蒙するリーダーが必要。例えば、ソフトバンクの孫正義さんやユニクロの柳井正さんのような人。
「キングダム」では、中華を統一したいという分かりやすいビジョンを「嬴政 (えいせい)」が見せ、
そのビジョンに向け努力する姿を部下で主人公の信が見ることで、自身も同じ夢を叶えようと頑張る。よい経営と同じ。
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このほか、東京・新橋で聞いた好きなキャラクターランキングや、
村上さんと入江さんの好きなキャラクターも理由とともにお話いただきました。
とても盛り上がっていましたね。ちょっと昔は日本の戦国時代の武将に憧れていたのが、
今は中国の春秋戦国時代。これも時代の流れなんですね。
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おしまいに、入山さんがおススメする「ビジネスに役立つ漫画」をご紹介!
★「『島耕作』シリーズ」
⇒どんどん出世してトップに。しかし、経営を悪化させたことがあるのに相談役にまでなっている。
典型的な昔からある日本の企業の話。
今の時代に合わない話だが、こういう時代があったんだという感じで読んでみると面白い。
★『めしばな刑事タチバナ』
⇒日本各地の食に詳しい刑事が、容疑者を落とす時に「飯の話」をする。
食のビジネスの裏側を勉強するのにもよい。
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読書の秋、どの本を読もうかなと悩んでいるあなた!参考にしてみませんか?
by長麻未

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2019年09月21日(土)
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