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「『SDGs』とは何か?」朝日新聞社 大海英司さん

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今回は今知っておきたい大人の教養「SDGs」をお勉強!以前と比べると巷で耳にする機会が増えてきましたが、
最新の朝日新聞社の調査(2019年8月)によりますと、「SDGs」という言葉を聞いたことがある人は27%で、
初めに調査した2017年7月と比べると、若い世代の認知が広がっていることが分かったということです。
今後さらに認知度を高めていこう、伝えていこうとしている朝日新聞社の大海英司さんに詳しく教えていただきました。
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【そもそも「SDGs」って?】
・2015年9月に国連が定めた2030年までに私たちが達成を目指す目標を示したもの。
・「SDGs」はSustainable Development Goalsのことで、日本語では「持続可能な開発目標」と訳される。
・大きく17の目標がある。大まかに、
①人に関わること、②世界の繁栄に関わること、③持続可能な地球に関わること、
④世界の平和に関わること、⑤協力して取り組む姿勢に関わること、の5つに分けられる。
【なぜ、2015年に定められたのか?】
・1990年代から、世界で頻発する戦争、途上国の貧困や飢餓、格差の拡大、女性への差別、
民族間の対立、地球温暖化などが大きな問題として認識されるようになった。
・このままでは、人間が幸福に暮らしていけない、地球が持たなくなってしまう、
子どもたちに希望を与えられない、という危機意識が芽生えた。
・そこで、国連は世界中の国々や人々が協力して、みんなで暮らしていける環境を作ろうと呼びかけ、制定に至った。
【「SDGs」は浸透しているのか?】
・採択されてから4年が経ち、経済活動に大きな影響を与えるようになってきている。
・「SDGs」を達成することが企業の責任として認識され始めた。
・例えば、代表的なものが「地球温暖化」に対する取り組み。
二酸化炭素排出量を減らしたり、自然エネルギーで電力をまかなったりして、
目標を達成しようとしている企業が増えている。
・また、現代は、そういった動きがないと、投資家や消費者から信頼を無くし
資金調達や株価の維持ができなくなる恐れがある。
・顕著なのが「ESG投資」。こうした問題に取り組む企業に投資しようという流れが世界的に強まり、
取り組んでいない企業にはお金を投じないという厳しい姿勢の投資家も出てきた。
・目標達成を掲げることは、企業が存続していくためにも必要なこと。
【「SDGs」に取り組んでいるのは、民間企業だけではない!】
・自治体も取り組みを急速に進めている。
・例えば、北九州市では、カンボジアの下水道整備に協力するため、職員を派遣している。
・一人ひとりが目標達成のために取り組む必要がある。
【私たち個人でできることは?】
・身近なところでいうと、「ゴミ問題」。
これは「SDGs」の目標12「つくる責任 つかう責任」の「つかう責任」が消費者に当てはまる。
・例えば、日本では毎年、新品の服が売れ残り、10億点以上の服が焼却して廃棄されている。
それらの服を作っているのは途上国などで安い賃金で働いている人たち。
服がどのように作られているかその背景を知り、選ぶことも求められる。
・似たような問題でいえば、大量の「食品ロス(フードロス)」。
スーパーやコンビニなどでお弁当やおにぎりなどが大量に廃棄されていることが問題になっているが、
実は家庭から出る食品ロスの割合も多い。食材を買いすぎない、食べ残さないなどできることがある。
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これから大切なことは、「自分のこととして考えて、みんなで協力して、
同じ方向を向いて目標を達成していくことだ」とお話して下さった大海さん。
今日の放送で、村上さんが「僕、今日、生まれ変わりましたよ」とおっしゃていましたが、
確かに、個人でもできることはたくさんありそうです。
少しずつでもいいので行動してみんなで目標を達成しましょう!
by長麻未

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2019年10月19日(土)
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