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「就職氷河期世代の支援政策とは?」社会学者 西田亮介さん

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今回は政府が乗り出した「就職氷河期世代」の支援政策についてお勉強しました!
村上さんも私も、世代的には「就職氷河期世代」。興味津々です。
講師は、就職氷河期世代にギリギリ入らない、東京工業大学准教授で社会学者の西田亮介さんです。
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【「就職氷河期世代」とは?】
色々定義はあるが、1993年~2004年に高校、大学を卒業した世代。
日本の全人口のうち約1689万人がこの世代。働き手を示す生産年齢人口の約2割を占める。
バブル崩壊後の不況の直撃を受け、やむを得ず非正規で働かざるを得なかったり、
引きこもったりするなどして、支援を必要とする人が100万人もいると言われている。
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【不況だけが原因ではない!?】 
就職氷河期世代は人口も多く、そもそも就職が難しかった。そこに不況や、
世の中が「非正規雇用もいいんじゃないか?自由でいいんじゃないか?」と考えた時期とも重なり、
非正規やフリーターの多い世代となってしまった。半分は不運、半分は人が作った問題と言えよう。
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【氷河期世代を支援しなかったことが「ひきこもり」を増やした!?】
現在は、非正規職の人にも同一賃金をという議論も出てきているが、
一昔前、非正規職はある種、一時的な職だと考えられていたため、正職員と比べて賃金が少ない、
待遇が良くないことは仕方がないと世の中も思っていた。
そして、企業で働くための知識を得る機会が、正職員と非正規職とでは差があった。
そのため、技能も上がらず、給料も上がらず・・・。
そんな中、ある種の絶望感を抱えた人達がひきこもってしまったのではないかと考えられる。
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【政府はどういう支援を考えているのか?】
メインの支援は「正規職に就くための支援」。
これから3年間集中的に施策を打っていくと言われている。
短期で資格を取得させ、今、人手不足と言われている運送業や建設業などに就いてもらおうという
考えなどが出ている。しかし、問題点が。
①そもそも正規職のポストがあるのか?今、働いていない人が正規職に就けるのか?
②短期で資格取得させるのはいいが、その職は本当にその人がやりたい仕事なのか?など。
しかし、今、働いていない人に働いてもらうことは、
本人達だけでなく、日本の税収など全体のことを考えると大切なことである。
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【就職氷河期世代への支援政策は成功すると思うか?】
成功して欲しいと思っているが、実は今、就職支援としてハローワークなどで行われている支援と
あまり変わらないので、成功するかどうか不明。
しかし、政府が「就職氷河期世代が大事なんだ!忘れてないよ!支援を行いますよ!」と表明して
実際に動くことが大事。その世代の方々が、「あ、俺たち忘れられていないんだ」と
感じることができるだけでも変わってくる。
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気持ちや世の中の雰囲気も大事な気がしますね。
でも、景気が悪くなったり、税収が減ったりすると、予算が無くなり、
支援が途中で打ち切られる可能性だってあると話されていた西田さん。
番組としては、最後にみんなで「景気が良くなりますように」と祈ることしかできませんでしたが、
1人ひとりにできることとして、ここに西田さんの言葉を残します。
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【西田さんからのすべての世代への一言!】
今は売り手市場と言われているが、東京オリンピックが1つの境目になりそう。
いつ流れが変わるか分からないので、どの世代も自分の能力を磨いていくことを怠ってはならない。
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...胸に刺さりました。ともに磨きましょう。
by長麻未

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2019年12月07日(土)
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