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「ソロエコノミー襲来中」独身研究家 荒川和久さん

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今回の講義は独身の方にとっては頷ける部分が多いかもしれません。
独身研究家の荒川和久さんをお招きして、
独身者を中心とした経済社会「ソロエコノミー」についてお勉強しました。
荒川さんは、独身生活者研究の第一人者で、これまでに「超ソロ社会」「結婚しない男たち」
「ソロエコノミーの襲来」という本を書いていらっしゃいます。
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【独身者研究のきっかけは?】
2010年の国勢調査で男性の生涯未婚率が2割を超えたことをきっかけに、
当時は誰も研究していなかった独身者に注目するようになった。
生涯未婚率の推移を見ていると、日本は、20年後には「3人に1人は結婚しない」時代となり、
人口の5割が独身という超ソロ国家になるかも。
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【「ソロ」=独身なの?】
元々、「既婚」に対して「未婚」という言葉が使われているか、
「未婚」=未だ結婚していないという表現は結婚することを前提としている。
バンドのソロ活動のように1人で活動することは「ソロ」なので、独身の方、離婚して1人になった方、
また結婚した相手と死別した方も含めて「ソロ」と表現することにした。
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【生涯未婚率と個人年収の関係】
年収が低い男性ほど生涯未婚率が高く、年収が高い女性ほど生涯未婚率が高いということが分かっている。
男性は年収が低くて結婚できない・しない、
女性は年収が高いから結婚できない・しないという傾向があると分析している。
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ソロ社会の現状が分かったところで、ここからはソロ社会を構成する興味深いデータをご紹介!
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☆『現在未婚の女性が仮に全員結婚すると300万人の男性は絶対に結婚できない!』
⇒50歳以下の日本の人口を見ると、男性の方が多い上、未婚の男性も女性と比べると300万人多い。
☆『男が余っている(男性が多い)エリアは東日本に集中している』
⇒都道府県別のランキングは、1位「茨城県」、2位「栃木県」、3位「福島県」、
  ・・・・、45位「鹿児島県」、46位「奈良県」、47位「福岡県」。
関東では、女性は東京に出てくるが、男性は工場の多い茨城や栃木へ就職するという傾向がある。
婚活している女性は茨城や栃木へ行くとよいかも。
☆『日本は時間差一夫多妻制の国である』
⇒何回も離婚再婚を繰り返している男性は、再婚相手に「初婚」の女性を選ぶ傾向がある。
結果的に「未婚の男性」が残る。
一方で、女性は離婚すると再婚しない人や再婚しても相手は「初婚でない」男性を選ぶ傾向がある。
よって、「時間差」一夫多妻制という現象が起きる。
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以上、独身研究家の荒川さんによるデータと分析でした。
番組後半は、独身者を中心とした「ソロエコノミー」について教えていただきました。
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【「ソロエコノミー」は日本語にするとソロ活経済圏。ソロ活による消費力は?】
・ソロの方の食費は1家族分と同じくらい。外食が多い上、家計簿もつけていないのでエンゲル係数が高い。
・ソロの方は趣味にお金をかけることができる。
例えば、アイドル好きの方はグッズの他に、イベントへ行くための交通費や宿泊費にお金がかかっている。
・ソロ特有の消費行動「エモ消費」。「エモい」ものにお金を使っている。
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【ソロ活が増えている!】
・一人旅が増えている。特にカメラ女子。各地へ赴き、1人で風景の写真を撮っている女性が多い。
・音楽フェス、水族館、映画館、遊園地に至るまで、1人で行く人が増えている。
水族館は女性の5割が、遊園地は男女の2割が1人で行っているというデータもある。
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今回も簡単にまとめましたが・・・、結婚してもしなくても、いずれ「ソロ」になる私たち。
今後、「ソロ」に対するサービスや商品は増えていくでしょうし、経済を大きく動かしていきそうですね。

by長麻未

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2020年01月11日(土)
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