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「Amazonの徹底された戦略」星健一さん

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今回は世界を席巻するGAFAの一角、Amazon(アマゾン)をお勉強!
アマゾンの成功の理由と創業者であるジェフ・ベゾスの徹底された戦略を学びました。
ゲストはアマゾンジャパンの元経営会議メンバーの星健一さんです。
星さんは2008年にアマゾンジャパンに入社。急成長していった直近10年のアマゾンのことをご存じで、
昨年、「amazonの絶対思考 常に、『普通という基準』を作り変える」という本を出されました。
アマゾンの「普通の基準」が、星さんがこれまで働いていた日本企業や海外現地法人での
経験で身につけた「基準」とは異なっていて、どうやらそこが成功の理由のようなんです。
詳しくは星さんの本を読んでいただくとして、
上記のような点も踏まえて、素朴な疑問にどんどん答えていただきました!
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【Q.ジェフ・ベゾスさんってどういう人?】
・星さんが入社したころは会える存在だったが、社員が何十万人になった今はあまり会えない存在となった。
・見た目のオーラとカリスマ性が全然違う。
・直接社員と会わなくても、ジェフ・ベゾスの企業理念や行動指針が社員に浸透する。
・「地球上でお客様を最も大切にする企業」と言っているほど顧客中心主義。
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【Q.アマゾンジャパンに入社するにはどうしたらいいの?】
・新卒採用は一般的な採用試験とあまり変わらない。リクルートエイジェンシー経由の応募。
・中途採用は、星さんのようにアマゾンの社員からの紹介ということもあるが、
一番多いのは採用のエージェント経由。
・社員の数が数百人から今や7千人に増えているので、結構採用していると思われる。
・面接ではアマゾンのカルチャーと合うかどうかがみられる。
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【Q.給料はよいのか?】
・基本給は一般的な企業とあまり変わらないが、全社員対象の成果報酬のようなものがあり
アマゾンの株(自社株)を給料の一部としてもらうことができる。
・何年も持っていると株価が高くなっていくという利点があるので、よい社員の引き留めにもなっている。
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【Q.経費は使い放題!?】
・企業理念の中に「倹約」という言葉がある。
・「休み時間は電気を消す」「コピーは裏紙を使う」など日本の企業のような「節約」ではない。
・お客様のメリットにならないところには、あまりお金を使わない!
・ジェフ・ベゾスでさえ、飛行機はエコノミークラスで海外出張。ホテルも安いところに泊まるなど、
経費は使い放題ではない。
・規制をかけているわけではなく、社員に考えが浸透しているので自然に倹約できている。
・しかし、お客様のためということで、研究費は他の会社より多く使っているかもしれない。
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【Q.アマゾンの会議ってどんな感じなの?】
・一般的な企業の会議で使う「パワーポイント(パワポ)」を使ったプレゼンは禁止!
・パワポはジェフ・ベゾス曰く、単なる紙芝居。思いを一方的に伝えるだけ。
・Microsoftのワードで作ったA4サイズの1ページだけ、または6ページの文書に伝えたいことをまとめ、
その文書を会議の最初に参加者に読み込んでもらい、その後に質疑応答するスタイル。
・6ページに抑えることで、無駄な部分がそぎ落とされ、大事なことが明確になる。
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【Q.Amazonの今後は?】
・どんどん新しいサービスが生まれてくる。
・Amazon Alexa(アレクサ)と呼ばれるAIをベースにした自動音声認識システムがさらに普及し、
IoTも進み、利便性が追及される。
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そのほか、「Amazonと楽天の違い」を話す中で、「日本の企業にも頑張って欲しい」とおっしゃった星さん。
村上さんもエンディングであらためて同調されていましたが、本当にその通りですね。
ちなみに私は応援の意味も込めて「楽天」をよく利用しているのですが、
今回の話を聞いて「地球上でお客様を最も大切にする企業」を貫くAmazonに惹かれ始めています。

by長麻未


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2020年02月15日(土)
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