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「緊急経済対策」飯田泰之さん/「トイレットペーパーの買い占め」井川意高さん

リモートでの放送2回目!イヤホンマイクも無事に村上さんの元に届き、
それを使いこなしている様子をスタジオから拝見して安心のスタッフ一同です。
さっそく講義に参りましょう。今回も2時限制です。
(※内容は4月18日の放送時点です!)
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【1時限目:明治大学政治経済学部准教授 飯田泰之さん】
『Q.新型コロナによる経済損失はどれくらい?』
・収束の時期が分かっていないので、はっきり言えないが、4月5月6月については、
去年より10~20%悪い状況だと思う。一部の研究機関では30%と予想している。
・これまでのバブル崩壊やリーマンショックのような金融危機ではないので、
いわゆる「景気が悪いという状況」ともちょっと違う。
・落ち込みのスピードも1929年に起きた世界大恐慌よりも急速。
『Q.事業総額108兆円の緊急経済対策とは?』
・「108」兆円というところがポイント。(発表した当時の)108兆円は1兆ドル。
海外メディアで「1兆ドル」と見出しをつけて伝えやすいようにこの額にした。
・108兆円のうち、20兆円ほどは新型コロナの問題と関係なく、
昨年12月に決めた総合経済対策、要は消費税増税による落ち込みを立て直す分。
・108兆円から約20兆円を引いた分が新型コロナ対策の分で、
このうち実際に政府が国民にあげる分、使う分は26兆円ほど。
・一般的な不況とコロナショックの違うところは
全ての業種で収入が減っているというわけではないという点。
それに合った対策をしなければならないが・・・。
『Q.諸外国の対策で参考にしたい、見習いたい政策は?』
・海外でぜひ見習って欲しいのは「家賃モラトリアム」、
借主に家賃の支払いを一定期間猶予する、つまり支払いを待つというもの。
例えば半年間は家賃未納による追い出しはしない、延滞料を取らないとし、
それによって貸主が損失した分は政府が補償する。
・飲食関連のお店が手元に置いている余裕資金は店の規模に関係なく売り上げ1か月半。
遊興施設も日銭の商売なので余裕資金は2か月くらいのところが多い。
日本でも家賃が3か月ほど猶予されれば助かるお店も増えるのでは?
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【2時限目:「紙のスペシャリスト」大王製紙の元会長 井川意高さん】
『Q.トイレットペーパーの買い占めはメーカーにどんな影響が?』
・日本人は清潔好きだから買い占めてしまうのだろうが、
消毒液やマスクは買いだめしてもこのご時世だから普段より使うけど、
トイレットペーパーを使う量は平時と変わらない。
・お客さんが買い占めることによって、トイレットペーパーがお店から家庭内に移動するだけ。
すると、暫くお店で買わない時期が発生するため、お店での見た目は売れ残った形となり、
「売れ残るんだったらトイレットペーパーを仕入れる必要ない」と判断されてしまう。
・一定量で生産するからこそ価格も安定するので、
生産量や出荷量が変化するのは、メーカーにとっても消費者にとってもまずい状況。
『Q.今の経済状況をどう感じている?』
・正直この時期に経営にいなくてよかった、肩に荷が乗ってなくてよかったと思うほど。
・今回は、1929年の世界大恐慌のような状態に陥るとみている。
緊急事態なのだから、政府には大盤振る舞いで早く大きな金額で対策を打ってもらいたい。
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「事業総額108兆円の緊急経済対策」の108兆という大きな数字に目が行きがちですが、
先週の上念さんのお話同様、内訳をしっかり見ていく(知る)必要がありますね。
また、4月15日に、国民民主党の玉木代表が「家賃モラトリアム法案」を
与党や他の野党に提案する考えを明らかにしましたが・・・今後どうなるのでしょう?
さて、家賃、家といえば、
今住んでいる家の日当たりを初めて知るなど、しっかりステイホームを守っている村上さん。
1週間後はどんな発見があるのでしょうか?報告楽しみです。
by長麻未

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2020年04月18日(土)
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