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3月19日(火) The News Masters TOKYO 第508回

【7時台】
火曜日7時台のニュースマスターは、作家・ジャーナリストの佐々木俊尚さんです。

●7時は、「レオパレス、調査委報告を発表 施工不良問題、背景に社長指示」にフォーカス。賃貸アパート大手レオパレス21は、外部調査委員会による施工不良問題の中間報告を発表しました。壁に設計図と異なって建築基準法の基準を満たさない可能性がある部材を使った背景には、創業者深山祐助氏の社長時代の指示があったと指摘。問題は「組織的・構造的に存在していた」とし、工期短縮や施工の効率化を優先する会社の体質にも触れました。

地方銀行は、預金はあっても投資先がないという問題を抱えており、それにより、サブリースにお金が流れていましたが、スルガ銀行によるかぼちゃの馬車事件で、地銀や信用金庫の融資が厳しくなりました。「これまでは完全にいわゆるバブル状態だった。バブル景気の最後は総量規制をしてお金の流れが止まって崩壊しており、今はその直前の状況に似ている」とも佐々木さんはコメント。サブリースなど、実態として借りる人がいないのにお金が回っている状況を、バブル景気と重ね合わせました。

●7時30分は、「フェイスブックで犯行『生中継』」にフォーカス。ニュージーランドのクライストチャーチで今月15日に起きた銃乱射事件で、実行犯は、銃撃の様子をフェイスブックを通じて「生中継」していました。動画はその後Twitterなどで拡散し、フェイスブックが実行犯のアカウントと動画を削除するまでには半日程度の時間がかかりました。SNS各社は、悪質コンテンツの排除に力を入れていますが、今回の事件でその限界があらわになりました。

今回のような乱射事件の動画が流れると、反応は様々ですが、情報の受け手の心をかき乱します。メディアは抑制的に報道すべきだけど、そうはならないのが現状。こうした報道を目にすると、年々犯罪が増えているように錯覚しますが、実はそうではなく、殺人事件や刑法犯の件数は、昭和20年代をピークに下がっています。いかに抑制的な世論を作ることが大事かを唱える佐々木さんでした。

【8時台】
8時台のニュースマスターは、経営学者の楠木建さんです。

●8時は、「中国のユニコーンの実態」にフォーカス。中国のスタートアップ企業の有望株で、ネット出前サービスが主力のメイトゥアンが成長の壁にぶつかっています。去年9月に上場を果たしましたが、株価は低迷を続け、昨年末期には2兆円近い最終赤字に陥りました。上場前の評価が高い中国のユニコーンが上場後に期待を下回るケースは少なくなく、背景には上場自体が目的化しているという指摘もあります。

未上場の時点で企業価値が高い企業を「ユニコーン」と呼び、メイトゥアンも上位5社に入ると言われていました。メイトゥアンは上場前のタイミングでシェア自転車事業のモバイクを買収。300億ドルの企業価値があると見込まれていましたが、シェア自動車事業がうまくいかず、2兆円の借金を背負うことになりました。このように、上場するとさっぱり儲からないというケースは他にもあるようで、これについて楠木さんは、「中国の企業は資本市場でお金を集めることに目がいきすぎて、集まった後にどうやって儲ける仕組みを作るのかがきちんと考えられていない」と指摘しました。

●8時30分は、「アマゾン 出版業界に新たな施策」にフォーカス。ネット通販大手のアマゾンジャパンが、出版社から本や雑誌を直接購入し売れ残っても返品しない「買い切り」方式を年内にも試験導入すると発表しました。取次会社を通して仕入れ、返品できるというこれまでの流通の仕組みを大きく変えるもので、出版業界に大きな波紋を広げています。

楠木さんは、「アマゾンがすごいことをしたのではなく、特殊だった本の流通を普通の商品と同じにしただけ。必然だった」とコメント。出版社と書店(ネット販売も含む)の間には取次会社がいます。これまで書店は、売れ残れば返品することができ、書店は一切ノーリスクでした。ノーリスクといことは、考える必要がなく人任せになり、商売ではなくなってしまいます。「この特殊な仕組みを取りやめて、独自性を持つべき」と指摘しました。

【トレンドマスターズTOKYO】
今日は、本の要約サービスを提供する株式会社フライヤーのプロモーションマネージャー、井手琢人さんにご紹介いただきました。

会社員の方も、経営者側の方もみんなが気になるテーマ。『残業学』というタイトルの本です。2万人以上の大規模な調査を行って、あらゆる角度から徹底的に残業の実態を解明しています。残業についての「目からうろこ」な発見や、具体的な解決策を学べます。

【マスターズインタビュー】
今週のお相手は、2018年度のグッドデザイン大賞に選ばれたNPO法人「おてらおやつクラブ」の代表、松島靖朗さんです。「おてらおやつクラブ」は、お寺へのお供えものを、支援団体を通じ、貧困状態にある子どもたちに届ける…という活動をしています。2014年に、松島さんが住職を務める奈良県の安養寺から始まったこの活動は、今、全国1100以上のお寺に広がっています。2日目の今日は松島さんご自身のお話です。

本日の楽曲
1曲目 Smoke on the water / Deep Purple
2曲目 Swear / カシオペア

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