平昌冬季五輪のカーリング女子で銅メダルを獲得した「LS北見」(北海道北見市)の選手たちが使って話題になった相づち「そだねー(そうだね)」を、北海道帯広市の菓子メーカー六花亭製菓が特許庁に商標登録出願していたことが22日、分かった。
六花亭製菓の佐藤哲也社長(62)によると、1日に出願し、登録されれば今後開発する商品の名前に使用する予定。
佐藤社長は「北海道らしい温かい言葉が、悪徳業者に出願されて使えなくならないようにした。商標を独占する意図はなく、問い合わせがあれば個別に対応し、誰でも無料で使えるようにしたい」と話している。
2018/3/23
「そだねー」を商標出願 北海道の「六花亭製菓」
東北大学特任准教授・弁理士
稲穂健市
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流行語を商標として出願する事例が今回も現れました。それほど大騒ぎするようなことではないと思うのですが、「そだねー」を出願した北海道帯広市の菓子メーカー・六花亭製菓に批判が殺到しているようです。
まず、流行語だから商標登録できないということはありません。基本的な考え方として、「商標」は、発明や著作物のような「創作物」ではなく、「選択物」と考えられているためです。
商標登録のための要件は色々とありますが、そのひとつとして、他人の商品やサービスと区別できることが必要です。他人の業務と出所混同のおそれがある商標ではないことも必要とされています。また、不正の目的で出願された商標は、公序良俗違反などを理由として登録されない方向性となっています。
しかし、三陸地方の方言で流行語にもなった「じぇじぇじぇ」を岩手県久慈市の老舗菓子店が商標登録している例もありますから、特許庁での審査次第ですが、今回の出願もそのまま登録されるかもしれません。もちろん、他人が先に同一または類似の商品やサービスを指定して、「そだねー」と同一または類似の商標を出願している場合など、上記以外の何らかの登録要件を満たさない場合も、登録はなされません。
なお、出願しただけの段階であるにもかかわらず、六花亭製菓がすでにネットで炎上している状況を考えますと、流行語を商標として出願すること自体、ブランド戦略的にはマイナスに働く可能性もあります。とりあえず、同社が独占しない意思を示したことは良い対応だったのではないでしょうか。
なお、ハフポスト日本版の取材に対して、より詳しい回答をしておりますので、ご興味のある方は以下の記事をご覧いただければと思います。
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