ソフトバンクは29日、新卒採用のエントリーシートの審査に、IBMの人工知能(AI)「ワトソン」を導入すると発表した。ワトソンのシステムに書類を読ませ審査させる。時間はこれまでの4分の1程度に短縮できる見込みだ。
ソフトバンクの書類審査は記述式で、「自身の強みを発揮したエピソード」を尋ねる設問の答えをAIに審査させる。ワトソンには過去に応募した約1500人分の書類データを与え、高い評価を得たものを学習させることで、適切な判断が可能になるという。
AI審査を通過しなかった書類については人があらためて目を通し、ミスがないか確認する。書類審査の後は面接もある。
2017/5/30
新卒採用審査にAI導入へ ソフトバンク、時間短縮に
拓殖大学非常勤講師
塚越健司
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人工知能による採用のよいところは二点。
第一に、ペーパー試験の時間を短縮して対面面接に時間を集中できること。これは記事が報じているところである。
第二点目は、人間による評価の偏りを是正する点にある。人工知能が統一基準を用いることで、評価する人間との相性など、運による不平等の是正が期待できる。
無論現状では対面面接は人間が行うことから、人間による偏りをすべて是正することは難しい。かといって将来すべてを人工知能に任せるようになれば、人工知能の基準に差別的な評価軸がセッティングされるなど、より大きな「偏り」が生じる可能性もある。この点にも注意が必要だろう。
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