2017/6/05

日本、17年は1・5%成長 世銀が予想を上方修正

【ワシントン共同】世界銀行は4日、最新の世界経済見通しを発表した。2017年の日本の実質成長率を1・5%と見込み、1月時点に比べ0・6ポイント上方修正した。世界経済の回復に伴う輸出増が景気を支えると予測した。世界全体の成長率予想は従来の2・7%に据え置いたが、米国の経済政策が不透明なことから「先行きのリスクは多い」と指摘した。
 日本の成長率は推計1・0%だった16年から上昇する。世銀は18、19年の見通しも上方修正したが、成長率は17年を下回り、消費税率が10月に10%に引き上げられる予定の19年は0・6%成長にとどまると予想した。

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みずほ証券チーフクレジットストラテジスト
大橋英敏
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2017年1-3月期のGDP一次速報が前期比年率2.2%と強めだったため、「発射台」が高めに設定されてしまっている印象があります。日本経済の実力はもう少し低いところにあると思います。


なお、日本経済のコンディションは、日本独自に決まるものは少なく、圧倒的にグローバル経済に依存しています。非常に単純化するならば、グローバル経済が回復基調(下落基調)であれば円安(円高)になりがちで、日本の輸出産業の底上げ(悪化)を通じて、日本全体の景気にプラス(マイナス)に働く傾向があります。グローバル経済は中国を牽引役として何とか世界的な安定性を保っている状況ですが、米国市場では利上げ局面にあるにも関わらず長期金利はむしろ低下しており、米ドル相場も横ばい(高水準ではあるが)となっており、不安要素が無いわけではありません。株価は世界的に上昇し、資源価格も安定しているため、金融市場は非常に居心地の良い状態にあると言えるでしょう。
今後は、米国の利上げ効果の累積によって、経済の歪が生じる可能性があります。市場では、自動車を含む耐久財消費動向に関心が集まっています。

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