2017/6/09

米商務長官「ドルとても強い」 上院歳出委の公聴会で懸念

【ワシントン共同】ロス米商務長官は8日、上院歳出委員会の公聴会で「ドルは他の通貨と比べとても強い」と懸念を表明した。世界各地で多発するテロとともに、外国人観光客誘致の障害になっているとの認識を示した。
 米連邦準備制度理事会(FRB)は金融政策を協議する13、14日の連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利上げを決める見通し。日本やユーロ圏との金利差が一段と広がってドル高が加速すれば、トランプ政権が為替相場の動向に不満を強める可能性がある。

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みずほ証券チーフクレジットストラテジスト
大橋英敏
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確かに米ドルの実質実効レートは高水準ですが、これに寄与しているのは、ユーロとメキシコペソです。全般論としての米ドル高を、多くの国との通商政策の方向性に転換する議論は、拙速かつ焦点を逸らす戦略のように思います。

トランプ政権においては、これまでの度々政府交換がドル高けん制を行ってきましたが、その割には、為替市場は大きく反応していません。それは、中国をアンカーとしたグローバル経済と米国経済が安定的であるためであり、経済環境の安定性が米ドルをサポートしているという構図があるからです。米ドルが高くなるから米国経済が疲弊するというのは、原因と結果が逆です。多くの人がこのことを誤解していると思います。

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