2017/8/18

トランプ氏、南軍像撤去「愚か」 奴隷制容認と批判も

 【ワシントン共同】トランプ米大統領は17日のツイッターで、南北戦争(1861~65年)で奴隷制存続を訴えた南軍関連の記念碑や銅像を撤去する動きが全米で加速していることについて「愚かだ!」と投稿、「米国の偉大な歴史や文化が引き裂かれていくのを見るのは悲しい」と述べた。奴隷制を容認したとも受け取られかねず、批判が強まりそうだ。
 トランプ氏は米バージニア州で白人至上主義者と反対派が衝突した事件を巡り、当初白人至上主義者を批判せず、現場にいた両陣営に暴力の責任があると述べ、非難が噴出している。

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国際ジャーナリスト
高橋浩祐
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トランプ大統領は、意図的に物議を醸すような言動を繰り返していると私はみている。トランプ得意の炎上商法だ。

トランプ大統領は今、ロシアによる米大統領選干渉疑惑の「ロシアゲート」の影響で、就任後半年で戦後最低となった支持率の低下を、CNN叩きや過激な言動を通じて必死に食い止めようと躍起になっている。

不動産王だったトランプ氏は、1987年に出版されベストセラーとなった「トランプ自伝-不動産王にビジネスを学ぶ」の中で、次のように述べている。

「私が学んだのは、マスコミはいつも記事に飢えており、センセーショナルな話ほど受けるということだ」
「要するに人と違ったり、大胆なことや物議を醸すようなことをすれば、マスコミが取り上げてくれることだ。私はいつも人と違ったことをしてきたし、論争の的になることを気にせず、野心的な取引をしている」
「マスコミに書かれるということはマイナス面よりプラス面のほうがずっと多い」
「個人的には不愉快に感じるような批判的な記事でさえも、ビジネスには大いに役立つこともある」

物議を醸す過激な発言を繰り返すことで、白人労働者というコアなサポーターの支持基盤をぐっと固めることができる。

また、トランプ大統領の側近、スティーブ・バノン・ホワイトハウス首席戦略官は、極右メディアの「ブライトバート・ニュース」を創刊した。今回の出来事はトランプ政権の本質を垣間見せるものだ。

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