2017/9/08

日ロ、対北朝鮮で平行線 首相、最大限の圧力要請 

安倍晋三首相は7日午後、ロシア極東ウラジオストクでプーチン大統領と会談した。北朝鮮による6回目の核実験を受け「最大限の圧力」が必要として、国連安全保障理事会の新たな制裁決議採択へ協力を要請。だが、プーチン氏は「外交、政治的な方法でのみ解決可能だ」として対話重視の姿勢を崩さず、平行線に終わった。核実験を厳しく非難し緊密に連携していくことでは一致した。
 首相は、国際包囲網を構築するには安保理常任理事国のロシアの協力が不可欠だとして、プーチン氏の協力を取り付けたい考えだったが、再考を迫られた格好だ。
 首相は8日未明、帰国した。

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国際ジャーナリスト
高橋浩祐
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北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は、小型化された核弾頭を搭載し、ニューヨークやワシントンといったアメリカ中枢部に打撃を与えるICBMの実戦配備を急いでいる。それを実現するまで弾道ミサイルの発射実験を繰り返していくのは間違いない。現に、北朝鮮の国営メディア、朝鮮中央通信(KCNA)は8月30日、日本上空を通過した中距離弾道ミサイル「火星12」の29日の発射実験を受け、「太平洋を今後の標的として、さらなる弾道ロケット発射演習を実施する」と予告している。


北朝鮮としては、ICBMでアメリカ本土やアジアの米軍拠点を攻撃できるようにしてあった方が朝鮮半島での米軍の行動を抑止できるとの判断がある。中露が経済制裁に同調しようがしまいが、関係ない。北には核ミサイル開発の凍結や放棄は選択肢としてありえない。国際社会がどんなに圧力をかけようとも、国民がどんなに飢えようとも、金正恩委員長は屈しない。1960年代に核ミサイル開発に邁進し、1970年代初めに「核保有国」としてアメリカと手打ちをした中国と同じだ。


ここ数カ月の労働新聞の社説などを踏まえると、北朝鮮は、既にアメリカとの交渉で平和条約や不可侵条約といった「体制保証の約束」を得るよりも、アメリカ東部を直撃できる核弾頭搭載のICBMを完成させる方が体制保証の役に立つと考えている。

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