2017/9/18

90歳以上、初の200万人突破 働く高齢者、最多の770万人

敬老の日(18日)を前に総務省が17日発表した人口推計によると、9月15日時点で国内の90歳以上人口が初めて200万人を突破し、前年より14万人多い206万人となった。2016年に仕事に就いていた65歳以上の高齢者は、同省の労働力調査で過去最多の770万人に達し、1年間で38万人増えた。
 90歳以上の人口は1980年の12万人から年々増加し2004年に102万人となった。その後は13年間で倍増した。
 全就業者に占める65歳以上の人の割合は11・9%となり、高齢者が社会の中で一定の役割を果たしている実態が明らかになった。

内容を読む
博士(経済学)・帝京大学経済学部教授・慶大経済学部非勤
宿輪純一
16

少子高齢化の流れは止まらない。人口ピラミッドが三角形から、逆三角形に進んでいく。現在の日本経済の問題の多くは、戦後の状況で作り上げた制度であり、制度疲労が起こっているのである。
IMFからギリシャと同様に指摘されているように、また先進国がその方向に向かっているように、増税・年金減額・医療費削減は、普通に考えたら避けることは出来ない。
さらに筆者が気になるのは、若者である。年金や税金などは社会福祉という考え方に基づいて行われていることが多いのであるが、これは要は、若い人が高齢者を支えるということである。若者はいま年金を納めても、そもそも積み立てでないこともあり、納めた分が将来戻ってこないと考えている。しかも拡大し続ける財政赤字に不安を覚えている。そういった若者の気持ちが最大の問題ではないか。今後の社会制度は「若者」を中心に考えるべきである。

  • URLを
    コピー

このコラムを書いた人

他の人のコラム

関連ニュース