2017/9/29

東芝、日米韓連合と契約締結 半導体売却、日本勢が経営権

 東芝は28日、半導体子会社「東芝メモリ」(東京)を米ファンドのベインキャピタルを中心とする「日米韓連合」に売却する契約を締結したと発表した。東芝とHOYAの日本勢で議決権の過半を保有して経営権を握る。関係各国に独禁法審査を申請し、上場維持のため来年3月末までの売却完了を目指す。協業先の米ウエスタン・デジタル(WD)との係争解消も急ぐ。
 韓国半導体大手SKハイニックスが取得できる議決権は10年間、15%以下に制限し、経営への関与を抑える。独禁法審査を通りやすくする狙いで、SKは東芝メモリの情報から遮断される。

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博士(経済学)・帝京大学経済学部教授・慶大経済学部非勤
宿輪純一
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筆者は、先日のコメントで指摘したが、M&Aにおいて問題になるのは、半導体売却契約が締結したあとは、とにかく「各国の独占禁止法のチェック」である。通常、9か月程度はかかるため、来年3月末に間に合わず、東芝は2期連続債務超過となり、上場廃止となる。
このような事態を回避するために、独占禁止法の審査を早期にできるように仕組みを組み替えているところである。
しかし、本当の問題点は、その後である。収益の柱であった半導体を売却し、それ以外の部署では大きい収益を上げることは困難である。売れるものは売るという方針で、売れない部署が残った型である。東芝の本当の経営再建は"そのあと"なのである。

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