2017/10/20

東証13日続伸、終値85円高 29年8カ月ぶり連続上昇

 19日の東京株式市場は、円安と前日の米株高を背景に企業業績の改善を期待する買いが優勢となり、日経平均株価(225種)は13営業日続伸した。13営業日続伸は、バブル景気の1988年2月以来、29年8カ月ぶり。
 終値は前日比85円47銭高の2万1448円52銭で、96年10月以来、21年ぶりの高値をつけた。
 東京証券取引所第1部全体の値動きを示す東証株価指数(TOPIX)も5・40ポイント高の1730・04で、10年3カ月ぶりの高値を更新した。
 市場規模を示す東証第1部の時価総額は637兆円を超え、過去最大記録を塗り替えた。

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みずほ証券チーフクレジットストラテジスト
大橋英敏
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戦後最長は1960年末の14連騰がありますが、本日は海外市場が下落したので新記録更新は難しそうです。また、売買代金は2.41兆円と相変わらず低調な状態にあり、必ずしも市場に過熱感があるわけでもありません。


現在の株高は、今後の企業業績拡大期待を反映したものとの意見が根強いですが、個人的には別の視点(可能性)を持っています。一つ目は物価上昇です。衆議院選挙後に自公政権は、就業者増加数の多い、医療・福祉従業者や外食産業等のサービス業の賃金上昇に向けた取組を行うことが期待されており、宅配便運賃の値上げに代表されるようなサービス価格上昇に拍車をかけるとの見方は案外根強いです。もう一つは、世界的な産業構造転換に伴う設備投資需要の拡大です。キーワードはAIやIoTで、特に重要なのはEV(電気自動車)です。


我が国はEV分野で欧州の後塵を拝する可能性があると理解していますが、足元はむしろ、欧州や中国などでEV生産が拡大することで、製造装置需要の拡大や、新規の設備投資需要が拡大する方に市場の関心が向いているとの指摘もあります。当然、EV化により既存部品メーカーの淘汰も生じますので、設備投資需要拡大は永遠ではありません。


あまり新聞には書かれていない材料ではありますが、個人的にはこの辺りの動きに注目しています。

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