2018/3/01

川重、作業指示に反し鋼材削る 新幹線台車製造で、146台交換

JR西日本の新幹線のぞみの台車に破断寸前の亀裂が見つかった問題で、台車を製造した川崎重工業が、作業時のマニュアルに反して、台車枠の鋼材を薄く削っていたことが28日、分かった。川重が記者会見で明らかにした。底面の溶接不備が発端となって亀裂が生じ、周辺の鋼材が薄く強度が不足したことから亀裂が広がったとの見解を示した。
 今回亀裂が生じた台車以外にも、鋼材の厚さが基準に満たない台車がJR西に100台、JR東海に46台ある。超音波による検査で安全性を確認しながら1年以内に順次、取り換え作業を進めるという。川重は、交換に必要な台車枠の製造費を全額負担すると表明した。

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株式会社ライトレール 代表取締役社長/交通コンサルタント
阿部等
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今回の事象に対する「日本のものづくりは死んだ」「鉄道の安全は地に堕ちた」といった意見は事の本質から外れています。


鉄道の台車が生まれて200年弱、かつては走行中の台車枠の分解による事故が頻発していたのが、設計・製造・検査・運行管理の各段階の関係者の努力により大幅に減りました。


鉄道の安全の歴史は、手痛い事故の経験を糧にした血の滲む努力の歴史です。
今回も、真摯に問題点を抽出し同じ過ちを繰返さないための努力が重ねられています。

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