2018/5/15

ガザ衝突、犠牲者55人に 負傷2700人、非難応酬

 【エルサレム共同】パレスチナ自治区ガザの保健当局は14日、在イスラエル米大使館のエルサレム移転などへの抗議デモで、イスラエル軍の銃撃などによる死者は7人の子供を含む55人、負傷者は2700人以上に達したと明らかにした。パレスチナ自治政府のアッバス議長は「虐殺だ」と糾弾。イスラエルのネタニヤフ首相は「全ての国は境界を防衛する義務がある」と銃撃を正当化し、非難の応酬となった。
 ガザを実効支配するイスラム組織ハマスなどは15日も大規模デモを呼び掛けており、衝突が続き、さらに犠牲者が増える恐れもある。。

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国際ジャーナリスト
高橋浩祐
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トランプ米政権は、イスラエル大使館をエルサレムに移転するという禁断の政策をついに実行してしまった。エルサレムはユダヤ教徒、イスラム教徒、そしてキリスト教徒にとっての聖地だ。移転が行われ、パレスチナなどアラブ諸国の強い反発を招き、中東のさらなる不安定化を呼び起こしている。


コロンビア大学ジャーナリズムスクールの同級生で、ニューヨークにいるユダヤ系アメリカ人にこの件を尋ねたら「これはイスラエルを支援することにはならない。カオスによって誰も支援を受けることはない。イスラエルはイランの攻撃を受けてきた。このタイミングはすべて偶然とは思えない」と話した。


イスラエル寄りの政策を次々と打ち出す、トランプ大統領の行動原理には、私は「クリスチャンシオニズム」(キリスト教シオニズム)の思想信条があるとみている。これはプロテスタント原理主義とユダヤ教が連携したキリスト教の教理の一つ。かつてのトランプ大統領の右腕、スティーブン・バノン元首席戦略官兼上級顧問は2014年にこんな恐ろしい言葉を発していた。「ユダヤ・キリスト教の西欧」"Judeo-Christian West" がイスラムと戦争中だ。このJudeo-Christian Westという言葉はトランプ政権が誕生して以来、米メディアで目立って使われてきている。


クリスチャンシオニズム(キリスト教シオニズム)については、以前、東洋経済オンラインで詳しく書きました。ご参考まで。


●トランプ大統領は「イスラエル中心主義者」だ 就任演説での聖書からの引用に隠された意味

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