2017/4/12

大阪万博誘致を決定 25年開催、パリと競合

政府は11日、2025年国際博覧会(万博)の大阪誘致を閣議了解し、正式に決めた。大阪府の松井一郎知事が24日にも誘致委員会の榊原定征会長(経団連会長)とパリの博覧会国際事務局(BIE)に立候補を届け出る意向だ。パリも立候補しており、開催地は18年11月に開かれるBIE総会で、加盟国の投票で決まる。支持拡大に向け誘致活動が本格化する。
 25年大阪万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」。世耕弘成経済産業相は閣議後の記者会見で、大阪など関西地域について「歴史が集積し、最先端の医療研究拠点が集まっている。空港からも近い」と魅力を強調。

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文化放送報道スポーツセンター
鈴木敏夫
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スペインのバルセロナ五輪とセビリア万博は同じ年に開催。
イタリアではトリノの9年後にミラノ万博が開催。
日本では東京五輪の6年後に大阪万博が開かれましたね。
その間隔に差はありますが、基本的に万博は五輪とセットと言って良い存在です。
五輪バブルが終わると景気が減速する懸念があります。
そこでもうひと支えしようというのが狙い。
半年という長い期間の開催となるのもメリットです。
番組で共同通信の橋詰さんもお話しされていましたが、
会場の北側をカジノワールドにしたいというのも大阪の本音でしょう。

経済効果は4兆円以上!?などという打ち上げ花火を聞いてしまうと
関西人の私には響くものがあるのですが、
心配なのは「本当に開催費用を調達できるのか」ということ。
東京オリパラや豊洲市場の問題を見るとわかりますが、
必ず予算は当初見込みよりも膨らんでいきます。
会場整備費の1200億~1300億円は
国と財界、大阪府市で3分の1ずつの負担を見込んでいるそうですが
地元財界は相当の負担を求められるでしょう。

1970年の大阪万博当時は高度経済成長の只中で
万博開催はリターンが望める公共事業でもありました。
当時のお金で何と6,502 億円もの予算が投入され、
政府一般会計歳入予算の8.2 パーセントを占める桁違いの額でした。
お金をかけた甲斐もあり、当時の国連加盟国の6割がパビリオンを出し、
のべ6422万人の入場者が訪れました。
三菱未来館で並んでいる最中に迷子になった
当時6歳の私もそのうちの一人です。


万博ではじめて外国人を見た日本人が大勢いました。
私の通っていた小学校でも、校長先生が生徒に
「これから大阪造幣局に桜を観にゆくが、
外国人を見てもサインをもらわないように」と
指導していたのどかな時代でした。
でも今は2017年です。娯楽の少なかった当時と違い
万博候補地の目と鼻の先にあるUSJに
海外から人が押し寄せているのです。


閣議了解され、
政府もバックアップしていくということになりましたが、
気になるのはパリのこと。
2025年万博にはパリも立候補する予定で、
極めて強力な対抗馬となりそうなのです。


もちろん万博が成功裏に終われば嬉しいことですが、
開催した場合の経済効果をアピールする前に、
誘致にお金を使う以上は
まずは開催地として選ばれる勝算があるのかどうかを
しっかり説明する責任があるでしょう。

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