2017/4/14

民進・細野氏が代表代行辞任へ 改憲巡り「考え方に違い」

民進党の細野豪志代表代行は13日、国会内で野田佳彦幹事長と会談し、代表代行の辞任届を提出した。安倍政権下での憲法改正に慎重な蓮舫執行部との「考え方の違い」を理由に挙げた。離党は否定した。辞任は14日の執行役員会で認められる見通しだ。
 長島昭久元防衛副大臣が離党届を提出した直後となるだけに、党内の混乱に拍車が掛かるのは必至。次期衆院選や7月の東京都議選に向け、蓮舫代表が求心力を保てるかが焦点となる。
 会談後、細野氏は記者団に対し、「執行部は改正に消極的だ。執行部にとどまるべきではない」と述べた。
 細野氏は10日、教育無償化などを柱にした改憲私案を公表した。

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一般社団法人共同通信社 編集委員室長
橋詰邦弘
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民進党の混乱が続いています。長島昭久・元防衛副大臣の離党に続き、細野豪志氏が代表代行を辞任しました。いずれの理由も党の路線に対する反発です。(細野氏の場合は静岡県知事選出馬説も絡んでいますが)。


 野党第1党の体たらくを見ていると、思い出す場面があります。民進党の前身の民主党が政権交代を果たした2009年衆院選の数カ月前、当時の麻生太郎首相が失言などで一気に失速、自民党内で「麻生さんでは選挙ができない」と「麻生降ろし」が語られ始めた時でした。福田政権で自民党幹事長を務めた伊吹文明さん(後に衆院議長)が一喝したのです。「自民党は『しんぼう』がなくなった。『しんぼう』には二つの意味がある。我慢するという『辛抱』、もう一つはコマが回る中心という『心棒』だ」。


 この言葉はいまの民進党にそのまま贈っていいのではないでしょうか。付け加えれば、まつりごと(政治)にとって「しんぼう」は、さらに二つあるでしょう。国民や所属メンバーの信頼を集める「信望」、そして国会対応や選挙の戦略、政策を意思決定していくための「深謀」。この四つの「しんぼう」がすべて欠落している民進党の再生に向けた道は険しいと言わざるを得ません。まずは辛抱と心棒から始めなければ...。

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