2017/4/18

中国1~3月6・9%成長に加速 景気対策頼み

【北京共同】中国国家統計局が17日発表した2017年1~3月期の国内総生産(GDP、速報値)は、物価変動の影響を除く実質で前年同期比6・9%増となり、16年10~12月期から0・1ポイント加速した。加速は2四半期連続。共産党大会を今年後半に控え経済安定が最優先課題となる中、公共投資を拡大したことが効いた。成長は景気対策頼みで、経済が健全な形で拡大しているとみるのは早計だ。
 2四半期以上続けて成長が加速したのは10年1~3月期以来7年ぶり。26年ぶりの低水準だった16年通年の成長率6・7%を上回り、政府が掲げる17年通年の目標「6・5%前後」も超えた。

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みずほ証券チーフクレジットストラテジスト
大橋英敏
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足元の中国経済は絶好調と言えると思います。


記事にあるとおり、昨年前半以降の公共投資の拡大に加え、金融緩和による不動産価格上昇も大きく寄与しています。

不動産価格については、過熱感が出るほど好調になったため、むしろ足元では金融引き締めを行うくらいです。
昨年後半以降のグローバル経済の安定化は、まさに、中国経済の回復によるもので、米ドルの実質実効為替レートが過去最高水準付近にあるにも関わらず、新興国経済が落ち着いているのも、中国経済の影響が大きいです。

中長期的な経済成長余地の観点からは、中国経済は必ずしも盤石ではありません。
潜在成長率の低下の一方、民間債務の対GDP比率はバブル期の日本をはるかに上回る水準に達しています。
中長期的な成長率の低下の下での債務誇張は、潜在的な不良債権化を意味します。


中長期的・持続可能な経済成長のために、中国は、近い将来に抜本的な構造改革を断行する必要があります。

そして、中国の構造改革は、中国の経済成長率を一時的に押し下げるだけではなく、むしろ、グローバル経済を押し下げる効果の方が大きいことに注意すべきです。

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