2017/4/24

「政権に緩み」73%、世論調査 共謀罪は賛否拮抗

 共同通信社が22、23両日に実施した全国電話世論調査によると、安倍政権の山本幸三地方創生担当相ら閣僚による問題発言や、政務官の不祥事が続いたことについて「緩みが出ていると思う」との回答が73・2%に上った。緩みが出ていると思わないは20・9%。「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案については賛成41・6%、反対39・4%で拮抗した。
 安倍内閣の支持率は58・7%、不支持率は31・5%だった。支持率は3月下旬の前回調査から6・3ポイント上昇した。

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一般社団法人共同通信社 編集委員室長
橋詰邦弘
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 大阪・森友学園問題が直撃した安倍晋三首相夫妻、南スーダン国連平和維持活動(PKO)派遣部隊の日報〝隠蔽〟と虚偽答弁が表面化した稲田朋美防衛相、担当の「共謀罪」法案をめぐり右往左往する金田勝年法相、原発事故の自主避難者に自己責任論を持ち出した今村雅弘復興相、「一番のがんは学芸員」と発言した山本有二地方創生相...。

安倍内閣のイメージダウンにつながる事態が続出しているにもかかわらず、内閣支持率は下がりません。
これまでのメディアの世論調査も、安倍内閣の政権運営や政策に異論、慎重論が多数派を占めていても、内閣支持率に連動しませんでした。


安倍さんのやり方は嫌だけれど、支持するという一見奇妙な意思表示です。
敵失が野党の得点にならない、むしろ追及する側の野党の支持率が低下する皮肉な現象は、どこに要因があるのでしょうか。


第一に野党が政権を担いうる存在と見なされていないこと。

旧民主党政権の失態という印象が4年余り経過しても、いまだに払しょくされていません。

安倍政権の最大の支持勢力が野党第1党の民進党というブラックジョークが飛ぶ所以です。
安倍1強政治のおごりと呼ぶべき出来事が止まらないのも、野党の低空飛行による一種の安心感があるからとも言えます。


 もう一つ見逃せないのが、朝鮮半島情勢の緊迫化です。

自民党などが「こんな時に森友学園問題をやっている場合か」と声高に主張していることもあって、国民の目線が内政から国際情勢にそらされている面も大きいでしょう。
 しかし、日本の政治にとって、国民にとって、自民、公明両党の連立政権以外の選択肢がない現在の状況は決して幸せではないと思います。

ライバルが切磋琢磨することによって、より良いまつりごとが生まれていくはず。何よりも求められているのは、野党の奮起です。

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