過去の放送分
過去の放送分 過去の放送分 2007 6月30日 放送分
「南極の話」(1)
コーチャー/中山由実さん(朝日新聞記者)
大村正樹&中山由実
大村正樹
今週はシークレットラボを飛び出して中央区にある明石小学校にやってきました。東京の真ん中にある学校だね。今日はここで出張サイエンスキッズを行います。もちろん強力なサイエンスコーチャー、略してサイコーも呼んでますよ!どんな話が飛び出すか、僕も楽しみにしています。早速、校舎に入ってみるね。明石小学校五年生のみんな、こんにちは。
こんにちは。
大村正樹
元気ですね。はじめまして、サイエンステラーの大村正樹といいます。
5年生は何人?
  19人。
大村正樹
19人かぁ〜。1クラスしかないって事なんだね。そうですか?でも、こんな東京の一等地に小学校があるってのも驚きましたけどね。今日は聞く科学番組「サイエンスキッズ」と言う番組で公開授業を行います!みんな理科とか好きな人いるかな?理科好きな人?
はぁい。
大村正樹
19人全員と思いきや、1人、手を挙げてない子がいたね。手を挙げていない子はお名前誰さんかな?
  しおり。
大村正樹
しおりちゃんは理科が嫌いだそうです。でもね、これ終わった後、必ず好きな時間になるようにしたいと思います。今日は頼もしいサイエンスのコーチャー、略してサイコーと呼ばれる方を呼んでいます。朝日新聞の記者の中山由実さんです。みんな拍手!
こんにちは。
  こんにちは。
大村正樹
中山由実さんは、みんなのお父さんやお母さんやおじちゃんやおばあちゃんも多分行ったことがない場所に行ってる人なんですね。もう先生から聞いてるね、さぁ、せいの!
南極!
大村正樹
いいですか、北極じゃなくて?
  南極です。
大村正樹
南極ね。中山由実の公開授業の始まりです。お願いします。
  よろしくお願いします。じゃあ、今日は理科の授業みたいだけど、ちょっとだけ歴史のお話もしてみましょう。これちょうどね、今から50年前の写真です。
授業風景1
 
このページのトップへ
大村正樹
船の映像が出てきましたね。大きな船です。
  実は、日本の南極観測隊ってのが毎年南極行って、今もちゃんと観測しているんですけど、50年前に始まりました。これは「宗谷」という船ですけども、50年前に東京を出て行くときです、こうやってみんなで一生懸命応援しました。このときは宗谷という船でしたけども、まだまだ最初の船でしたから南極に辿り着いても、さぁ帰ろうかというときに氷の海に閉じ込められて「出られないよ〜助けに来て」っていってソ連の船が氷を割って助けにきてくれたりとかたくさん大変なことがあったりしました。どんどん時代が良くなっていくと、二代目は「ふじ」という船になり、今は「しらせ」という船がこれです。これに乗って行ってるんですけど。
大村正樹
スクリーンに映っているのはしらせですか?
  しらせという船です。
大村正樹
中山さんこれで南極行ったんですか?
  そうです。
大村正樹
へぇ〜、なんかイメージ的にもっと立派な船で行ったと思った人?
多くの子供達がこのしらせという船が意外に地味な船だと思ったかもしれません。
これは大きいんですよ。
大村正樹
へぇ〜、どれぐらいあるんですか、長さは?
  100メートルくらいありますし、甲板はランニングできるくらいあります。人は200人以上乗れます。ここで暮らすわけですけども、毎年この船は11月14日に東京を出発していきます。南極までどれくらいかかるかな?
  1ヶ月!
大村正樹
1ヶ月!
  ドンピシャリ!1ヶ月です。だいたい日本を出て11月14日に出発すると、12月半ば過ぎに昭和基地の近くに着きます。私もですね、2003年12月の半ば過ぎ、12月17日に昭和基地が見えるところへ着きました。まわりは氷の海です。港にビタッとつけられません。こんなに氷が張ってるので、船の上からヘリコプターに乗って昭和基地に下りようと思いました。私は真っ白な雪と氷だけだと思ったら見てください。なんか茶色い地面が見えてるんです。
大村正樹
ああ、そうか。
  実は12月って言うのは、みんな知ってるかも知れないけど、南半球は夏なんですよね。12月の半ば過ぎから1月っていうと、一番あったかい時で雪も氷もなくなって、この昭和基地の周りはこういう赤茶けた地面が見えてたんです。ビックリしちゃいました。南極の夏って実はお日様が出っぱなしで、夜中の0時になってもこんな明るいんですよ。日が暮れないんです!
大村正樹
これは夜中の0時の写真ですか?
  昼間ですけども、残業しようかっていうと、いつまでも外が明るいっていう状況でついつい働きがちになります。もうクタクタになってヘロヘロで、「ああ、もう、やだよ」って思うときもあるんですけども。そんな時嬉しいのがですね、私たちのまわりをちょこちょこお散歩してくれる、小さなお友達がいるんです。さあ、みんな知ってるかな?
  ペンギン!
  アデリーペンギンっていう、ペンギンさんなんです。ひざくらいの高さの小さいペンギンで、このアデリーペンギンが南極の昭和基地のそばにはたくさんいます。このペンギン達は夏になると浜に上がってきて、草とか木とかないですから、ちっちゃいまるっこい石っころを集めて、石ころで巣を作って卵を産んで子供を育てます。むくむくっと、なんだかモップ雑巾みたいな、綿ゴミのかたまりみたいな、べちょ〜となってるこれが雛なんです。  
授業風景2
 
このページのトップへ
大村正樹
へっへぇ〜、どれが雛ですか?へっ、へっ、へっ?これ、これ、これ?
へぇ〜、ペンギンの赤ちゃんとペンギンのおかあさんが一緒に200匹くらいいる写真なんだけど。石かと小石かと思ったら全部赤ちゃんだったという。
なんかモップ雑巾のかたまりみたいな。
大村正樹
これは、もしラジオ聞いてるキッズがインターネットで見ることは可能ですか?サイエンスキッズのHPから見られるようにすればね、見てみて。
  実はね、ラジオの人にごめんなさい。もっと面白い写真をみせちゃおうと思うんですけども。
大村正樹
明石小学校5年生のために、特別に面白い写真を、はい。
  おぉぉぉ。
  なんじゃこりゃっていう、ペンギンがでてきたんですが、これはさっきのアデリーペンギンです。でも、なんかようすが変ですね、ちょっとね。
大村正樹
なにやってるんだろう。みんな、なにやってるんだと思う?
  きぐるみ。
  きぐるみ?
大村正樹
きぐるみ、着てる?ペンギンがきぐるみ着てどうするんだよ!あとは?
  脱皮。
大村正樹
脱皮?ペンギンは脱皮しないでしょ。ザリガニじゃないんだよ!今、目の前にあるのはペンギンが全身の毛をおったててるって写真なんですけど、なんだろ、一回りくらい大きく見えますよね。
私も自分で、きぐるみペンギンって名前付けてるんですけど、なんかフードかぶってるみたいでしょ。お帽子かぶってるみたいで、実はこの時期、2月のはじめくらいだったんですけども、こんなおかしなかっこのペンギンがよく現れます。これは帽子かぶってるみたいなのですけど、なかには襟巻きペンギンみたいに、襟巻きできちゃったみたいな、モヒカンペンギンとかね、変なのが出てくる。これ、なぜかというと、さっきいいこといった脱皮って言ったけどもすごく近い。
大村正樹
近いんだって。おっ、答えを言いそうな子がいる。
  毛が生え変わる。
  ドンピシャリ!そうなんです。これから南極が冬を迎えるという時にあったかい新しい毛が生えてくる。そうすると夏の毛が抜けてくるんですよ。だから生え変わりの時期はですね、モヒカンペンギンさんときぐるみペンギンさんとかですね、おかしなペンギンがたくさん出てくるんですね。で、面白いのはこういう時に、「おもしろいペンギン〜」って写真を撮ってる時に逃げられないで、ずっとキョロキョロしてるんですよ。実は海にポチャンと入れば良いのにできないんです。なぜかというのは羽が生え変わってるときに、水鳥っていうのは濡れても大丈夫なように毛の上にしっかり油を乗っけて綺麗にコーティングして水に入っても寒くないし濡れないし凍らないしってできてるんです。でも今、生え変わってる時だから、ちゃんと綺麗に自分で羽根を毛づくろいできないわけです。だから今、このまんま海に入っちゃうと、とっても泳ぎが上手なペンギンでも「うわぁ〜」っていって溺れちゃうことになっちゃうんです。ですから、こういう時はじぃ〜と岩の上に乗っかってですね、何日も餌を取りにいけないで我慢するんですね。
大村正樹
ずっと立ってるしかないんですか?何にもしないで、ずっと立ってなくてなくちゃいけない。そうですか・・・。よかったね、僕達は毛生え変わらなくてね。
そうなんですよ。ご飯食べられないんですよ。おなかすくだろうなぁって、思うんだけどね。
ペンギン
 
このページのトップへ