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「音力発電の力」(2)
コーチャー/速水浩平さん(株式会社音力発電 社長)
大村正樹&寺門和夫
大村正樹

キッズのみんな、こんにちは。サイエンステラーの大村正樹です。 今回も音力発電の速水浩平さんが来てくれますが、いや、ほんとすごい!会社の社長でもあって、なおかつ慶應大学大学院の学生さんでもある。ほんといろいろなことを考えてるみたいなのね。僕もいろいろ考えたのでお知らせの後、速水さんに「こんなアイデアどうかなぁ?」とぶつけてみたいと思います。


大村正樹

今週のサイコーも前回に続きまして、音力発電の速水浩平さんです。こんにちは。

こんにちは。

大村正樹

五色桜大橋を見てきました。

ありがとうございます。

大村正樹

あの白く光っている電球が電池とかを使わず、車が通る振動で光っているということですよね。

そうですね。

大村正樹

へぇ〜。じゃあ、昼間に通っている車の振動も蓄えることができるんですか?

はい。充電しています。

大村正樹

へぇ〜。1週間考えたんですよ、生活しながら。僕は移動中に音楽を聴いたりするのでiPodを持って歩いている。あと携帯電話だって、つねに使っている。仕事柄、結構歩くということもあり、靴のかかとの部分に速水さんが発明した振動盤を入れて、歩きながら全部充電するということはできないかと?

おっしゃる通り、そういうことはできます。実際に音力発電社では、発電する靴とか下駄を開発してるんです。

大村正樹

御社ではすでに作っていらっしゃるんですね。

はい。『発電靴』とか『発電下駄』とか呼んでるんですが、まさに、かかとのところとかソール中敷の部分に発電する基盤を入れて、バッテリーで貯めて、携帯電話とか音楽プレイヤーの充電に使えないかと。

大村正樹

もうすでにやっぱり考えているんですか。当たり前だよな、そりゃそうだよな(笑)。サイコーですものねぇ。なんだ、今週はそれをぶつけてやろうと張りきって来たんですけど、もう分かってた。

ハハハ。

大村正樹

じゃあ、今日はプロット版というのはないんですか?

それはちょっとまだ…。実際にお見せするのはちょっと難しくて。

大村正樹

何で見せてくれないんですかぁ、ケチ!

企業秘密というか…(笑)。

大村正樹

ほんとですか(笑)。でもラジオで言ったら、お金をいっぱい持ってる会社に真似されたりするのでは?

おそらくそういった構想をされる方は多いと思うんですが、基盤が重要なので、それさえ公開されなければ言うぐらいはいいかなと思って。

大村正樹

先週お話しされた、振動で発電するという基盤の作りは秘密なんですね。

そうです。むしろこの番組を聴いているみなさんに、どういった商品が出るかを期待していただきたいなと思ってます。

大村正樹

やがては出るぞ、『発電下駄』や『発電靴』! 音力発電社から出ますよ!と。

はい。

大村正樹

ほかに音力発電社ではどんなものを?

あとは、やっぱり社会貢献も重要かと思いまして、高齢者のための商品も開発しています。

大村正樹

たとえば?

たとえば『発電床』。玄関マットみたいなものとか、台所に敷くものがありますよね。

大村正樹

台所のマットですか。奥さんがその上で包丁とか使って調理する。

そうです、そうです。そのような薄い『発電床』を開発していて、それを寝室とかトイレや台所など、家のいたるところに置くんです。それで人が歩くと発電しますよね。そして、独居老人の方に使ってもらうことで、一日の動きが発電によって分かる。つまり、朝起きて何時ぐらいに台所に行ったとか、今トイレに行っているとか、その動きが分かる。

大村正樹

はい。そうすると、たとえば一回もトイレが『発電床』にならなかったら、「この独居老人どうかしたんじゃないか?」と分かるということですね。

たとえば、そういうことですね。

大村正樹

そうかぁ。

そのデータを貯めて、異常があれば息子さんの携帯電話に知らせてあげるとか、そういったことにも使えるんじゃないかと。

大村正樹

すごい!

あと、留守中に人がいるはずもないのに発電してたら泥棒が入ったんじゃないかとか、防犯にも使えると思うんですね。

大村正樹

なるほど、すごい! こうやってラジオで言っても結局、発電する機械のことが分からないから大丈夫なんですね。

そうですね。

大村正樹

たとえば、これは結構お金がかかるわけですよね。市販はされてないですよね。

今は市販というか特注品のみ対応してるんですが、まさにインフラとして普及できる技術だと思っているので、量産の体制を整えている最中です。

大村正樹

そうですよ。量産していただいて、僕らも手に入ればいいんですけど。たとえば靴のかかとにこの発電の装置を入れたら、1個いくらぐらいで販売予定ですか?

あまり高いのも買っていただけないと思うので、普通の靴の大体1.5倍とか2倍ぐらいの価格だったら売れるんじゃないかと。“床”もそうですね。

大村正樹

えっ、すごい!

10倍にすると売れないと思うので…。やはり技術開発の研究も重要ですが、実際に売れる商品じゃないとあまり意味がないと思ってるんです。技術は普及しないと意味がない。いかに安く作るか、耐久性を上げるか、といった開発も同時にやっています。

大村正樹

そうですよ。だって、鳴り物入りで「出ました!」と新聞に載ったりニュースに出ても、じゃあ実際、手が届くかと言ったら「これ買えないよね」となってしまうのがオチ。ですが、速水さんは実際に市販されて普通の人の手が届く範ちゅうで考えていらっしゃる。

もちろん、そうですね。

大村正樹

楽しみにしてます。でも、かかとが減っちゃったらダメだから、当然かかとは交換可能にしてくださいよ。だって、絶対にその靴ばっかり履くじゃないですか。それでまた買ってもらうために1.5倍の靴を買うというのは嫌だから。

ハハハハ。

大村正樹

かかとは、やっぱり発電は半永久的に使えるようにしてもらったら多少高くてもいいと思うんですけど。

貴重なご意見ありがとうございます。

大村正樹

たとえば、ソールで売るのはどうですか? 靴じゃなくて、いわゆるインソールとして売れば、ある程度長く使えると思うんですね。

はい。でもまずは靴についてるものから、と思っているのですが。というのは、やぱり作る過程で耐久性の問題があり、内蔵して作ったほうがいいんです。が、今ソールとしての開発も行なっています。それは、いかに薄くするか…。かなりの技術とノウハウが必要です。でも、将来的にはそういったものも出せればと思います。

大村正樹

そうですか。先週も「こんなものが発電とかエネルギーになるんだ!」と。鳩山総理の“CO2マイナス25”は結構無理な話だと正直思ってたんですよ。ただあれを見て、できるんじゃないかという気になってきたんです。

ええ。

大村正樹

エネルギーのリサイクルじゃないですが、生きてるなかで、たぶん無駄に放出されてるエネルギーはいっぱいあると思うんです。

そうですね。振動だけじゃなくて、おっしゃる通り、熱とかいろいろなものが世の中では無駄に捨てられている。ただ、これから持続可能な開発をするには、そういった無駄をいかに少なくするかということが重要になってくると思います。

大村正樹

ほんと勉強になりました。ちなみに、尊敬する方はどなたですか?

日本人では野口英世さん、海外ではレオナルド・ダ・ヴィンチ。

大村正樹

分かりました。これをきっかけにキッズのみんなも野口英世さんとダ・ヴィンチの伝記を読むように!
ということで、2回にわたってありがとうございました。サイコーは、音力発電の速水浩平さんでした。
 みんなもニュースで知ってると思うけれど、日本はCO2を25パーセント削減するという話。これって本当に難しいことだと思う。でも、この速水さんのアイデアをきちんと何らかの形で広く利用したら、夢ではないと思うんだよねぇ。20代の若さでこういうことを考える人がいるとは驚きました。どうやったら人間が無駄に発散させているエネルギーを人のために活かせるかを、僕も考えて生きようかと思ってます。 それでは来週も夕方5時半に会いましょう。もうすぐ電気の必要な時間帯だけど、みんなも「この電気はどうやってついているのか?」とか考えると、意外な発明のアイデアになるかも知れないよ。それじゃバイバ〜イ!