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「雷の力」(2)
コーチャー/伊藤眞義さん(株式会社サンコーシヤ)
大村正樹&伊藤眞義
大村正樹

キッズのみんな、こんばんは。サイエンステラーの大村正樹です。 今日も雷を取りあげますが、雷は、冬の時季は日本海側で多く見られるということでしたね。もう1ヵ月後にはお正月。おじいちゃんやおばあちゃんの家で過ごすために、日本海側の新潟、富山、石川方面に行く人は、雷に遭遇するかもしれないから、ぜひその音を聴いてみてね。お知らせの後、サイコーの登場で〜す。


大村正樹

今週のサイコーも前回に続きまして、株式会社サンコーシヤの伊藤眞義さんです。こんばんは。

こんばんは。

大村正樹

先週の雷の話、興味深かったです。 

ありがとうございます。

大村正樹

この1週間、雷には遭遇しなかったんですが、著書の『サンダーテロ』をまたちょっと読ませていただいたら、交通機関の雷対策というのがありました。僕は飛行機にけっこう乗るんですが、夏場に、着陸する10分ぐらい前だったか、雲の中で飛行機の主翼の一番向こう側に、電流が走る感じで雷が青光りしているのを見たんです。ほんと怖かった。

おぉ〜、そうですか。

大村正樹

あれは雷、落雷ということですよね?

そうですね。

大村正樹

飛行機は落雷しても大丈夫だって、かつてサイコーの方がおっしゃってたので安心してたんですが、やっぱり対策はされているんですか?

飛行機は雷が落ちても、それが自然に外へ抜けるような設計がされてます。

大村正樹

ちょっと待ってください。飛行機は空を飛んでるのに、どこへ抜けるんですか?

機体から管が出てまして、そこから電気が流れ出るような設計になっていると思います。

大村正樹

飛行機の外観を見たら、ここが雷の抜ける管だと分かるんですか?

そうですね。

大村正樹

どこに付いているんですか?

羽のところですね。

大村正樹

じゃあ、やっぱり落雷しやすいのは羽の部分なんですかねぇ。

どこに落ちるかは分かりませんが、そういうところから外へ流し出す設計になってると思います。

大村正樹

へぇ〜。そういう雷対策をやっているわけですね。

一般的には金属でおおわれてますから、安全だろうと思います。中に乗っている乗客にも全く影響はありません。

大村正樹

でも、それは今の飛行機の話で、昔の飛行機はそうではなかったわけですよね。

そうですね。例えば落ちた時に計器がこわれるとか、そういったことは起こりえたかも知れません。

大村正樹

いわゆる墜落につながるようなことは、基本的に昔からなかったんですか?

そうだと思いますね。私も詳しくは分かりませんけれども。

大村正樹

ライト兄弟も当時から安心して飛べたわけですね。飛行機は、雷が落ちても基本的には大丈夫にできてる。でも、鉄道はよく落雷で電車の遅延とかありますよね

はい。夏になるとよくありますね。

大村正樹

レールが金属だし電車も走ってるから、どこに落ちてもおかしくないということですよね。

そうですね。でも、列車の本体は問題ないですし、乗ってるお客さまも全く被害にあうことはないと思います。列車を走らせるためには信号機や踏切もありますし、安全に走らせるためのいろいろな制御装置があります。鉄道の場合も、雷が落ちて機器をこわしてしまうと安全に走れなくなるので、いたるところに雷対策の製品を施してます。

大村正樹

駅で電車を待っている時に、これが雷対策だと分かりますか?

まず分からないと思います。

大村正樹

分からない(笑)。プロが見ないと分からないんですね。今度連れていってください、電車の旅に。

そうですね(笑)。

大村正樹

地下鉄はやってないですよね?

地下鉄もそうなんですが、ケーブルをつたわって、雷の電気が入ってきて、制御機器をこわすことがありますので…。

大村正樹

対策がされているわけですか?

はい、必要になります。

大村正樹

バスはどうですか?

バスは必要ないと思います。

大村正樹

何でですか?

バスや車は、タイヤのゴムで電気が外へ出るようになってますから安全だと思います。

大村正樹

なるほど。先週、木に落ちたら人間の体のほうが電気を帯びやすいから、雷が人間に落ちるとおっしゃってましたね。じゃあ、車に乗って雷がバッと落ちてきたら、人間の体に電気が移るということはないんですか?

車は金属のボディにおおわれてますから、金属のほうが人間より流れやすいです。

大村正樹

そうか、そうか。

車の中に入れば大丈夫だと思います。窓を開けて身を乗り出したり、顔を出していれば危ないかも知れませんが。

大村正樹

そうですか。あと、僕がテレビで台風の中継をしていたら、雷でマイクが飛んじゃったことがあるんですよ。

へぇ〜。

大村正樹

それで中継のシステムが落ちちゃったんですね、ビッとなって。あれは非常に危険なことですよね?

危険ですねぇ。

大村正樹

死んでたかもしれないですよね?

そうですね。マイクをじっと握ってれば、人間の体のほうに電気が流れてきますから。

大村正樹

それから『サンダーテロ』に「雷による家庭の被害が深刻化している」という記述があるんですが、お茶の間でラジオを聴いてたら大変興味深いと思うので、具体的に教えてください。

いろいろ理由はあるんですが、まず都会で雷が発生する回数が非常に増えているんですね。これは ひとつには温暖化の影響があるといわれてます。また今、都心の上空でゲリラ豪雨やゲリラ雷雨が発生します。こういったものの原因で、雷も当然多く発生するようになっていることが背景にあります。

大村正樹

はい。

それから最近では電気製品、パソコンとか電子機器が家庭にどんどん普及して、コンパクトタイプになっている。つまり、小型化されるということは、それだけ使う部品が半導体化して小さくなっているということ。だから、ちょっと大きな電気が入ってくるとこわれやすいというわけです。

大村正樹

はい。

省エネタイプの製品も、やはりできるだけ小さな電気で動かそうとしますから、ちょっと大きな電気が入ってくるとこわれやすい。ですから、いろいろな技術が進むにつれて、逆に、雷などに弱くなっているということもあるわけです。

大村正樹

サンダーテロですね。

まさにそうなんです。

大村正樹

あとはどんなものがありますか?

いま家庭で、オール電化マンションや住宅が増えてきています。お湯を沸かすのもお料理するのにも、空調、エアコンもすべて電気を使います。

大村正樹

ええ。

でも、一度そういう機器がこわれれば、完全に生活の機能が一時的にマヒする危険性があるわけです。

大村正樹

雷による停電によって生活ができなくなっちゃう。

そうです。

大村正樹

『サンダーテロ』という本を見ると、雷の恐怖ということで雷を悪者にしてますけど、“雷小僧”はかわいいキャラクターじゃないですか。

そうですね。

大村正樹

かわいい部分で雷のエネルギーを有効に利用するという考え方はないんですかねぇ。

みなさん、そうおっしゃるんですけれど、これは一瞬にして流れますので、なかなかその電気を蓄積することはできない。どこに落ちるかも分からないですから。一定のところとか、ここに落としたいというところに落ちてくれれば、まだ活用方法があるかも知れませんけれど。

大村正樹

雷の1回のエネルギーと、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』でマイケル・J・フォックスが現世にかえる“何とかジゴワット”というエネルギーとどちらが…? あの時も相当の雷だったわけですよね…。  それはいいとして、今どきの雷はどうですか? 昔に比べて大きくなったのか小さくなったのか、だんだん雷の被害は増えてくるのか? 温暖化によってどうなってくるんですかねぇ。

そうですね。電気製品がこわれやすくなってきたことがありますから、被害は確実にオフィスや家庭に入り込む。従来はインフラ系の鉄道会社や電力会社、通信会社さんがそのような対策をされてましたが、これからは個人が、ひとりひとりが自分の製品や設備を守らなければならない時代になってきました。

大村正樹

なるほど。さしあたって何をやればいいですか?

とりあえず、電気製品に雷の対策製品を設置することが確実だと思いますね。

大村正樹

どんな装置がどこで売られているんですか?

雷対策の保安器という呼び方をしていると思いますが、家電の量販店さんでも売られています。

大村正樹

見たことない! 見たことある、みんな?――助手が見たことあるって。ラボ内8人いて2人見てました。25パーセント

まだまだ営業努力足りませんね。

大村正樹

これ、伊藤さんが作っているんですか? 雷保安器?

ええ、私どもの会社でも。

大村正樹

営業努力足りませんよ〜。

足りませんねぇ。

大村正樹

持ってきてくださいよ、ラボに

ハハハハ。分かりました(笑)。

大村正樹

ラボは来週、雷にあうかもしれないから。

また呼んでくださいよ。持ってきますので。

大村正樹

ぜひよろしくお願いします。ということで、株式会社サンコーシヤは、雷保安器を作っている会社ということも分かりました。今週のサイコーは、サンコーシヤの伊藤眞義さんでした。ありがとうございました。

どうもありがとうございました。

大村正樹

一軒家に住んでるキッズなどは大体、家の上には避雷針やアンテナがついていると思います。でも、それ以外にも雷から守る道具を売っているということです。今度、僕も見に行こう!それじゃまた、来週も夕方5時半に会いましょう。バイバ〜イ!

落雷

写真提供:東京大学大学院農学生命科学研究科附属演習林樹芸研究所

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