キッズのみんな、こんばんは。今年最後の「サイエンスキッズ」です。今週も東京浜松町にある秘密の科学研究所シークレットラボからお送りします「大村正樹のサイエンスキッズ」。クリスマスだけど、お父さんの仕事の都合で、今日クリスマスパーティーをやっちゃうという家庭もあるかも知れませんが、みんな、おいしいものを食べたでしょうか? 今週も“食べる”を科学していきます。お知らせの後、とんでもないことが起きるから、みんなも耳を掃除して聴いてよ。
今週のサイコーは先週に続きまして、また来ていただきました、日本科学未来館の貞光千春さんです。こんばんは。
- こんばんは。
日本科学未来館では、来年の3月22日まで『‘おいしく、食べる’の科学展』の真っ最中で、もう僕も3回おじゃましました。
- ありがとうございます。
行くたびに“うま味”が出てくるね、先週の話じゃないけれど。いや、ほんとに!
- フフフ。
ほんとに面白いです。今日もテーマは味覚です。今日はいろいろと出し物があると聞いたんですけれど。
- 実験をしてみようかと。
実験を。うれしいです!
- じゃあ、さっそくいきましょう。
目隠し。目隠しをするの、僕?
- 目隠しをしていただいて。
はい、目隠ししました。
- ちょっと飲んでもらいたいものがあります。
これを飲むの?
- まず飲んでみてください。
ストローで、上品に飲むの?
- ええ。
いくよ。
- さぁ、味はどんな味がしますか?
ロイヤルミルクティー。
- ロイヤルミルクティー!? そっちにいきましたか。
違うの、あれ!?
- フフフフ。
うん、ロイヤルミルクティー。
- ちなみに、材料は何でしょう?
紅茶とミルクとお砂糖。
- けっこうオシイですけれど(笑)。一番かんじんのミルクティーのティーの部分が違います。
コーヒー、これ!?
- そう。ミルクコーヒー味の…。
あっ、コーヒー牛乳だ!
- そうです。コーヒー牛乳。
コーヒー牛乳を僕に飲ましてどうするんですか?
- 材料が違うんです。
コーヒー牛乳だけど、材料はコーヒーじゃないってこと?
- そうです。
でも、牛乳が入ってますよね。
- 牛乳と砂糖も入ってます。残りは何でしょう?
紅茶にしたとか…。
- 答えは、麦茶です。
あっ、麦茶ね! うん、言われてみたら麦茶っぽい。
- 言われると感じちゃうんですけれど(笑)。
これ、家庭でやってる人いるでしょ、きっと。
- たぶん、そうですよね。
おいしい、これ!
- もう飲み終わっちゃいましたね(笑)。
サイコー!
- 実は聞いたことある人もいると思います。
麦茶牛乳。
- はい。これ実は「ミルクコーヒーと同じような味だよ」と味覚センサーで測って確かめた味でもあるんです。
いわゆる人間の感覚じゃなくて、器械でも測って麦茶と牛乳と砂糖の味がコーヒー牛乳の味と似てますよと、科学的にも証明されているということ?
- はい、そうです。
へぇ〜。
- じゃあ、もう1個、実験しましょう!
やる、やる。飲むの? これあったかい。
- ちょっとあったかいですね。飲んでみてください。
うん? 何か入ってる。
- ちょっとサクサク音が聞こえてますが(笑)。これは何の味ですか?
スープだね、これ。
-
あたたかいスープです。
ポタージュスープ? コーンポタージュ?
- あぁ、いいですね。コーンポタージュ味です。コーンポタージュの?
何だろう、これ?
- すごいサクサク(笑)。
ピーマン入り?
- ピーマンの味しました?
分かんない、食感が…。
- ピーマンは入っていないけれど、コーンポタージュスープの味でした。じゃあ、材料は何でしょう?
ピーマンと牛乳とコーン。
- ハズレです。
ジャガイモ。
- ハズレです。
ピーマンと牛乳と…。牛乳は絶対に入ってますよね。
- 入ってます。
じゃあ、コーンは入ってないってことですね。
- はい。
コーンポタージュでしょ…。ニンジン?
- 違います。
- 違います(笑)。
パイナップル?
すみません、正解は?
- 正解は、たくあん。
マジで! たくあんと牛乳だけ、これ?
- そうです。
甘いじゃないですか。
- 甘かったですか?
うん。
-
もともと牛乳に甘みがあったりとか。
ほんと?
- はい。
東京たくあん198円。このたくあんと牛乳を混ぜて。――バラで食べたほうがうまい(笑)。
- ハハハハ。たくあんはお漬け物なので、ちょっと発酵の味がコーンポタージュのうま味に似てるかなと。
へぇ〜。最初にたくあんと牛乳を混ぜ合わせて食べようと思った発想は、気持ち悪いですね。
- 気持ち悪いですねぇ。いろいろな組み合わせを試した人がいたようです。
たくあんの固形が多少入ってたけれど、ミキサーにかけたら、もっとコーンスープの味がするということですか?
-
そうかも知れないですね。ただ、ちょっと単純な組み合わせなので、本当の丁寧に作ったコーンポタージュよりはあっさりした感じになると思います。
例えば、経費に行きづまっているレストランが、たくあんと牛乳をあっためてミキサーにかけて「スープでございます」と出したら、お客さんにバレないということですか?
-
それは、どうでしょうねぇ(笑)。
トウモロコシの粒を落としちゃえば。
-
やってみたい感じもしますけどね(笑)。
これは味覚センサーという器械でもって、きわめて似ている味というジャッジがされたということですか?
-
そうです。牛乳の味とたくあんの味をまず測ってみます。全然コーンスープとは違う形ですが、コーンスープの味と牛乳プラスたくあんの味を味覚センサーで測ってみると、とてもよく似てる。
全然素材は違うんだけど、ミックスすると。
-
その味の要素は、よく似ていることが分かったんですね。
へぇ〜。未来館でもありましたよね。匂いで似ているのが、オレンジとレモンとシナモンでコーラの匂いとか…。
-
オシイ!
違ったっけ?
-
レモンとライムとシナモン。
そうそう、レモンとライムとシナモンでコーラ。そういうのがあったけど、味覚でもありましたっけ?
-
味覚でもありましたね。さっきの牛乳とたくあんでコーンポタージュ以外でも、聞いたことがあると思いますがプリンとしょうゆです。
ある、ある! それを僕、回転寿司でやったのよ。そしたら、回転寿司のオヤジに怒られましたよ。
-
怒られるでしょう、それは(笑)。
「困るんだよね」みたいな。別にいいじゃんと思って、105円なんだから(笑)。
-
どうでしたか?
イマイチだったな。しょうゆの分量が足りなかったのか、ご飯を入れたらもっといいのかも知れませんが…。
-
ポイントは、のりで巻くと磯の香りがしたりとか。
なるほど、のりか…。プリンのカラメル部分をカットして、しょうゆをかけて食べてたの。それでグジュグジュにして食べたんですけれど、のりがなかった。
-
のりを巻くと軍艦巻きっぽい気分になりますね。
なるほど。じゃあ、ご飯に乗せたらもっと似てるということですか?
-
そうですね。プリンもあまり甘くないものとか、いろいろ選ぶとだんだん似てきます
へぇ〜。ちょっとラジオを聴いてるキッズたちも、貞光さんが問題を出してくれるので、何と何と何をたしたら何の味になるか?
-
じゃあ、納豆とマヨネーズとソース。
納豆、マヨネーズ、ソース?
-
これは、そのうちのいくつかは、そのものの食べ物にも使います。
うん、分かった。もんじゃ焼き!
-
かなりオシイです。かなりオシイです。
お好み焼き?
-
はい。
へぇ〜。
-
お好み焼き。マヨネーズとソースに納豆を入れると、ちょっとコクが出てお好み焼き味になります。
それもちゃんと未来館へ行けば、もっともっと味のコラボレーションの組み合わせが楽しめますね。
-
はい。
4回目、行かなくちゃな!
今週のサイコーは、――今年最後だったんだ。よいお年を!
-
よいお年を!
日本科学未来館の貞光千春さんでした。ありがとうございました。
-
ありがとうございました。
サイコーの貞光さんは「コーヒー牛乳だ」って自慢げに出したんだけど、僕が「ロイヤルミルクティー」と言ったから、ちょっと助手の調合が悪かったんじゃないかと思って。助手ちょっと飲んでごらんよ。これ、どうなの? コーヒー牛乳それともロイヤルミルクティー? どっち?
-
助手 : コーヒー牛乳。
そうなの、僕の調合がいいんだよ。
-
助手 : 失礼しました。
助手のさっきの調合が悪くて「ロイヤルミルクティー」って僕が言っちゃったから、サイコーに対して失礼なことしちゃった。今年最後の放送だから、気持ちよくサイコーを送り出そうと思ったのに…。そんなわけで、“食べる”ってすごく楽しいし奥行きもあって、今日はパズルみたいな話だった。みんなもよかったらいろんな食材を組み合わせて、君自身の発見があるかも知れないから、冬休みにやってみたらどうかな? ただ冷蔵庫のもの、あまり無駄づかいしないでねっ!今年も最後の放送になりましたけれど、大村さんは、今年はいろいろなサイコーに会って、いろいろなことを勉強させてもらって、特に夏のイベントでは多くのキッズたち、父さんお母さんにも会うこともできて、ほんとに充実した1年だったなぁと思ってます。それもラジオを聴いてくれてるみなさんのおかげだと感謝しています! 助手君も今年はいっぱいいじめちゃったけれど、来年もよろしくねっ。 ということで、キッズのみんなもよいお年を! それではまた来年、バイバ〜イ!