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「南極のお話」(2)
コーチャー/澤野林太郎さん(共同通信社)
大村正樹&澤野林太郎

大村正樹

キッズのみんな、こんにちは。サイエンステラーの大村正樹です。今週も東京浜松町にある秘密の科学研究所シークレットラボからお送りします「大村正樹のサイエンスキッズ」。 今週も南極に行かれた共同通信社の澤野記者に来ていただきますけれど、今日は澤野さんが南極で“びっくり”したお話の連発です!お知らせの後。


大村正樹

今週のサイコーも、南極へ行ったという貴重な経験を持っている共同通信社の澤野林太郎さんです。こんにちは。

こんにちは。


大村正樹

今回も南極についてうかがっていきますが、澤野さんの南極体験の中で驚いたことって、やっぱりいくつもありますよね?

はい。
大村正樹

例えば何ですか?

たくさんあるんですが、普通寒いところへ行くと、はいた息が白くなりますよね。でも南極って、いくら寒くても息が白くならない。


大村正樹

えっ!ハーッとやってもならないんですか?

ならないんです。


大村正樹

何でですか?

「何でかなぁ?」と思って研究者の人に聞いたんです。そうしたら、息が白くなるのは、空気中に目に見えない小さなゴミやチリがあって、そこに水蒸気がつき、白い核になってたくさん集まっているのが白く見える原因なんだそうです。しかし、南極はすごくきれいなところなので、チリやゴミがほとんどない。


大村正樹

ちょっと待ってください。じゃあ、僕ら日本人は寒い時に息が白くなるのをよく見てますが、あれはチリやゴミだらけのところで息をはいているということですか?

       

そうですねぇ。


大村正樹

え〜、そんなに!(笑)

ものすごいピュアなんです、南極は。

大村正樹

ほんとにチリがなく、ピュアな世界ということですか?
ちょっとでもあると白くなるわけですよね。

そうです。


大村正樹

いや〜、すごい!マイナスの世界で、はいた息が白くならないところは、南極か北極ぐらいしかない。

そうですね。 でも、白くなる場所もあるんです。


大村正樹

それは、汚いところということですか?

その通りです。あちらにも車があるんですが、排気ガスが出ている車の後ろのほうに行くと、いきなり息が白くなる。


大村正樹

雪上車とか?

そうです。車が出しているチリやゴミが明確にそこにあることを証明している、ひとつの現象ですね。

大村正樹

なるほど。冬になるのが待ち遠しくなってきました。

フフフフ。

大村正樹

日本国内で、はく息が白くならないところがあるのか、ちょっと探しに行きたいですね。

探してみてください。あればいいですね。

大村正樹

あと、驚いたことは何かありますか?

今年は、観測隊の人が隕石を南極で集めるというミッションがあって。


大村正樹

宇宙の石?

そうです。南極では、実は隕石がいっぱい取れる。

大村正樹

へぇ〜。

なぜか分かりますか?

 
大村正樹

分からない…。極点だから磁場で隕石が来やすい?

隕石は地球上で同じぐらいの割合で降ってるんですが…。実は簡単で、雪が積もると白いですよね。

大村正樹

はい。

そうすると、白いところに隕石が落ちてくると分かりやすいんですよ。

大村正樹

はぁ〜。

で、それがひとつ条件で、氷は上から下に流れていきますから、宇宙から来た隕石が氷にズドンと落ちて、その氷がずーっと流れていって、ダムみたいに岩でせき止められてるところがあったりするんですね。

大村正樹

ええ。

そこにたくさんの隕石が、ダーッと集まっているような場所がある。


大村正樹

いわゆる滑り台状になっているところに隕石がツルツル落ちてきて、一点に集中する場所があるということですか?

そうです。それを見つけて、今年も隕石を500〜600個単位でひろってきましたね。


大村正樹

ちょっと待って。日本の隊員だけで500〜600個の隕石をひろっているということは、南極全体でいろんな国の基地があるから、相当数の隕石が地球上には降っているということですか?

そうですね。だから、よくニュースで屋根を突き破って落ちてきたとか…。


大村正樹

大ニュースになりますよね。

あのような形で、目に見えないところ、知らないところに隕石がバンバンバンバン落ちてきてる可能性がある。


大村正樹

へぇ〜。

長いスパンで見れば、ですよ。雨のように降ってくるわけではないですから。
大村正樹

こぶし大のものもあるんですか?

今年は、こぶし大のものがありました。


大村正樹

その石は何でできているんですか?

詳しくは分からないんですが、鉄分やいろいろなところから飛んでくるものなので地球上にない物質が入ってたりとか…。僕が見ただけでは全然違いが分からないんですけれど、専門の研究者は見ただけで分かるといってました。


大村正樹

それ専門で南極に来られる方もいらっしゃるわけですよね。

はい、いました。


大村正樹

それはもうヨダレをたらして、「うわっ!」と喜んでいるわけですね。

そうですね(笑)。


大村正樹

それもいいなぁ。あと、驚いたことは?

あとは、昭和基地はすごく生活が便利になったとはいえども、不便なところが多い。今、地球で普通にご飯を食べて普通に仕事して、普通にトイレへ行って電車に乗ったりしますね。でも、こういう普通のことがなかなかできない。


大村正樹

はい。

そのひとつとしてトイレの問題がある。今、トイレは普通に水をジャーッと流せば誰かが汚水処理をしてくれて水に替わって…となるけれど、この一連の作業を自分でやらなくちゃいけない。経験しなくちゃいけないんですね。


大村正樹

処理を、ですね。

そうです。何個か建物があって、トイレがない建物もあるんですよ。


大村正樹

へぇ〜。

で、どうするかといったら、ポリタンクがあってそこにオシッコをためて、それをまとめてリヤカーに積んで処理施設があるところまで運んで、ジョボジョボジョボと自分で流す。これをしないといっぱいになっちゃいますからね。だから、自分でやるんです。
大村正樹

それは持ち回りですか?

当直が何日かに1回まわってくるので、僕もしましたねぇ。
大村正樹

記者とはいえ、持ち回りの当直があって生活の当番があるんですか?

ええ、そうです。
大村正樹

へぇ〜。「取材活動があるからダメだ」というのは許されないんですね。

それも取材なので。やっぱりああいう共同体ですと、自分の仕事ももちろん大切ですが、みんなで一緒に生きていくのが一番大事なので、誰かの仕事を手伝うとか当番制でやらなきゃいけない。学校でも掃除や給食当番があると思いますが、そういうことをきちんとやらないと狭い共同体では生きていけないんですね。
大村正樹

それは“小”のほうだけでなく、“大”のほうも?

“大”はためて持っていくんじゃなくて、トイレがある施設まで移動しなきゃダメなんです。だから出る時間を計算して(笑)、例えばギリギリまで我慢してたらもう間に合わない。
大村正樹

じゃあ、“大”はそこではできないんですね。

そうそう。5分位前に、出そうだなというのを感じて早めに行く。
大村正樹

はぁ〜。“不便だけどベンはある”ということですね。

ハハハ。ウマイこといいますね!
大村正樹

いや、おもしろい。あと、動物にはよく会うんですか?

動物はペンギン、アザラシ、あとはイルカ、クジラ。魚もたくさんいましたけれど、ペンギンは近づいたらダメなんです。
大村正樹

へぇ〜。

南極条約があって、ペンギンは5メートルより近づいたらいけない。アザラシは15メートル近づいちゃいけないという動植物を保護しようという目的で決まっているんですね。
大村正樹

ええ。

今回もいろいろな動物がいましたけれど、ペンギンには5メートル以内に近寄らないようにはしていますが、あっちから寄ってきたりする。ペンギンはあまり頭がいいと思わなかったんですけれど…人を見ると仲間だと思って寄ってくるんですね。


大村正樹

へぇ〜。

目の前ぐらいまで来て、何かあっち向いたりこっち向いたり、石につまずいて転んだりとか(笑)。動物園でペンギンとかアザラシを観ますけれど全然違いますよ。


大村正樹

ふ〜ん。

腹ばいですべったりとか、ペンギンが全速力で走ったりするんですね。海の中を飛ぶように泳いだり、アザラシがほえたり、やっぱり自然にいる状態での動物を観るのは飽きない。楽しいものですね。
大村正樹

いいなぁ〜。ちょっと科学のこともうかがったんですが、記者でありながら科学を感じる時ってあるんですよね。

そうですね。
大村正樹

記者になるのは大変でしたか?

そうですね。何をしたいかということを自分の中でしっかり持つ。新聞社の記者は森羅万象すべてのものを扱うので、これがやりたいというものを強くいって、きちんと手続きを踏みさえすれば、夢というかやりたいことができる仕事です。もし興味があるのなら、新聞記者はいろいろな所へ行けますからね。いろんな人にも会えますし。
大村正樹

極地にも行けるし。

そうそうそう。
大村正樹

うちの子どもが「新聞記者になりたい!」と何年も前からいってるんです。

そうですか。
大村正樹

「今の勉強の出来具合じゃダメだ」といってますけれど。いや、ほんとに興味深いお話でした。今日のサイコーは、共同通信社の澤野林太郎さんでした。ありがとうございました。

ありがとうございました。


大村正樹

ちょっと気になった話。ペンギンは南極では5メートル以内に近づいちゃいけない。アザラシは15メートル、国際条約で禁止されているという話で。でも南極の基地はその国その国ごとに区切られているわけで、じゃあ日本で「おまえら、5メートルに近づいた」とどうやってチクルとかになるのかなぁ?。そのへんは「まぁまぁまぁ…」という話になるのかなぁ?ちなみにこの条約に違反して罰せられた人はいるんだろうか? いろいろ考えちゃいましたけれど、そういう条約もあるんだね。いろんな発見があるもんですねぇ。 それではまた来週、夕方5時半に会いましょう。キッズのみんなも楽しい週末を。あっ、もうすぐワールドカップだ!