
キッズのみんな、こんばんは。サイエンステラーの大村正樹です。今週も東京浜松町にある秘密の科学研究所シークレットラボからお送りします「大村正樹のサイエンスキッズ」。さぁ、今日のテーマはゴミの問題。お食事の準備をしているお母さん、ごめんなさいね。ゴミはゴミでも、海のゴミ。イメージできますよね、海岸によくゴミって落ちてるじゃないですか。いわゆる漂着したゴミ。あのゴミがどういうところから来ているのか? お知らせの後、サイコーが驚くような話をしてくれま〜す。

さぁ、今週のサイコーは、エコ・パブリッシングの眞淳平さんです。こんばんは。
こんばんは。よろしくお願いします。

ジュンペイさんという名前、僕、大好きなの。うちの息子がジュンペイなんですよ。
そうなんですか。

ジュンペイという人に悪い人はいない! 眞淳平さんもいい人ですよね。
どうですかねぇ(笑)。でも、ありがとうございます(笑)。

ということで、眞さんは岩波ジュニア新書から『海はゴミ箱じゃない!』という本を出版されてます。この本の中には日本各地の海岸にたくさんのゴミが流れ着いているという、けっこうショッキングな写真が掲載されていますね。僕も海の汚れがすごく気になってたんですよ。
ええ。

「これ、どっから来たの?」とか、「こんなゴミ、誰が捨てるのか!?」とか、「これ捨てて、悪いと思わないのか!」といろいろ思うところもあるんですけれど…。眞さんはこういう海のゴミをクリーンアップするのがお仕事ですか?
私はライターなんですよ。私が一緒に本を作った人に、NPOで海のゴミをクリーンアップしている団体の人がいるんですね。それでいろいろ教えてもらって、これは大変なことだなぁと気がつきました。取材をしたり、実際にゴミのクリーンアップに参加してみて、「この本を書かなきゃいかん!」と思ったわけです。

やっぱり自分の目でご覧になった海の現状は相当のものですか?
そうですね、海岸にもよるんですが。日本中の海岸にいろいろ行って、非常にたくさんのゴミがある海岸もあって、それはビックリしますねぇ。

海岸に流木とか、あと明らかに人間が捨てたようなゴミがあるじゃないですか。あれって、そこに行って捨てたわけじゃないですよね。
違うんですよ。

やっぱり沖から流れ着いているとか。
ええ。

主にどこから来てるんですか?
これは私もすごくビックリしたんですが、だいたい7割から8割ぐらいが陸上から川を経由して1回海に流れ出して、それがまた浜辺に流れ着いてくるといわれてるんです。

ということは、海岸沿いに住んでいる人がポイポイ捨てたりとか、ドライブ中に捨てたとかのレベルではなくて、内陸部の人が捨てたものもあるということですか?
ええ、そちらのほうが大半です。

大半! 何割ぐらいが?
だいたい7〜8割ぐらいといわれてます。

隅田川とか神田川に捨てたゴミが、東京湾のどこかに漂着する可能性がある?
非常にたくさんあります。海に捨てただけではなくて、例えば川の近くにポイと捨てたものが風などで川の中に入って、それが…ということもある。だから、直接、川に捨てたものだけではないんです。

はぁ〜。
川原にあるゴミは、川に入る可能性がたくさんある。

それが大半で、分類としては川に捨てたゴミが何割、海に捨てたゴミが何割というデータはあるんですか?
大まかにいうと、川経由で海岸に流れ着くのがだいたい7〜8割ぐらいで。

えぇ〜、ほとんどだ!
そうなんですよ。残りが海岸で例えばバーベキューや花火をやったりして海の中に入っちゃったり、あるいは海の中で発生するゴミも少しはあるんですね。それは例えばギョモウとか海の漁で使っているものとか、若干ですが船から投棄されるようなゴミもある。

それはフェリーに乗っているお客さんとかですか?
そうですね。あるいは漁師の方がポイッと捨てたりとか、そういうのも若干はあります。

ギョモウとは何ですか?
魚網は、いわゆる網ですね。

あっ、漁師さんの網?
そうです、そうです。

そういうのも漂着するということですか?
場所によってはすごくありまして、長〜い網がもう海岸の砂の中にめり込んでいるのもある。

そういうのも漂着するということですか?
場所によってはすごくありまして、長〜い網がもう海岸の砂の中にめり込んでいるのもある。

漁師さんが意図的に捨ててるのか?
それはあまりないと思います。実際に網を仕掛けておくことが多いんですよ。そういう網が何かのきっかけではずれて漂っていて、また戻ってきたというのもあったりするんです。

なるほど。
けっこうな距離を流されてきて運ばれたというのもあるんですね。

へぇ〜。例えばその地方によって変わったゴミとか、変わったところから流れ着いたゴミもあるんですか?
ゴミはその場所によって、どこから流れ着くのか違ってくるんですね。

いわゆる潮流の流れによって違う?
ええ、本当にその通りです。例えば沖縄の西表島(イリオモテジマ)です。台湾の近くですけれど行ったことがありまして、ゴミがたくさんあるんですね。非常にきれいなところで夏にはたくさんの観光客が来ますが、風の位置によって、たまたま風が吹いてくるような場所にある海岸はゴミがいっぱい溜まるんですよ。

ほぉ〜。
そのゴミがどこから来るのかというと、やっぱり場所柄だと思うんですが、大陸のほう、中国とか韓国、あるいは東南アジアのほうから流れてきたゴミが非常にたくさんある。ただ、日本からも流れ出ていって、ハワイであるとか太平洋上のいろいろな島で見つかっているゴミはいっぱいあるんです。

えぇ〜、ハワイごめんなさ〜い!
問題になっているのも少しあって、冬になるとたくさんの液体の入ったかなり大きなプラスチック製のボトルが流れ着いたりすることがあるんです。

ええ。
その中に酸性の劇薬とか入ってたりすることがあって、たぶん工場とかで使ったんじゃないかといわれてるんですけれど。そういうのがたくさんあって、何年も続けて数万個とか数千個単位で流れ着いて来てるんですね。

それは外国からですか?
ほぼ韓国じゃないかといわれてます。どういうルートで流れ着いてきたのかは、詳しくはわからない。ただその中に危険な劇薬が入っている時もあるので、ちょっと注意をしなければいけないということで、日本の政府から向こうの政府に対して申し入れをしたこともあるんです。

ちびっ子たちがちょっと手につけちゃったりとか、散歩中のワンちゃんがなめちゃったりする可能性もあるわけですよね。
そうですね。そういうボトルは開けるとまずいというのはありますね。

じゃあ、もう漂流物にむやみに手を出しちゃいけないということですね。
う〜ん、そうですね。まぁ拾いたいところではあるんですけれど、注意はしながらという感じでしょうね。

掃除をする人はボランティアでよくニュースなどで観ますが、年間どれぐらいのゴミが日本の海岸にあるんですか?
いろいろな試算があるんですが、少ない量でいうと1年間にだいたい2万6千トン。多いのでいうとその10倍ぐらいとか。

26万トン?
25万トンぐらい、あるいはもう少し多いんじゃないかという試算もあるんですが、その範囲でたくさん流れてきているといわれている。だいたい25万トンというと、東京23区で1ヵ月に出すゴミと同じぐらいなんですよ。

へぇ〜。23区の飲食店も含めて1ヵ月に出るゴミが、日本中の海岸に漂着している。
その通りです。やっぱり海に直接捨てるだけじゃなくて、川を経由して1回海に流れ出して、それから来たというのが多い。

「こんなものが海に!」という、変わったものはありますか?
そうですね。たくさんありますねぇ。使い捨てライターとかけっこう多いんですよ。

へぇ〜。どうしてだろう? 川に捨てたりとか?
そうですね。あるいは川の近くにビニール袋でポイっと捨てちゃう人がいて、風で飛ばされて中のものが出ちゃったというケースがたくさんあるんじゃないかと思います。

酔っ払って川の橋の上でタバコを吸うオヤジがライターを落っことしちゃって、河口から海に戻って海岸に漂着したとか、そんなパターンですかねぇ?
そうですね、そればっかりじゃないと思いますけれど(笑)。そういうのも若干はあるんじゃないかと思いますねぇ。

けっこう、日常の生活でタバコ、ライターね。今月はタバコの大幅値上げもニュースになったりしてるから、今一度タバコの害を考えさせる結末になったけれど。
ハハハ。

眞さん、ちょっと番組、短いんですよ。
もう終わりですか?

来週は、非常に興味深い「このゴミが与える海の生態系への影響」という話も聞いていきたいんですが、よろしいですか?
よろしくお願いします。

今週のサイコーは、エコ・パブリッシングの眞淳平さんでした。ありがとうございました。
ありがとうございました。

眞さんによると、その他にも最近はガラスの破片とか危険なものも海岸にあるということなのね。ガラスの破片なんて重いものだから海の底に沈んじゃうかなと思ったら、そうじゃなくて波の力によって海岸に打ち寄せられるということで、いろいろなゴミがあるんだねぇ。みんな、どうだったでしょうか?考えさせられた?僕、結構考えちゃった。それでは、また来週も夕方5時半に会いましょう。キッズのみんなも楽しい週末を。バイバイ!