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「車のハイテク事情」(2)
コーチャー/高根英幸(タカネヒデユキ)さん(自動車ライター)
大村正樹&高根英幸

大村正樹

キッズのみんな、こんばんは。サイエンステラーの大村正樹です。今週も東京浜松町にある秘密の科学研究所シークレットラボからお送りします「大村正樹のサイエンスキッズ」。さぁ、今週も車を取り上げます。お父さんが運転している車、君の家の車はどんなハイテクがあるんだろうかと考えながら今日は聴いてもらいたいなぁと思ってます。お知らせの後、サイコーの登場で〜す。


大村正樹

今週のサイコーも、自動車ライターの高根英幸さんです。こんばんは。

こんばんは。


大村正樹

高根さんは、ソフトバンククリエイティブから『カラー図解でわかるクルマのハイテク』という本を出されています。この本の中にいろいろな車のハイテク、「クルマは熱い!」という帯がついてますけれど、ハイテクについて先週うかがいました。本の中で「ナイトビジョン」という項目があります。これは何ですか?

最近の車はヘッドライトが明るくなってるんですよ。


大村正樹

明るい、明るい。青白く明るいです。

とっても明るいのですが、その反面、人間の目は照らしてないところをとても暗く感じてしまう。


大村正樹

ほぉ〜。

それをカバーするために人間の目に見えない赤外線を放射して、動物や人間はそれに反応しますよね。


大村正樹

はい。

それで感知したものをダッシュボードのモニターに表示して、「人間が歩いてますよ」とか「動物がいますよ」というのを暗闇の中でも早めに教えてくれるシステムです。


大村正樹

へぇ〜。前を見ながらモニターも交互に見なくちゃいけないので、うっかりモニターを見てる間に前に変なのが来たらどうするんですか。大丈夫ですか?

視界の隅にわかるように、当然クローズアップして注意を喚起するようなものになってますから。モニターを凝視しないとわからないことはないようにしてます。


大村正樹

何メートルぐらい先までわかるんですか?

ごめんなさい…。


大村正樹

ナイトビジョンは国産車についているものもある?

そうです。


大村正樹

あと「飲酒運転防止装置」、これは何ですか?

これはまだ搭載されている車はないんですが、実験中のシステムです。いわゆるお酒を飲んだら運転してはいけないことは誰もがわかってると思うのですが、実際飲んだ方は気が大きくなっちゃって、「まぁいいだろう」ということになりかねない。そうならないために、実際にシートのあちこち、手で触る部分などにアルコールを検知するセンサーをつけて、アルコールを検知するとエンジンがかからなくなるようなシステムを自動車メーカーが開発しています。


大村正樹

ニュースで観ましたよ。でも、さっきのナイトビジョンにしてもオプションでいくらかお金を払ってつけてもらうわけですよね。

高級車の場合は、グレードによってついている車とかいろいろありますけれど。


大村正樹

飲酒運転防止装置をオプションにしたら誰もつけないと思いますよ。

難しいところですねぇ(笑)。


大村正樹

そんなものをつけるヤツは車を運転する資格がないから(笑)。タクシーとかバスとか、前の日にドライバーの方がいっぱい飲んでしまっている時などありますから、そういう車には必要かもしれませんね。

営業車によって今、実験されてますね。


大村正樹

なるほど、へぇ〜。「高速道路逆走防止システム」って何ですか?

ドライバーも高齢者が多くなったので、高速道路の逆走による事故が増えているんです。


大村正樹

あります。

それを防止するためにいろいろな方法を考えている中のひとつですが、カーナビゲーションで車の進行方向がわかりますよね、少しずつ走れば。


大村正樹

ええ。

それによって、それまで走ってきた進路から逆走していると判断すれば、逆走をドライバーに促したり、道路上のテレビカメラで反対車線なのに近づいてくる車がいると、逆走をほかの車に電光表示板などで教えたりとか、そういうシステムが今考えられてます。


大村正樹

まだ実用化されてないですか?

そうですね。


大村正樹

これもオプションだったら…。年齢制限で、ある程度もみじマークドライバーの人には必要ですよとか、強制的にやったほうがいいかもしれないですね。

今、高齢者ドライバーは運転講習がありますけれど、そういう装備の強制はないですから、将来的には標準装備になってもいいじゃないですか。


大村正樹

そうそう。だったらいいですよ。チョイスするようではダメということですよね。これはシステムとしたら、やっぱりお金がかかるわけですよね。

当然かかりますねぇ。


大村正樹

国もそのあたりの補助金を何とかしてくれたらいいんですけれど。あとは、「鳥の視点で車を確認」、これはどういうことですか?

カーナビゲーションの地図画面は平面状になっている車が多いんですが、その場合、自分がどういう方向に走っているかわからなくなる方が多いんですよ。


大村正樹

へぇ〜。僕は平面のほうが好きです。

それは好き好きでいろいろ調整して設定することができると思うんですが、北が上であるとわかりやすい方もいれば、自分の進行方向が上がわかる方もいます。自分が見てる景色と同じように立体的に見えたほうがわかりやすい場合もありますよね。


大村正樹

カーナビね、確かに、確かに。今、カーナビはそういうのがありますよね。

これはかなり昔からあるものですけれど。


大村正樹

なるほど。鳥の視点というと、最近ギアをバックにいれたら車の周辺の障害物が見えるんですよ、僕の車。ハイテクですよね?

そうですね。


大村正樹

これは何という?

アラウンドモニターという。


大村正樹

僕もカーナビのお金は奮発したのでついたと思うんですけれど、けっこう最近の車は多いですか?

まだ導入されているのは一部の車で、特にミニバンなど視界の悪い車が多いと思うのですが。


大村正樹

なるほど。これはどういう技術ですかねぇ。何であんなふうに見えるのですか?

これは車の四隅についているカメラから撮った視界を、コンピュータで視点変換をして、あたかも真上から見下ろしているように画面を見せてるんですね。


大村正樹

コンピュータでやっている。

まるでミニカーをあやつるように、上から見て操作できますよね。


大村正樹

ほんとに夜でもきれいに見えるし、女性も相当に便利だと思いますよ、車庫入れの時なども。

車庫入れに関してはいろいろな技術がありますけれど、これはかなり見やすいものだと思います。


大村正樹

こういった運転をサポートする技術は、日本の車は相当進んでいますか?

そうですね。


大村正樹

例えば、ほかにどんなものがありますか?

車庫入れに関しては、もうステアリング操作まで自動で行なってくれる車もあります。


大村正樹

えぇ〜、すごい! どうやってそれがわかるんですか?

これは最初に車を止める位置を認識させて、そこからまた進んだところからボタンを押すと自動的に車を下げていってステアリングを切って修正して車庫にしまってくれる。


大村正樹

すごい! 縦列駐車が苦手な人も多いと思うんですが、そのあたりもアシストしてくれる機能もあるんですか?

縦列駐車に関しては、アラウンドモニターのほうが使いやすいと思います。


大村正樹

なるほど。その車庫入れはすごいですねぇ。それで万が一、車をこすっちゃったら、メーカーに補償を求めてもいいんですかねぇ。

難しいところですねぇ(笑)。


大村正樹

僕はやっぱりダメなの。ハイテクを期待はしてるのだけれど、やっぱり「まだまだ自分でできるぞ」という意識もあるから。結果的に運転するのは人間なんで、ちょっと頼りすぎるのもよくないなと思ってるんですよ。

同感です! まさにその通りです。


大村正樹

ですよね。車のメーカーがハイテクを用意してくれるのはありがたいのですが、あくまでも技術の一環として甘えて、ベッタリしてはいけないなと思ってるんですよね。

運転を楽しむという気持ちも大事だと思うんです。最終的に自動運転になってしまったら、便利ですけど面白くないですよね。


大村正樹

そうですよねぇ。"あやつる"という喜びがないとね。そうなんですよね。高根さんは自動車ライターをやってらして、ちなみに何年ぐらい車好きをやってらっしゃるんですか?

車好きはもの心がついた頃からですから、もうウン十年になります(笑)。


大村正樹

最近、僕の仕事場の20代の若者たちは、車にあまり興味がないんですよ。車の雑誌が売れてないじゃないですか。

そうなんですよ。


大村正樹

すごい、僕は切ないと思ってるんですけれど。今ラジオを聴いてくれてるキッズたちは、きちんと車に対して想いがあってくれるんですかねぇ。

どうなんですかねぇ。


大村正樹

やっぱり車は少年時代の憧れなんですよ。夢は持ってもらいたいなぁ。楽しかったぁ。すみません、僕ひとりで興奮してしまいました!

はい。


大村正樹

今週のサイコーは、自動車ライターの高根英幸さんでした。ありがとうございました。

ありがとうございました。


大村正樹

エンディングはキッズのみんなもさることながら、ハンドルを握るお父さん方にも共有してもらいたいんですけれどね。お父さんの世代って車が好きだったですよね。だけれど仕事を一緒にやってる若い人って、車に対する興味が最近薄くないですかねぇ。僕の周りはそうなんですよ。ということで、お子さんはやっぱり車好きにしたいと思いませんか? 日本の自動車産業はすごく頑張ってるし、応援するためにはハンドルを握る人の数が増えなくてはいけないわけで、僕も自分の子どもにはぜひ車を好きになってもらいたいし、安全運転も教えていきたいと思っています。オヤジたち、車好きでいようじゃありませんか! キッズのみんなもどうだったでしょうか?それでは、来週も夕方5時半に会いましょう。キッズのみんなも楽しい週末を。じゃあね!