
キッズのみんな、こんばんは。サイエンステラーの大村正樹です。今週も東京浜松町にある秘密の科学研究所シークレットラボからお送りします「大村正樹のサイエンスキッズ」。さぁ、今週もネコを取り上げます。ネコ好きのキッズは、ますますネコが好きになってくれるかなと思っているんですけれど。僕も先週の放送でけっこうイヌ派からネコ派にシフトしちゃったかなという感じです。ということでお知らせの後、日本一ネコに詳しいサイコーの登場です。

今週のサイコーも作家の加藤由子さんです。こんばんは。
こんばんは。よろしくお願いします。

またネコの話をうかがいたいんですけれど。僕、あれから思ったのが、ネコを飼いたくてペットショップに行ってみたら、ネコとイヌの目を比べるとネコの目は澄んでいて、じっくり見ることができるわけです。ネコって視線が安定している。イヌはキョロキョロキョロキョロしてるんで、ネコを見るとちょっと「私を飼ってよ」とアピールしてる感じがするんですけれど。
実際にそうやって、本当にそういうふうに見えてるのかどうか疑問ですけれど…。

ネコって、目は見えている?
見えているのですけれど、あまり眼球を動かさないでしょ。

はい。
目が大きいせいじゃないですか。あまりネコの三白眼って見たことないでしょ(笑)。

うん。
目が大きいから、そんなに右左右左と眼球を動かしてないのは確かですね。

動かさない。吸い込まれそうになりましたもの。
きれいな色をしてますからねぇ。

そう。瞳孔とか魅入っちゃいましたもの。
瞳孔というのは、真っ黒なところですね。

そう。
色のついた青い目とか、あそこは虹彩ですよ。

あれは虹彩っていうんですか?
私たちの黒目の部分ですよ。

そうか、見たのは瞳孔じゃなくて虹彩だ。何かカラーコンタクトが入っているような。
そうそう(笑)。ただねぇ、みんなああやってネコを飼おうと思って行ったら、「じっと見た。アイコンタクトがあった。この子だわ!」といって、それを買ってくる。そういう買い方は、私はしないほうがいいと思いますよ。

人間の勝手なエゴなんですかねぇ(笑)。
う〜ん。やっぱりネコを飼うのなら、きちんと前準備をしてどういうネコを飼うのか考えてからのほうがいいです。何かあった時にどうするのか、というのがありますからね。

なるほど。わかりました。ネコに関していろいろイメージしたら、ネコに関する迷信で「ネコが顔を洗うと雨」っていいますよねぇ。
ありますね。

ネコって顔を洗うんですか?
のべつまくなしに洗ってますよ。

えぇ〜! 本当に?
うん。

ネコが顔を洗うのが珍しいことだから、昔の人が「だから雨だ」といったんじゃないんですか?
うちの母は、また出てくるようですが「顔を洗う時に耳を越したら晴れ」といってましたよ(笑)。

ハハハハ、ちょっと待って。ネコが顔を洗う時って前足で洗うんですか?
そうです。こうやって…。

招き猫のポーズで?
そう。その時に、耳の後ろまで前足が行く時と行かない時がある。

あの動きか。
「耳を越したら晴れになる」とうちの母は子どもの頃、いってましたねぇ。

耳の後ろから顔面にかけて洗ったら晴れ。顔の正面だけだったら雨。
-
ウソだと思いますけどねぇ(笑)。

ウソ?(笑)
-
ただそういっているだけで、のべつまくなしに洗ってるんですから。

あぁ。
-
基本的には、ネコって体もよくなめるでしょう。

はい、はい。
-
自分のにおいを取ろうとしてるんですよ。何しろなめて。

体臭を取るんですか?
-
そう。

へぇ〜。
-
だって、待ち伏せ型の動物ですよ。獣臭がしたら、待ち伏せできないじゃありませんか。

あぁ〜。
-
ほら、山を歩いていて、ここタヌキが通ったと思うことありませんか? そんなところは通ったことない?

獣臭ですね。わかる、わかる。
-
そんなのあったら、獲物がみんな逃げちゃうでしょ。ネコはにおいがしない存在でいたいんですよ。

ネコの舌って、水分で洗い流しているのか、何で?
-
それは、ネコが顔を洗う時によく見ていると、要するに最初に洗ってからなめるのか? これだったら汚れを取って、手についた汚れをなめとっているとなりますよね。

はい。
-
最初になめてから洗うのか? これだと手をぬらして拭いてるということになりますよね。私、見てみたことがあるんです。必ずなめてから拭く。

ということは…。
-
水分をつけて洗って、最後はなめて終わるんです。だからぬらして拭いて、汚れをなめとっている。

肉球にツバをつけて顔を洗って、それでまたなめとる。
-
だから顔を洗うのはどういう時に洗うかというと、ご飯を食べた後ですよ。

ほぉ〜。
-
食事が終わった後に、まずどこから洗うか。まず口の周りを舌でなめる。それから手をなめて、ヒゲをしごく。

はい。
-
キャットフードだと汚れませんが、獲物をとって食べたとしたら、このへん血だらけになっちゃうでしょ。

ええ。
-
だから口の周りはなめ、それからヒゲをまず洗うんですよ。

洗う時って水でも洗うんですか?
-
だから、なめた…。

なめたツバで洗うということですよね。
-
そう。

だけど食べた後だったら、そこに汚いツバがついてないですか?
-
う〜ん、ついてないんでしょうねぇ。

そうなんですか(笑)、へぇ〜。獲物を食べて血の混じったツバにならないのかなぁ?
-
それはしっかり飲み込んで(笑)。

それで新しい唾液を出して(笑)。すみません、素朴なこと聞いちゃって。
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ヒゲをきれいにした後、だんだん顔になり…。

へぇ〜。
-
顔が終わると体をなめ。なめるのは一種のスキンシップなんですよ。

へぇ〜。
-
私たちがなでてやってるのと同じことを自分にやっている。

はい。
-
なめ終わった後って、絶対寝ちゃう。

自分で満足して?
-
気持ちよ〜くなって。あん摩してもらった後みたいになっちゃうんじゃないですか。

へぇ〜。今、ヒゲの話があったんですけど、子どもの時に、ネコはヒゲの幅のあるところは全部通れると聞いたんですが?
-
ウソだと思います。

ウソ! えぇ〜、どうしてですか?
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私が子どもの頃に読んだ本には、ネコのヒゲは目の上にもあるんですよ。ほっぺたにもある。そのヒゲの先端部をつなげると、ネコを正面から見た時の体の大きさと同じになる。

はい。
-
それは確かにほぼなるんですよ。

ふ〜ん。
-
それが通るところは、自分の体も通ることになりますよね。そのヒゲで測りながら通ると書いてあって、ずーっと信じてたんですが、測ってるネコ見たことないじゃありませんか?

確かに。それは野生の勘でじゃないんですか?
-
そういうところを通る時って、ネコは大急ぎで走り抜けているわけですから測っている暇なんかあるわけない。

そうだ、そうだ(笑)。
-
ただヒゲの先は、私たちの髪の毛と一緒です。私たちの髪の毛って神経はないけれど、先っちょに触るとわかりますよね。

はい。
-
あれと同じようなアンテナですから、何かに触ったというので、若干の自分の体の位置を補正するのをやってるだろうと思いますね。

ふ〜ん。
-
走りながら右側のヒゲが触ったら体を左側にちょっとずらす、みたいなことはやっているだろうと思います。よくうちの母がネコと遊んでいる時、爪切りでネコのヒゲを全部切っていたんですよ。でも、その頃のネコってみんな放し飼いでちゃんと死なずに帰ってきてましたから。

爪切りでヒゲを切ってたんですか(笑)? ネコからしたら「大きなお世話」と思ったけれど、でもその幅は物差しにはしてなかったということですね。
-
ということになりますね。

よく東京でも下町を歩いていると、ネコ用に何かペットボトルを置いたりとか、CDとか…。
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キラキラと。

そのへんでネコってかわいそうかなとずっと思っているんですけれど、ネコには効果があるのですかねぇ?
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ない。

全くない?
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たぶん。すぐ慣れちゃうと思いますよ。ただあれだけネコに入ってこないで欲しいと思ってる人がいるってことですよね。

はい。
-
だから、大して効果はないけれども、ネコに入ってきて欲しくないというアピールだと、私たちネコ好きはあれを取るべきだろうと思うんですよ。

う〜ん。
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やっぱり放し飼いは時代に合わないと思いますね。ネコは自由に歩き回る動物だという人がいるんです。だから室内飼いはかわいそうだと。でも、どこか散歩したがる動物ではないんですよ。家の中にトイレといい昼寝場所をつくってあげれば、家の中で十分楽しく幸せに暮らせる動物だと思いますよ。

ネコの身になってみると、別に家の中に置かれるのは迷惑じゃないということ?
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楽チンでしょうがないという感じだと思いますけれど。

そうか。ペットとしてのネコは十分"あり"ということですね。
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もう現代のいいペットですね。

わかりました。2週にわたって話を聞いて、これまで「イヌを飼いたい」という人はいたかもしれないけれど、「あれっ、ネコいいんじゃない!」と思った人いるかもしれない。
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ぜひ飼ってください!

ねぇ、加藤さん。
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いいペットです。

2週にわたって話をうかがいました。ネコにたいへん詳しい作家の加藤由子さんでした。ありがとうございました。
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ありがとうございました。

確かにネコにまつわる日本語っていろいろあって、迷信とか「猫舌」という言葉とか。イヌも「犬も歩けば棒にあたる」という言葉もあるけど、やっぱり日本人にとってイヌとかネコは、古来から身近な動物だったんだろうなぁ。みんな、あらためてネコのこと詳しく知るいいきっかけになったのではないかと思います。実は今日の放送で番組は225回目、2月26日に225回目だったのね。あと1回どこかで放送しとけば、2・26に226回目という…。1000回目指して頑張るぞ!それでは、また来週も夕方5時半に会いましょう。キッズのみんなも楽しい週末を。バイバイ!