
キッズのみんな、こんばんは。サイエンステラーの大村正樹です。今週も東京浜松町にある秘密の科学研究所シークレットラボからお送りします「大村正樹のサイエンスキッズ」。今回も星を取り上げます。先週は、サイコーが番組の終わりに星座の話をしてくれました。星座って、何個あるか知ってましたか? 有名な星占いの12の星座以外に、いろいろな星座を聞いたことがありますけれど、だいたいどれぐらいの星座があるんでしょうかね? お知らせの後、サイコーに聞いちゃうよ。

今週のサイコーも、星に最も詳しいといわれている博物館学芸員の駒井仁南子さんです。1億4千万個の星を語れちゃうという方です。こんばんは。
こんばんは。そこまでは…(笑)。

駒井さんは20年ほど前からプラネタリウム業務に携わってらして、現在は各地の科学館やプラネタリウムで解説などをされていらっしゃるということです。ところで、星座って何個あるんですか?
全部で88個あります。

意外に少ない。もっとあるかと思った。
1930年に整理をされて88個になりました。

その前はもっといっぱいあったんですか?
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世界によってバラバラだったんですが1930年に88個に整理され、それ以来どの星も必ずどこかの星座にわけられるようになりました。

じゃあ、世田谷のプラネタリウムにある1億4千万個の星は、88の星座の中のどこかに分類されるんですか?
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はい。

えっ、天空の星、数多ある星は全部88の星座ごとにわけられるんですか?
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星座というのは、区画のことなんですね。

へぇ〜。
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絵のほうが有名ですけれど、実は区画のことです。さそり座はS字の釣り針のような形をしてるんですが、区画でいうともうちょっと周りの星も含まれます。

さそり座は釣り針みたいなシッポがあって特徴的ですが、あくまでもサソリのかたどりで、さそり座の区画はもうちょっと広いんですか?
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はい。

ほんとは、サソリの形をしてないんですか?
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はい(笑)。

そうなの、知らなかったです(笑)。
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夢をこわしますかねぇ(笑)。

イメージ、イメージ。
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はい。

つまり、みんなが住んでいる家やマンションは住まいで区画分けされているけれど、その中にさそり座が含まれているだけで、土地の区画みたいに空は88の区画にわかれているということですね。
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はい。人がわけました。

で、星座の名前こそついていて、それは区画の中にそれっぽい形が含まれているということですね。
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はい。例えば、ペガスス座のお腹にアルフェラッツという星がありますが、ペガススは天馬=ペガススで馬です。アルフェラッツは馬のおへそという名前の星で、そこが隣のアンドロメダ姫の頭の星だったんですね。

ええ。
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ちょうどペガススのお腹が四角になっているので、その四角がくずれてしまっても困るし、アルフェラッツは馬のおへそだからペガスス座の星にしようって。でもお姫様の頭の星がなくなってしまったらかわいそうなので、アンドロメダ座の星にしようと…。区画をわける時にけっこう人情味あふれる会議もされたらしいんですね。そして結局アンドロメダの頭の星になりました。

ロマンチックすぎて全くついていけなかったんですけれど(笑)。
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ハハハハ。

アンドロメダというと僕は『銀河鉄道999』派なので宇宙の果てというイメージですが、実際アンドロメダは今のぺガサス座の中に含まれているということですね。
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はい。星座の名前はペガスス座といいます。

アンドロメダは一番遠いところというイメージではなくて、ペガスス座の中に含まれいる?
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ごめんなさい。そうではなくて、ペガススのおへその星がアンドロメダ姫の頭で、そこからアンドロメダ座になります。で、アルフェラッツが馬のおへそなので馬の星座に含めようとしてたけれど、でもお姫様の頭なのでそこは区切って、四角の内の3つがペガススの星で、1つだけがアンドロメダの星になりました。

いわゆる飛び地というのがあるんですね。
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そうです。

やっとわかりました。
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説明不足ですみません。

いえいえ。イメージできました。
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今おっしゃっていたのはアンドロメダ銀河のことだと思いますが、それがアンドロメダ座のところに見えるアンドロメダ銀河で、隣の銀河です。

やっぱりそうですね。
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はい。

だけれど、そのペガスス座のアンドロメダ座の飛び地のところにアンドロメダは含まれていて、星座の区切りの中ではアンドロメダ銀河は別世界だけれど、空の88の区分の内の1つには入ってくるわけですね。
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そうですね。区画の中でいうとアンドロメダのところです。

わかりました。
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肉眼でも見えます。

肉眼で見えるんですか、アンドロメダも?
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はい。北海道なら絶対に見えます。

そうですか。戻って見たいと思います。
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札幌だと難しいかもしれない。

大丈夫です。ちょっと離れれば、いくらでも星を見ることができます。
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うらやましいです。

88の星座があって、有名なホロスコープの12の星座があるじゃないですか。じゃあ、残り76か、変わった星座はありますか?
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南半球になるとカメレオン座と、近くにはエサになる、はえ座というのがあります。

ハハハ。イヤだ、はえ座に入っちゃうと(笑)。「俺、はえ座。イヤだ!」と思っていると思いますよ、星だって。「ふざけんなよ」って(笑)。
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アハハハ。

勝手に人間が決めているわけですよねぇ。
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はい(笑)。

でも、はえ座って、どんな星座なんですか?
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小さい星座です。

でも、ハエって人間のイメージでしょ。
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はい。

向こうは向こうで、「テントウムシ座とか、ちょっとかわいらしいのをつけろよ」と思うじゃないですか。
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はい(笑)。

あっ、昔、けんびきょう座というのを見たことがあります。まだありますか?
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あります。

「何だよ、それ?」と思ったんですが、何の形ですか?
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道具ですね。「顕微鏡の形に何とかつなげられるかなぁ」という感じですけれど。大航海時代に北半球で最初に星座がつくられて、南半球に進出した時に新しいものがどんどんつくられていったので、そういった道具のような新しい星座は、航海時代以降につくられた星座が多いです。

バスコ・ダ・ガマなんですね。
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マゼランとか。

そうなんですか。だから、そういう羅針盤的な…。らしんばん座というのはあるんですか?
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あります。詳しいですね。

実は子どものときにプラネタリウムに行ったんですが、駒井さんみたいな学芸員のお姉さんが「この星、何に見えますか?」といって聞いてきたんですね。そして、強引にプラネタリウムが羅針盤の絵をはめ込んだんですよ。
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はい。

僕は生意気な子どもだったので、羅針盤なんてよく知らないのに、「そんなのイヤだ!とけい座とかあるじゃないですか!」とくってかかった気がします。だから覚えていたんですね。
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自由でいいですよね(笑)。

そんなお客がいたら、やりづらいですよね。
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でも、楽しいです。

そうですかぁ。ところで、今年は皆既月食があったじゃないですか。
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はい。

今度は、金環食がありますよね。
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日食ですね。5月21日にあります。

次はしばらくないんですよね。
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しばらくないです。

皆既日食もしばらくないですよね。
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はい。

今年見られる天体ショーは、何かありますか?
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ちょっとマニアックかもしれないですが、6月6日に金星が太陽の前を通過するという現象があります。

すばらしい! 興味深いですねぇ。
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そうですか。

どんなふうに見ればいいですか?
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日食グラスを使ってください。

金星の通過、何時頃ですか?
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午前7時9分から1時48分です。前回が8年前で、次回は105年後になります。

えっ! 今回6月6日を逃がすと105年後?
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はい。

じゃあ、私、150歳まで生きなきゃ見られないということか…。
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ちょっとマニアックかもしれないですね。

金星の通過は7時9分から1時過ぎ、6時間あるということ?
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はい、そうです。ゆっくり楽しめますね。あと、もうちょっとマニアックでないもので、皆既月食が2014年の10月8日にあります。

皆既月食、またあるんですか?
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はい。2014年ですね。

去年の暮れにあったけれど、2年後の2014年にもあるんですね。
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はい。部分月食が今年の6月4日ですね。

わかりました。けっこう楽しみですね。よし、これを目標に生きよう!
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アハハハハ。

もう時間ですね。ありがとうございました。いつか駒井さんが説明するプラネタリウムにおじゃまさせてください。
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よろしくお願いいたします。

今週のサイコーは、博物館学芸員の駒井仁南子さんでした。ありがとうございました。
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ありがとうございました。

星座は88ある。そのほかにも、駒井さんいわく「人工衛星なども見えますよ」という。国際宇宙ステーションが見えるんだって。本当に見えたら、そこに人がいるわけでしょ。夢がふくらみますよね。JAXAのホームページで調べられるということです。本当に天体観測は、夢が尽きません。それでは、来週もまた夕方5時半に会いましょう。星を見て、みんな風邪をひかないでね。じゃあね!