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「22世紀の予言アイデア」(1)
コーチャー/木村政司(きむらまさし)さん(日本大学藝術学部教授)
大村正樹&木村政司

大村正樹

キッズのみんな、こんにちは。サイエンステラーの大村正樹です。今週も東京浜松町にある秘密の科学研究所シークレットラボからお送りします「大村正樹のサイエンスキッズ」。 さぁ、今日は七夕です。短冊用意した?願いごと書いたかなぁ。大村さんの願いごとは、この番組ずっとやってたいんです。ほんとにねぇ、かれこれ6年やってるといろんな人にお会いして、いろんな知識が身についてとても勉強になってます。みんなも一緒に勉強してね! みんなは、22世紀のことはなかなか考えないでしょ。20年ぐらい前は「21世紀がやってくる!」って世紀末に盛り上がることもあったんだけれど、今は21世紀はじまって間もないから、まだ22世紀ってピンと来ないかもしれないね。 それでは、今回は未来を予言しちゃおうという「22世紀の予言アイデアコンクール」についてです。お知らせの後、サイコーに登場してもらいます。


大村正樹

今週のサイコーは、日本大学藝術学部教授の木村政司さんです。こんにちは。

こんにちは。


大村正樹

いわゆる日芸(ニチゲイ)と呼ばれる大学の先生ですね。

はい。


大村正樹

先生は、全国小学生対象「22世紀の予言アイデアコンクール」の作文を募集している主催者ということですね。22世紀って、まだあと88年後ですよねぇ。

そうですね。


大村正樹

その88年後の作文を今の子どもたちに書いてもらうというコンクールだそうですが、これはどういう趣旨ですか?

まず小学生を対象にしたことが一番の目玉です。100年後の未来、88年後の未来、科学の力でこんなふうに世の中が変わったらいいなぁということをテーマにしているわけですが、小学生が想像する世界はものすごく自由で奇想天外なアイデアを出してくるんですね。そういうアイデアを大人たちや科学者にアピールしたいなと思ったのがきっかけです。


大村正樹

番組の時間が短いので、突拍子もないキッズの作文をいくつか私が読みます。ラジオの前のキッズたちもちょっとイメージしてみてください。まずは一昨年に1回目のコンテストがあったんですね。

はい。


大村正樹

2年前の最優秀賞、東慧紀(ひがしさとき)さん。受賞当時は小学校3年生だったという男の子ですねぇ。最優秀賞を読みますよ、「ぼくのゴミへらし計画」。 「『だんご虫は、なんでも食べるんだ』。ぼくは、おばあちゃんに買ってもらった本を読んで、コンクリートや石や食べ物のかす、かれ葉など、色々な物を食べるおそうじやさんなんだとびっくりしました。ぼくはその時おもいつきました。それは『だんご虫きょ大化計画だ』。理由は、今地球ではリサイクルできる物とできない物があって、リサイクルできない物を大きくしただんご虫に食べてもらったら、地球はどのわく星よりもきれいになると思いました。たとえば地しんの時に出るたくさんのゴミをだんご虫に食べてもらおう。すると、だんご虫はうんちをします。そのうんちが土になり、その土で植物を植え、できた野菜や果物を人間が食べます。そこで出たゴミをだんご虫が食べるというサイクルができると、食料不足もなくなるかな。ぼくはしょう来医者になろうと思っているけど、だんご虫をきょ大化する研究もしたいな」。−これ、すごいですねぇ。小学校3年生が第1回の最優秀賞。

そうですね。


大村正樹

木村先生はどんなところにひかれたんでしょうか?

まず、だんご虫は正式にはオカダンゴムシというんですが、ごく普通の虫の役割を科学的に調べてウンチでリサイクルすることとか、リサイクルでできた土で食糧不足を解消するアイデアにつなげたことがものすごいなと思いました。


大村正樹

はい。

普通はカッコいいクワガタやカブトムシがヒーローになりますけど、ダンゴムシをヒーローにしたところがすごい。それから、何といってもダンゴムシを巨大化させる研究をしたいという東君の夢にしびれましたね。


大村正樹

結局キッズたちの目から、ダンゴムシは何でも食べるという特性に目をつけたということですよね。

そうですね。


大村正樹

実際、ダンゴムシのフンはけっこう転がっているじゃないですか。ミミズのフンとかダンゴムシのフン。

ええ。


大村正樹

ああいうものは肥料になるといわれてますよね。

そうですね。


大村正樹

あるかもしれませんねぇ。

そうですね。食べたものが100パーセント肥料になってしまうわけですから。


大村正樹

100年後…。さぁ、もう1作品を紹介します。優秀賞、西山能生(にしやまよしき)さん、受賞当時は小学校4年生だったということです。「えき体うちゅう服」。 「ぼくは、えき体うちゅう服を考えました。うちゅう船から出る前に、ゆかから大きなシャボン玉のように出てくるえき体うちゅう服につつまれてから、うちゅう船の外に出ます。すると、うちゅう空間でもいきができて、うちゅう放しゃ線も中に入ってきません。そのうちゅう服になるえき体のせい分は、木が二さん化たんそをすってさんそを出すぶっしつをえき体にした物と、水とゼラチンをまぜた物でできています。なぜえき体がいいかというと、大きなシャボン玉の中に入るようにいっしゅんで着れることと、使わない時はタンクにためておいたら場所をとらないからです。木が二さん化たんそをすってさんそを出すぶっしつをえき体にした物を入れたのは、いきをするたびにさんそが使えて何時間でもうちゅうにいられるからです。うちゅう船にもどったら、えき体うちゅう服はゆかにすいこまれるしくみです」。−かなり具体的な表現ですねぇ。読みながら浮かんできましたよ。

そうですね。


大村正樹

先生はどんなところにひかれたんでしょうか?

これは何といっても窮屈でない宇宙服を想像していることと、きれいですよね。きれいな宇宙服、それから自由自在な宇宙服。ここに書いてある通り、酸素切れの心配はない宇宙服だと思います。


大村正樹

はい。

それと二酸化炭素を吸って酸素を出す物質を液体にしてシャボン玉にするというアイデアは、科学者たちも研究してほしいですよね。


大村正樹

どうですか、現実問題できますかねぇ?

人間のいってることは、だいたいかなっているので、彼のいっていることは必ずかなうと私は信じてます。


大村正樹

うん、何かあるかもしれませんよ。合理的ですよね、必要なくなったら床にポンと吸いこまれちゃう。必要な時にフワッと出てくる。その宇宙服の中で人間は宇宙で生活できるという。

自由に飛びまわれるという。


大村正樹

窮屈感がないですよね、この表現に。先生、このコンクールはどういう要項で募集して、どういう形の審査があるんですか?

はい。募集は健康と医療の未来、宇宙開発の未来、自然・環境・エネルギーの未来、それからロボットの未来という4つの部門の中から1つを小学生に選んでもらいます。それで400字以内でアイデアを書いて応募してもらいます。


大村正樹

はい。

この夏に審査を2回行いますけれど、審査会では8名の入賞者全員を大学に招待して2分間のプレゼンテーションをしてもらいます。


大村正樹

ちびっ子たちに?

そうです。口頭でプレゼンテーションしてもらいます。最優秀賞1名と優秀賞2名を決めるわけですが、ここで入賞者全員は「未来博士号」がもらえます。


大村正樹

ほぉ〜!

この後が楽しい部分ですが、この入賞作品すべてに日本大学芸術学部の学生たちがアニメーションをつくってくれる。で、小学生と一緒に発表会をするところがとてもユニークなコンクールですね。


大村正樹

さっき2作品読みあげましたけれど映像化してくれるということですか、アニメで?

そうです。


大村正樹

いやぁ、いいですねぇ! じゃあ、“だんご虫きょ大化計画”もアニメになって?

そうです。


大村正樹

作品になるわけですね。

はい。


大村正樹

これ、ちょっとミニフィルムみたいな感じでできますねぇ。夢がふくらむなぁ。今回科学の話でもありながら、芸術的な話になりました。さすが日芸ですよ。先生、来週もいくつか作品を紹介しながら、先生の考察などをうかがってよろしいですか?

はい。


大村正樹

今週のサイコーは、日本大学藝術学部教授の木村政司先生でした。ありがとうございました。

ありがとうございました。


大村正樹

「22世紀の予言アイデアコンクール」、これホームページから募集要項を確認してもらってもチェックできます。
http://22dreamkids.jp/index.html
応募先をあらためてご案内します。
〒176-8525 東京都練馬区旭丘2-42-1
日本大学芸術学部研究事務課内
「22世紀の予言アイデアコンクール」係です。
日大芸術学部の予言アイデアコンクール係ということですね。8月17日、あと1ヵ月ちょっとかな。金曜日必着です。
それでは、また来週も夕方5時半に会いましょう。七夕、バイバイ!